【感想】桑田佳祐論(新潮新書)

スージー鈴木 / 新潮新書
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 4.0
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ブクログレビュー

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  • gmind

    gmind

    このレビューはネタバレを含みます

    サザンの26曲をとりあげ、分析している。スージー鈴木さんならではの鋭さと軽妙さで面白い。

    『78年8月31日夜。演奏が終わった瞬間、日本のロックが一段上に跳ね上がった。見えてきたものは江ノ島と、新しい日本のロックのありようだ。』

    『ルイ16世「女呼んでもんで抱いてとか、おっぱいとか、これは暴動か?」

    リアンクール公「いいえ、陛下、暴動ではございません。革命でございます。」』

    『《いとしのエリー》たった一曲の中にも「誘い涙」「みぞりまじり」「泣かせ文句」という強烈な桑田語が並んでいた。これらは、言ってみれば、日本語ロックにおける「言語革命」の痕跡である。』

    『ぜひ一度、歌っていただきたい ♪芥川龍之介がスライを聴いて、"お歌が上手"とほざいたと言う。」

    私にとってこのフレーズは、声に出して歌いたい日本語の最高峰である。』

    といった感じ。ミーハーでいて評論家。


    あとがきで退職したことを書いている。退職して初めての著作で、職業人の制約から離れて少しだけ自由に書いたとのこと。仕事から離れることで評論家としての活動が進むのかもしれない。

    調べると博報堂にいたんですね。

    文中で紹介していた「Jポップにありがちな歌詞」が懐かしくて面白かった。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.03.05

  • ハナハル

    ハナハル

    ファンなら読むべきだと思った。
    歌詞なんかほとんど把握していなくても、
    十二分に楽しめるからこそ、見過ごしている。
    キャリアの中からバランスよく選曲。
    その分析もとても参考になりました。
    たしかに、ユーミンや山下達郎、佐野元春、矢沢永吉、浜田省吾…が「マンピーのG★スポット」とは歌わないだろうな笑
    偉大すぎます。
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    投稿日:2023.11.08

  • ばきちゃん

    ばきちゃん

    天才桑田。ずっと前からそう思ってきた。メロディラインやアレンジはともかく、バラード以外は、歌詞は音に隠れて、あまり評価されてなかったような世論に、物申す?一冊。確かに!納得の内容だが。。。歌詞の分析って、本来恥ずかしい気持ちする。文字に起こすと、結構やばいもの多し。続きを読む

    投稿日:2023.02.05

  • masahiro884

    masahiro884

    サザンや桑田佳祐の楽曲を歌詞の観点から分析した一冊。バラエティ番組にも積極的に出るメディア露出のイメージから大衆的、清濁の濁の文脈で語られがちな存在だが、それは完全に過小評価だと分かる。そういったタイアップ戦略もあって恐らく日本人なら(少なくとも受動的には)聴いたことのあるサザンの歌詞がこんなに深いものだったとは。でも本書が素敵なのはそういった考察をしながら「まぁでも難しいこと考えずに聴いてみなよ。気持ちいい名曲ばかりだよ?」というスタンスを採っていることだと思う。自分自身もソロ2枚目のベストアルバム『TOP OF THE POPS』のCDを学生時代に買って聴いてた頃の記憶が蘇ってきた。カラオケで何度も歌ってきた「芥川龍之介がスライを聴いて“お歌が上手”とほざいたと言う」が声に出して歌いたい日本語の最高峰という評価には首肯しかないw続きを読む

    投稿日:2022.11.23

  • NFCC図書館

    NFCC図書館

    第1章 胸さわぎの腰つき(1978~1985)
    第2章 米国は僕のヒーロー(1986~2010)
    桑田佳祐“遠い街角
    第3章 20世紀で懲りたはずでしょう?(2011~2022)
    終章 桑田佳祐と戦後民主主義(1945~2022)続きを読む

    投稿日:2022.10.24

  • こうへい

    こうへい

    サザン(桑田さん)の(自分にとっての)ど真ん中ストライクは84年の「人気者で行こう」から94年の「祭りのあと」まで。リアルタイムは最後の3年位だが。

    この本で取り上げられている26曲の内、ベスト5を挙げると、

    1位 スキップ・ビート(ミュージックビデオも、superfly
    のカバーも素晴らしい)
    2位 夕方 Hold On Me(「人気者で行こう」と「世に万葉の花が咲くなり」は甲乙付けがたい)
    3位 いとしのエリー(23歳でこの詞を書けるのが稀有)
    4位 勝手にシンドバット(2018年紅白のユーミンとのツーショットは一年分の受信料の価値がありました。どうせなら正隆さんと原坊も抱き合って欲しがった)
    5位 月光の聖者達(21世紀の桑田さんはこの路線だと思うのだが)

    著者が出ていた番組「カセットテープミュージック」のサザン特集、といった感じ。マキタさんとうめ子さんが帯を書けば良かったのに。番組再開希望。

    ジュンク堂書店大阪本店にて購入。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.02

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