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たかぎ七彦 / 角川コミックス・エース (1件のレビュー)
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ゴンチャロフ
博多では蒙古軍との激しい戦闘が続いていたが、その報はまだ鎌倉の幕府の下には届いていなかった。本書の前半では、時を遡って執権北条時宗の幼少期から蒙古との外交交渉までを描く。唐突ではあるが後の展開に必要と…なるのであろう。そして博多では、前日の「暴風雨にもかかわらず」士気旺盛なモンゴル軍が再度押し寄せる。御家人たちは、蒙古軍、女真族、高麗軍と戦法を異にする敵に翻弄されつつ、焼失した筥崎宮の守備隊も合流して臨機応変に善戦する。なお、興味深いのはやはりモンゴル帝国からの国書の内容である。わかりやすく本書の訳を用いれば、「私は即位してすぐ高麗の抗戦を止めさせ老人や子供を家族の元へ帰させてやりました」「ですから高麗とは主従関係とはいえまるで父子のようです。今では我が帝国の一部、つまりは家族!」「だからお手紙します。お互い交流し合い、親睦を深めましょう。私にとって四方の海全部含めて『一つの家』なのです。交流しないなら私と家族になれませんよ」「どうか私が軍隊を送るなんて事になる前にあなたは慎重に考えてみるのです」。まさにロシアがウクライナに侵攻した心性に通ずるものがあり、それ故に私は「ロシアはキエフ大公国の後継者ではではなくキエフ大公国を滅ぼしたモンゴル帝国の後継者である」と繰り返し主張してきた。本書を読みながらウクライナに想いを馳せる所以である。続きを読む
投稿日:2022.05.29
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