【感想】黒石(ヘイシ) 新宿鮫12

大沢在昌 / 光文社
(53件のレビュー)

総合評価:

平均 4.1
18
21
10
1
0

ブクログレビュー

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  • jmoonblue

    jmoonblue

    安定の新宿鮫シリーズ、前作からのキャラクターも良いテイストを帯びてきており、これからも新たな長いシーズンに繋がる予感。いよいよ、時代を超越しつつある感じ。唯一、本作における八石の名前と人物は覚えにくく、その分読み方が雑になってしまったのが残念。自分の問題ですが。続きを読む

    投稿日:2024.03.03

  • bosch

    bosch

    前作で見え隠れしていた、残留孤児の秘密組織金石、そしてその上部組織である八石の内部抗争、その首謀者、殺し屋(黒石)への捜査がメインとなる。

    新課長の阿坂、薮、矢崎と言う前作からの捜査メンバーに加えて、敵である金石のメンバーもそのまま持ち越してくるので、前作を読んでいないと少しわかりづらいかもしれない。

    精緻に練られたプロットは従来同様見事であるが、話が同じところをぐるぐると回っているだけでさほど進まない。
    ストーリーは単純ながら人間関係が前作から入り乱れている上に、1人のキャラが日本名、中国名、さらには偽名、八石内の暗号名まで持っていてややこしい事この上ない。
    そのため連載ということもあるのだろうが同じような説明が多くて歯切れも悪い。

    新宿鮫シリーズの新作というより、前作の続きという感じで、作者の筆力で読み切れたが、これまでが良かっただけに少し残念な作品となっている。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.03

  • 音訳1年生

    音訳1年生

    30年前から続き、愛読しているシリーズの12作目。一作完結なので初めてでも心配なし。新宿警察署の警部・鮫島が公安の矢崎、数少ない理解者の阿坂課長、鑑識係の藪の協力を得ながら、中国人地下ネットワーク『金石』と謎の殺人者「黒石」を追っていく。鮫島と犯人が交互に一人称で話を進めていくので、謎が深まり話が複雑化していきます。中国残留孤児の互助会的組織であった「金石」の変質が、連続殺人事件を引き起こしたのか?「黒石」と呼ばれる殺人者は何者なのか?…。ストーリーの展開もスピーディーで緊迫感に読む手が止まりません。続きを読む

    投稿日:2023.10.20

  • Funya

    Funya

     馴れ合いを嫌って単独で動き、気づかれないうちに犯人に迫り捕捉してしまう警察官が新宿署にいる。鮫島という名と捜査法も合わせ、人は彼を「新宿鮫」と呼ぶ。

     キャリア警察官でありながら、上層部との対立が原因でずっと新宿署の警部に留め置かれている孤高の刑事・鮫島の活躍を描く警察サスペンス。シリーズ12作目。
              ◇
     鮫島と因縁がある、中国残留孤児二世三世で構成される地下組織・金石。その幹部の1人、高川が警察に保護を求めてきた。対応した元公安総務の矢崎は、新宿署の鮫島に連絡し、2人で高川と会うことにした。

     高川によると、金石は八石と呼ばれる8人の幹部によって運営され、PCネットワークによって繋がっているという。
     ところが最近、八石の1人である徐福と名乗る男が金石の支配を目論み、黒石と呼ばれる暗殺者を使い他の幹部の排除に乗り出したとのことだった。

     秘密裏に捜査を開始した鮫島たち。だが、幹部の誰も徐福に会ったことがないという事実に直面し、捜査は難航する。
     そして数日後、八石の1人と見られる男の死体が、頭部を潰された状態で見つかった。

         * * * * *

     大沢在昌さんの作品の中で最も好きなのが、この『新宿鮫』シリーズ。サスペンスとしてもヒューマンドラマとしても高いレベルで安定していると思うからです。本作も楽しみつつ大切に読むことにしました。


     徐福と黒石。この上ない強敵でした。
     頭がキレ、ネットの奥深くに潜みつつライバルの居場所を正確に探り当て、暗殺者を差し向ける徐福。
     筋肉質の巨体を誇り、密かにターゲットに近づき正面から頭蓋骨を叩き潰す恐るべき暗殺者の黒石。

     何かの格闘技に秀でたわけでもなく射撃の名手でもない、正義の執行者としての矜持のみを拠り所に捜査を行う鮫島にはかなり分が悪い。

     ここ何作かは晶と桃井を失った鮫島が死に場所を探しているかのような印象を受けて、寂しさを感じながら読んでいました。
     だから今回、鮫島の相棒として再び矢崎が登場したことで「よもや」という思いが頭をよぎってしまいました。

     矢崎は前作で、鮫島の動向を探るため公安が潜り込ませたスパイであり、捜査途中で犯罪組織に狙撃され重症を負った人物です。
     スパイではあったけれど若い捜査官の前途に鮫島はずっと心を砕いており、今回どこかで矢崎を庇って……となるのではないか、孤高の鮫島に相応しい最期が用意されているのではないかと恐れていました。

     でも杞憂に終わってホッとしました。

     矢崎は鮫島の誠実で優秀な相棒になっているし、アシスト役としての藪はますます存在感を増しています。
     そして何より生活安全課長の阿坂が桃井に匹敵する上司ぶりを見せるようになってきました。(余談ながら、藪が阿坂課長に惚れたような描写があって微笑ましかったです)

     鮫島が孤独な捜査官ではなくなったのが、自分にはうれしいことでした。

     右手小指の骨を砕かれた鮫島と、鮫島への復讐を誓い黙秘を貫く決心をするサイコパス黒石の描写という不穏さを残すラストシーン。
     心配だけれど、続編への布石と思えばまた新宿鮫に会える楽しみにもなりました。本作もおもしろかったです。
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    投稿日:2023.09.30

  • 帆掛船

    帆掛船

    このレビューはネタバレを含みます

    2022/12/16読了
    敵役の名がそのままタイトルになるのは、『毒猿』以来か。『暗約領域』を読んでいないと人物等の背後関係が判り難いが、それを除けば、鮫島と謎の暗殺者、黒石(ヘイシ)との対決という、久々にストレートな内容であった。『絆回廊』から追っていた《金石》もこれで壊滅か? でも陸永昌との決着は付いてないぞ? とか、早くも13作目が楽しみになってきた。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.09.13

  • 土瓶

    土瓶

    う~~~ん……。
    期待、し過ぎたかも?

    図書館予約してから1年近く待たされ、やっと借りることができた。

    新宿鮫シリーズ第12弾。

    単独作品というよりも前作の「暗約領域」と併せてひとつの作品のよう。あまりにも関りが大きすぎる。
    「暗約領域」を前編とするなら「黒石(ヘイシ)」は後編。いや、次も続くのかも知れない。金石(ジンシ)篇といったとこだろうか。

    登場人物がかなり多いし、前作とかなり被っている。
    メモをとりながらの読書となったが、それでも「この人誰だっけ?」となりがち。
    しかも日本名と中国名が出てくるのでけっこう大変。人によってはさらに源氏名まである。
    「暗約領域」「黒石(ヘイシ)」と続けて一気に読むのがわかりやすいだろう。

    あいかわらずおもしろいのだが、同じように特異な殺し屋が出てくる過去の作品「毒猿」や「屍蘭」に比べるとパワーダウンは否めない。
    終わり方もあっさり風味だった。
    まだこの「金石(ジンシ)」篇は続くのかな~。








    まあ、それはそれとして……。
    図書館予約。10冊までしかできないの、なんとかならんかな~。
    せめて倍の20は予約させて欲しい。
    人によっては、あれかな? 家族の図書館カードを使うなどの裏ワザを使ってるのだろうか。羨ましい。

    (゚д゚)!ソウダー

    と、いうことで!
    急募!! 家族!?(笑)
    若干名。待遇は応相談。委細相談。
    犬さん、猫さんは、家族になり得ますが、図書館カードは発行されないでしょうから、今回は人間に限らせてもらいます。

    いやいや、図書館カード目当てかーーーいっ!!
    続きを読む

    投稿日:2023.09.04

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