【感想】「お金」で読む日本史

本郷和人, BSフジ「この歴史、おいくら?」制作班 / 祥伝社新書
(3件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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ブクログレビュー

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  • Taichi Okamoto

    Taichi Okamoto

    このレビューはネタバレを含みます

    源頼朝の収入、武田信玄の軍資金など
    テーマに沿って、現在の貨幣価値に換算した
    お金ベースの日本史。
    何にいくらかかったか、を丁寧に解説。
    欲を言えば、それではそのお金はどこから出ていたのか、
    金主は誰だったのか、詳細を知りたかった。
    坂本龍馬の金主がロスチャイルド家、は都市伝説?

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    投稿日:2022.12.19

  • yashiti1

    yashiti1

    このレビューはネタバレを含みます

    武田信玄の軍資金も、鎌倉幕府の成立も、江戸時代の暮らしも、明治維新も、何となく分かった気になっていたが、実際にかかったお金が分かると、かなり臨場感を持って身近に感じられた。

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    投稿日:2022.10.23

  • yasz

    yasz

    この数年、本郷氏の本が出るたびに楽しみにしています。今回は「お金」で読む日本史ということで、当時のお金を現在の価値基準(円)に置き換えたらいくらになるかということを事件毎に解説してくれています。

    末のことに購入した蒸気船が10万ドルと言われるよりも、日本円の価値換算で25億円(当時は1ドル=25000円)と言われることがピンときます。このような感じで、本郷氏は多くの文献を調査するなどして多大な労力をかけたとは思いますが、読み手にとっては大変面白い本になったと思います。続編も楽しみにしています。

    以下は気になったポイントです。

    ・和同開ほう(708)以降、日本の朝廷は十二種類の貨幣を作っているが、銅の採掘量が減ったため粗悪な貨幣となり、958年の乾元大宝を最後に中止する。頼朝の頃は宋銭が入っていくる前なので物々交換であった、日持ちのして価値の下がりにくい、米・絹・あしぎぬ、で交換していた(p18)

    ・996年頃は、一文=100円で計算すると、刀一振りは、最高額で300万円、平均的には50−100万円であった(p36)

    ・かつては頼朝が征夷大将軍になった1192年を成立年としていたが、幕府とはそもそも近衛大将以上人が置く陣容の呼び名であることから、頼朝が軍事部門のトップである右近衛大将(権大納言兼任)に就任した1190年とする考え方もある、しかしすぐに両職を辞任する、京都での在勤を求めらたので(p42)著者は頼朝が武士が武士の政権樹立を目指して鎌倉入りした1180年を成立年と考えている(p38)

    ・コメ一石=10万円で計算すると、御家人の収入(200町の新補地頭)は、2000万延近い収入となる(p58)鎌倉幕府は承久の乱後に没収した所領をあわせると、4000ヶ所以上となった、西国から軽んじられてきた東国武士が作り上げた鎌倉幕府は朝廷に武力を放棄させて全国を掌握した、これが600年続いた(p58)

    ・信玄の領地が最大になった51歳の頃には、太閤検地に当てはめると120万石(信長は、尾張57、美濃56、伊勢57万石)となる、1石=10万円とすると、1200億円となる、四公六民であった(p62)

    ・織田信長の決めた撰銭令(1569)では、金10両=銭15貫文であった、一貫文を現在の10万円として計算する、甲州金1両=15万円とすると、一分=3万七千五百円、1朱=9375円となる(p74)

    ・戦国時代の武田信玄は太平洋ではなく日本海の北の港を収めようとした、当時の海運は日本海が主流であった、室町時代後期の制定とされる「廻船式目」には栄えている港として「三津七湊」が挙げられている(p77)

    ・江戸時代の軍役は、石高を200石から10万石までを36段階に分けて、200石なら五人(侍1、甲冑持ち1、馬口1、小荷駄1、槍持1)10万石なら2155人の他に、馬170、銃350、弓60、槍150、旗20)と決められていた(p82)年棒1000万円(100石)の武士は、2−3人の兵を連れていかなければならないことになる(p84)

    ・取り上げる物がいつの年代か、また現在の価値にするといくらに設定するか、これらによって1両=7万5000円から13万円の開きが生まれる、そこで江戸時代の1両=10万円とした(p103)大判は1枚7両2分とする(p104)

    ・江戸の四大料理は、そば・寿司・うなぎ・天ぷらであった、そばは16文で400円、寿司は一貫200−400円、うなぎは、100ー200文(5000円)天ぷらは、1つ100円程度(p145)

    ・江戸町奉行の石高は3000石、足高の制により大岡忠相は1080石をたされた、これは1億800万円の年収を上乗せられたことになる(p148)

    ・吉宗の治世下で、天領の石高は400万石から460万石になった、年貢収納高は、180万石(1800億円0隣江戸幕府の歴代最高記録となった、この時は黒字財政であった(p160)

    ・ペリー来航後に、砲台場を作る一方で、アメリカからの使者をもてなす饗応接待の場をもうけた、料亭百川で最も高い料理:一人前2000文(1両=6500文で計算すると3万円)に対して、10倍高い3両(30万円)の料理を500人分=1億5000万円用意した(p175)

    ・咸臨丸は幕府が安政2(1855)にオランダに発注した蒸気船で建造費は10万ドルであった、当時のレートは1ドル銀貨=一分銀なので、2万5000両(25億円)となる、したがって、1ドル=25000円となる(p206)

    ・廃藩置県の当時には、藩債の総額は7813万円(国家予算の2.5倍)明治時代一円=現在の一万円とすると、7兆8130億円となる(p218)明治期は米一石=10円前後である、本書では米一石=10万円としているので、明治時代の1円は現在の10000円になる(p222)

    ・西郷隆盛は大日本国憲法発布に伴う大赦により名誉回復されて、それを機に銅像の建設が計画された、徳川慶喜が明治天皇と拝謁した年(明治31=1898)に西郷像の除幕式が行われた(p229)

    2022年10月5日読了
    2022年10月10日作成
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    投稿日:2022.10.10

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