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石井光太 / 文春e-book (86件のレビュー)
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総合評価:
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有井 努 Tsutomu Arii
著者は格差社会の現実を追うノンフィクション ライターとして知られています。 いわゆる貧困問題に光を当てています。 その問題には日本人であるにもかかわらす、日 本語をうまく使えない人たちがいるという…事実 に突き当たります。 もちろん海外移住者のように日本語を母国語と していない人たちもいることでしょう。 しかしこの本では日本で生まれ育っているにも かかわらず日本語が貧弱なのです。それは一部 は社会に現れています。 ネガティブな気持ちを表すのは「ウザい」「キ モい」、良い意味では何でも「ヤバい」など、 語彙が少ないと思った人も多いかと思います。 これでは感情の相互理解なんて出来るはずもな く、ネットという距離を介在したSNSだけのコ ミュニケーションに没頭することになります。 このまま日本語は滅びてしまうのか。母国語を 駆使して物事を考えるということが、非常に大 切であることを痛感する一冊です。続きを読む
投稿日:2024.04.07
まおんちゅ
子育てをする上でのバイブルとして心に留めて置きたい一冊。 自分自身の幼少期〜青年期を思い返すと、「何であの時こういった行動を取ったんだろう」「どうしてあの出来事が理解できなかったんだろう」といった出来…事が度々浮かんでくるが、本書の「国語力」という点にスポットを当ててもう一度見つめ直すと、すとんと腑に落ちる。私は当時、適切な言葉を持ち合わせていなかったんだ。 国語力のないまま(言葉を持たないまま)成長してしまった子どもが、この厳しい社会を生き抜くことがいかに困難か。 わが子には豊かな言葉を持って欲しいと思うが、その気持ちが大きいばかりに肝心な子の気持ちを汲み取らず暴走してしまっては、結局子の言葉を奪ってしまうことになりかねない。それもまた怖いところ。 知らず知らずのうちに子に強要していないか?自分の考えを押し付けていないか? 度々立ち止まって見直さないといけない。 話は少し逸れてしまったが、本書にあった「家庭内での会話」の重要性は特に勉強になった。 巷では、0歳からの知育教育!幼少期こそ英会話を!などといった幼児期からの教育が叫ばれるが、子どもの言葉に耳を傾ける事、何でもない会話を大切にする事、何か問題があった際も頭ごなしに叱らず、どうしてこうなってしまったのかを一緒に考える事など、簡単なようだけど意識的に見つめないといけない事を最も大切にしたい。続きを読む
投稿日:2024.04.03
ぽん
国語力、ぴんとこない言葉だが”考える力””感じる力””想像する力””表す力”を指すらしい。 生きる上で、この国語力が如何に大事なのかがわかる本になっている。
投稿日:2024.03.27
きゃろらいな
面白くてどんどん読み進められた。国語力は全ての要となるスキルで、他者とのコミュニケーションは勿論、自己マネジメントにも不可欠。国語力が無ければ内省もできない。読書が心を落ち着けるのは言語を通して自己の…感情を還元できるからのように思う。続きを読む
投稿日:2024.03.17
shiroyagie
うーむ、どういうふうに受け取るべきか、評価しづらい本ですね。こういった現象はたしかに起きているのでしょうけど、そこから”国語力”(この言葉自体もちょっとあいまいな気がしますが)に帰着させようというとこ…ろが、大丈夫なのかなあ、と。”国語力”が大事なのは、そりゃそうなのですが・・・。問題の本質ってどこなのかなあ、ということと、それを解決するためにはどうしたらいいのかなあ、ということと、いろいろモヤモヤしました。教育って、いろんな立場のひとがいろんなことを言いたい放題にいうので、なにがいいのかさっぱりわかりません。【2024年3月1日読了】続きを読む
ミラク
このレビューはネタバレを含みます
興味深い話がたくさんあった。 序章の『ごんぎつね』が読めない小学生は、この本が話題になっていた時にも聞いた。 『ごんぎつね』の中の『近所の人が集まって、女性たちが何かを煮ている』というシーンで死体を煮ていると小学生たちが答えるというモノ。 色々、思うことはあるけど、『死体は雑菌だらけだから、消毒しないといけない。だから煮る』というのはある意味では合理的なんだよな……。倫理的に問題ありだとしても。現実的にも煮るより焼く方が早いし、簡単でもあるけど……この辺りは想像力が乏しくなるのはしょうがない。 もう一つ『一つの花』の例も出ていた。こちらは、おにぎりを強請る子供に渡すおにぎりがなくなって、父親が花を渡すというシーン。 『騒いだ罰として』『お金儲けのために。売ればお金になる』 これも、いろいろあるけど想像力の一旦と思えない事もない。ただし、認知の歪みはあると思う。 『子供の社会は大人の縮図』だとするなら、このような回答が子どもから出るという事は『大人がそのようなメッセージを常に発している』という事でもある。 でも、この本はそのような方向で書かれているものではない。『国語力』に焦点を合わせて書かれているので、『子供たちが登場人物の行間を読めなくなっている』という話で進んでいく。 そういう見方も一理あると思う。 序章では『国語力とは何か』とも書いてある。 文科省の定義では「考える力(論理的思考力)」「感じる力(情緒力)」「想像する力(想像力)」「表す力(語彙力)」の4つを指すとある。この本ではこれらの話題が何度も繰り返される。 この本は子供たちのためのものだから『子供たちに機会を等しく提供するのは大人の責任』となっている。 でも、人権とは『国が国民の権利を保障すること』で、そのための教育の機会も国が保証しなければならない。日本の大人たちは『人権』すら教えられず、『大人の責任』とみんなの責任のようになってるのもどうなのかなと思う。 『政を監視するのは国民の義務』であり、『教育にお金をかけない政治から変えないとおかしい』ぐらいまで言えないのは……言わないのは何なのかなと思う。今の政治で『教育が変わる』という期待があるのか。政治の話にすると『嫌悪を抱く人がいるから避けた』のか。 でも最低限、『人権』の話を少し絡めてもいいと思う。ここまで、『教育がおかしい』という話をしてるんだから。
投稿日:2024.03.10
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