【感想】朝鮮大学校物語

ヤンヨンヒ / 角川文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • sanavi

    sanavi

    「国籍なんか気にしない」って言葉を私も誰かに言ったことがあると思う。でもその言葉で相手を複雑な思いにさせたのかもしれないとこの小説で気付いた。
    「悪気がなくて気遣ってくれてることは解ってる。でも正直、上から言われてるように聞こえるっていうか……」正にこの言葉通りだと思った。本当に相手のことを思っていたら国籍を気にするはず。「国籍が違うからこそ、もっとあなたのことが知りたい。」となぜ素直に言えなかったのだろう。自分を大きく見せたいだけだったんだな…続きを読む

    投稿日:2023.01.11

  • 1754737番目の読書家

    1754737番目の読書家

    多様性を考えるなら、相手の声に教えを乞うしかない。相手を理解したと思う傲慢はいつもそばにあるので、耳を傾け続けるしかないということなんだろう。

    投稿日:2022.11.29

  • nyankoteacher

    nyankoteacher

    昔、李恢成『伽耶子のために』を読んだとき、立原正秋『冬の旅』を読んだとき、自分の生まれた国や「民族」について普段は、輪郭を持たない漠然茫然混沌とした思念しかもたない日本人には、刺激が強すぎる文学だと感じた。本作は、時代が下がる分ずっと現代的で、個人主義への賛を前面に出してはいるものの、同じ読後感を残す。なぜ、民族の出自にそれほどプライドをかける人々がいるのか、それを賛美強制する政体が存在するのか。これは朝鮮半島の特殊事情なのか、それとも、20世紀前半の帝国主義とナチズムと共産主義のないまぜによって、世界史的にユーラシアの東西で、共通に不幸にも発生した国際政治学的現象なのか、あるいは人類学的な根本に由来する差別意識の原罪によるのか。とにかく、感じ、考えるきっかけになるし、読まないと、こういう問題の存在に一生気づかない能天気な人、粗暴なだけの街宣「テロ」に根源的共感を覚えてしまう残念な人などが今後も量産されるだけだ。こういう本が日本で一般に広く読まれるといいな、と思う。続きを読む

    投稿日:2022.08.23

  • こうへい

    こうへい

    80年代の少し浮わついた時代の空気感に鋭く楔を打ち込む朝鮮大学校での日々。

    物語のハイライトはミヨンの姉が嫁いだ北朝鮮に卒業旅行で訪れる第3章。

    ミヨンは大学校を卒業して自由を探る道に進む。

    とのロマンスはやや淡白か。

    丸善高島屋大阪店にて購入。
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    投稿日:2022.08.08

  • ブラリー

    ブラリー

    もし私が主人公と同じ立場だったら、考えることを放棄し、何の疑問も持たずに生きるだろうか?常に現状に疑問を持ち、正しいと思ったことを貫くだろうか?感情を上手に隠してしたたかに生きるだろうか?

    投稿日:2022.08.03

  • soranofukasa

    soranofukasa

    映画「スープとイデオロギー」を見たのちに、監督のヤン・ヨンヒの本がロビーにあり、思わず手に取ってみた。これまで知らなかった在日韓国人、とりわけ朝鮮総連の人々の暮らしがどんなものなのか初めて知ることができた。思想と人生を考えると、現在曖昧に暮らしている日本の姿がむしろ好ましく見えてきた。

    率直な文章がとても気持ちの良い作品。女性としても勇気をもらえた。
    帯に書かれた「自由が故のしんどさなら、挑む価値があると思った」が良い。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.17

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