【感想】国際秩序(上)

ヘンリー・キッシンジャー, 伏見威蕃 / 日経ビジネス人文庫
(1件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • jun55

    jun55

    国際秩序、世界秩序を歴史を追って、また地域に大きく括って説明している。
    現在起こっている事象を、このような大きな歴史の流れを理解したうえで、捉えることが重要。
    アメリカの国務長官は、原題ではSecretary of State of the United Statesとなり、外務大臣よりも広い意味を持つと思う。(大統領No2的存在)
    それが、様々な歴史的知識、経験に裏付けられた人物が就任していることがアメリカの強みでもあるのだろう。
    (と感じた)

    以下抜粋~
    ・ヴェストファーレン和平条約は、諸国家の歴史の転換点になった。帝国、王国、宗教的権威ではなく、国家がヨーロッパの秩序の基礎単位であることが確認され、国家の主権という概念が、そこで確立した。

    ・中東はヴェストファーレン前の宗教戦争とよく似たーだが規模ははるかに大きいー紛争に捕らえられている。国内紛争と国外紛争がたがいを悪化させている。そこでは、政治、宗派、部族、地域、イデオロギー、長年の国益の衝突が、交じり合っている。地政学的な目的の軍務のために、宗教が「武器化」されている。一般市民は、宗派への協力を尺度に吟味される。

    ・ヒンドゥー教はじつに多様で、単純な定義を受けつけないー独特の神々、哲学的なしきたり、ヨーロッパならべつの宗教と定義つけられるような類似物を、すべてひっくりめているー多種多様な創造物の究極の統一に限りなく近づいたものであるといえる。「人間の現実の探求の歴史が長く多様であることを反映するとともに・・・すべてを抱擁し、無限である」

    ・ムガール帝国は、インドの多様な影響力を具現していた。宗教はイスラム、民族はトルコ人とモンゴル人、支配階級の文化はペルシアというムガール帝国が、地域のアイデンティティで細分化されていた多数民族のヒンドゥー教徒を支配した。
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    投稿日:2023.04.15

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