【感想】ステージ4の緩和ケア医が実践する がんを悪化させない試み(新潮選書)

山崎章郎 / 新潮選書
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 伊奈

    伊奈

    未来への希望を残して、この本は終わっている。いろいろ考えてくれている医師がいることがわかって、がん治療の未来も暗くないな、と思えた。

    投稿日:2023.10.22

  • pinoko003

    pinoko003

    このレビューはネタバレを含みます

    著者の山崎章郎先生が運営されていたケアタウン小平の在宅医療で母の看取りをしていただき、その後遺族会に入会し、今もケアタウン小平とのお付き合いは続いている。
    母はケアタウン小平での在宅医療に切り替えてから2週間余りで他界したが、ちょうどその時山崎先生は大腸がんステージ4の診断を受け、患者数を抑えながら在宅医療を続けられていた時期であったことをこの本を読んで初めてしった。
    今振り返ると山崎先生の夜勤は少なく、ほかのA先生とI先生がよく診療に来ていただいた。最後の死亡診断書もA先生に書いていただいた。山崎先生の病状を考えほかの2人の医師が一生懸命フォローしていたのだ。母の場合は希少癌で効果的に効く抗がん剤はない上に、気づいた時はもう治療の施しようがなかったため、最初から緩和ケアを勧められ、母もそれに応じたため、標準的な抗がん剤治療はやらぬまま緩和ケアに入ったが、山崎先生が既存のがん食事療法の組み合わせを考案されたケトン体やクエン酸等の食事療法、少量抗がん剤治療の組み合わせ治療を教えていただければ私も母にその食事を作ってみたかった。
    ただ、正直緩和ケア医である山崎先生のような方でもご自分ががんにり患し、ステージ4ともなると標準治療以外の方法に縋り付きたくなるのかということに少なからず衝撃を受けたとともに、標準的な抗がん剤治療の過酷さを思い知らされ、一度はあきらめたがん保険加入検討が再び再浮上してきた。ケアタウン小平を創業された山崎先生は自分の命は自分だけのものではないことを知った。と書かれていたがまさに同感。ケアタウン小平の灯を消さないためにも、ほかの病院に経営母体を移されたのも賢明だし、山崎先生には最後のライフワークとしてステージ4レベルの患者でもがんと共存できる治療法の探求は頑張りつづけて一つの治療法として確立させてほしい。

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    投稿日:2022.10.22

  • learnchi

    learnchi

    全体としてはn=1の経験談がベースではあるが、著者が緩和ケア医であり、最後のライフワークとして「がん共存療法」を確立すべく臨床試験を目指している方なので、よく整理された克明な記録となっていると思う。

    同じステージ4の大腸がんであっても症状は人それぞれだ。わたしにも正直なところ実際に参考になるとは言い難かったが、それでも体験談として興味深く読んだ。それに自分の知識不足も痛感した。

    本書が浮き彫りにする標準医療の問題点はわたしには驚きだった。標準医療を選ばない患者が医療そのものから見放されるのは深刻だ。
    公的医療に多くを望むことは難しいだろうが、早い段階から緩和ケア外来を受診できるようにとの提言には賛成だ。
    標準医療から外れ、民間療法に取り組むことは、お医者さんである著者でも何度も言い訳を書かないといけないほど、周囲の嘲笑や侮蔑がある。
    苦しい抗がん剤から離れ、周囲の嘲笑から耳を塞ぐと、その先に待っているのは数多の高額な怪しい民間療法しかなかったりもするのだ。

    そしてその抗がん剤の治験は、効果ではなく最大大耐用量を調べることにあるので、もっと少ない量で効果があったとしても注意が払われないのだという。これには本当に驚いた。高価でもあるその薬が、常にその最大耐用量で投与されているのが標準医療なのだ。

    著者が目指すような共存療法が、多くの病院で広く選択できるようになってくれたらと願う。
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    投稿日:2022.08.16

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