【感想】そして、ぼくは旅に出た。 はじまりの森 ノースウッズ

大竹英洋 / 文春文庫
(17件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
7
4
1
0
0

ブクログレビュー

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  • なつむ

    なつむ

    このレビューはネタバレを含みます

    世界が広がる一冊。
    「シンプルなものだ。毎日、繰り返しだ」
    単調な作業をめげすに繰り返していける精神力げ大切。
    人生の悲劇とは、苦しむことではなく、見過ごしてしまうことだ
    子供のように先入観を捨て、多少の不快感なんて気にせず没頭する。限りない好奇心と胸のドキドキをもって、冒険にのめり込む。

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    投稿日:2024.05.23

  • コン

    コン

    壮大な冒険に出た感覚になった。

    紀行文なので淡々としていて読むのに時間がかかった。けれど、読まなければ知らなかった、自然の大きさとか、野生動物の生き様とか、
    大きな想像ができました。

    私もいつかノースウッズに行ってみたいなと
    本当に思いました。

    現地で過ごす人の人柄とか自由さとか、そういった熱い人格を知れたのもよかった。総じて面白かったです!
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    投稿日:2024.05.21

  • なんくるない

    なんくるない

    初々しい感性が読んでいて清々しかった。
    著者の率直さが、最初の一歩を踏み出させ、憧れの人物まで辿り着かせ、大きな夢へ近づいていったんだろうな。
    著者が行動を起こした1999年はまだSNSなどもなかったようで憧れの写真家に手紙を出してコンタクトを図る。今ならDMが送れるかもしれない。。。
    著者の写真集も見てみたい。
    オオカミには会えたのかな。

    ブーツを履いて歩き出せ。
    知ることよりも感じることのほうが重要。
    人生の悲劇は苦しみではなく見過ごすこと。
    心をクリアに。

    2024.4.2
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    投稿日:2024.04.02

  • せきたけ

    せきたけ

    冒険チックな本が大好きだ。石川直樹に沢木耕太郎、星野道夫など。今まで星5を付けた数少ない本の多くが冒険に関する本だった。そして、この本もそのひとつに加わった。

    彼らの本は今、この地に自分がいる一方、世界の彼方には全く異なった世界があることを伝えてくれる。当たり前のことなんだけど、冒険家の本を読むと情景がトロトロと浮かび上がり、自分もその世界に指先を触れた気になれる。それが好きだ。

    ただ、この本には他とは違う点がある。彼の身自体、ワンゲルならではの嗅覚で慎重に慎重を課す雰囲気がとても親近感が湧くのだ。その中で彼は若さ故の大きな一歩を踏み出した。目的地への道中から何まで美しい文書、素敵な自然(蚊は多そうだけど)、慈愛に溢れた人に囲まれてスタートした彼には嫉妬してしまいそう。だけれども、それは彼が慎重ながらも大きな決断をしたからこそ得られたものであり、更には彼の性格のおかげでもあるのだ。

    とても勇気を貰えた。この勇気のおかげで、私もひとつ大きな冒険、というか挑戦に今踏み切ることが出来た。どうなるか、結果はわからん。自分次第。
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    投稿日:2024.03.23

  • kimikimi28

    kimikimi28

    大竹英洋さんが憧れる写真家、ジム・ブランデンバーグに会うために北米のノースウッズと呼ばれる地域を初めて旅する物語。

    大学4年の秋、大竹さんは「オオカミ」の夢を見る。そして「オオカミ」の印象的な写真集に出会うのだ。それを撮影したのが、著名な写真家であるジム・ブランデンバーグと知る。弟子入りを願い、手紙を送るも一向に来ない返事。大竹さんはそれを直接聞くためにアメリカへ向かった。

    読んでいると自分も一緒にカヤックに乗り、湖を巡りながら旅をしている気分を味わった。初めて見る植物や動物、天候の悪化などのハプニング、人々との出会いの喜び。大竹さんにとっても、読者である私にとっても宝物のような時間が流れている。
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    投稿日:2024.01.25

  • 崎長ライト

    崎長ライト

    僕は、極寒のカナダでカヌーを漕いだ経験がある。20年程前の冬のことだが、僕はへき地医療を学ぶためにカナダのオンタリオ州ハリバートン村に1か月ほど滞在していた。その村の家庭医・カール先生に付いて回り、村唯一の診療所で外来や入院の患者さんを診たり、雪の中を往診に行ったりした。  

    僕にとっては、初めての外国生活、初めての雪国。村にとっても初めての日本人医師だったようだ。丸い眼鏡をかけて長い髭を蓄えたカール先生は、サービス精神旺盛で仕事以外でも僕にいろいろ経験をさせようとしてくれた。

    往診途中の車の中で、

    「カヌーを漕いでみるか?」

    と聞いてきた。あたりは氷点下の銀世界。一本道の先に空の青を映した湖が見えた。

    「もうすぐ湖は凍る。今がラストチャンス。漕ぐか?」

    僕は曖昧に微笑んだ。Yes/Noをはっきりさせない日本人の典型だ。実は、怖かったのだ。こんな寒い日に…、転覆したら死ぬ? 勘弁してくれよ…。

    「漕いだことがない!」

    と訴えるように言うと、カール先生は白い髭を撫でながら微笑みつぶやいた。

    「それじゃ、無いなら、経験して、有るにすればいい」

    今日紹介する本も、カヌーを漕いで無いを有るに変えた冒険物語。著者の大竹英洋は、大学4年のある晩に「狼」が出てくる夢をみた。次の日、気になり図書館に行って狼について調べると、『ブラザー・ウルフ』という写真集と運命的に出会い、「自分は写真家になる!」と決意し、その写真集の著者の弟子になるために旅に出るという実話である。

    旅、冒険、青春物語にふさわしく、アメリカとカナダの国境の森、ノースウッズに住む写真家ジムに、なぜかカヌーで会いに行くという無茶な行動に出る。様々な人の手助けがあり、笑いとほろ苦い涙と心温まる感動の結末が待っている。大竹氏はその後、ノースウッズをフィールドに、野生動物や人間と自然の関わりを撮影。多くの写真集を出し、2021年には写真界の直木賞とも呼ばれる「土門拳賞」を受賞し、夢を実現させた。本書は冒険当時の日記を元に淡々と綴られているのだが、自分も旅に出たい、一歩前に進みたいと思わせてくれる良い本だ。

    さて、僕の冬の冒険に話を戻そう。初めてのカヌー体験は寒さと恐怖で体が動かず、楽しいという感じではなかったが、手が痛くなるほど一生懸命に漕いだ。

    診療所へ帰ると、カール先生が「おまえは、よくやったよ」と、ホット・チョコレート(ココア)を作ってくれた。大きなマグカップの中から湯気が立っていた。僕はかじかんだ両手で抱えるように受け取った。暖かい温もりと、甘いチョコレートが全身にじわりとひろがっていった。無いが有るに変わってゆくのを僕は感じていた。

    (※以上は2023年11月26日掲載の長崎新聞記事「この本読んでみた!」を再編集したものです)

    【追伸】ホット・チョコレートは、カナダで最も有名な<ティムホートンズ>というチェーン店のカフェのものが最高でした。めちゃ安く、カナダ国内に3千店以上、カフェ全体の62%を占めて圧倒的な人気があります(ちなみに、スターバックスはわずか7%)。ドーナツとコーヒーは、カナダの文化にかかせないもの。日本のお茶とお饅頭みたいなものですかね~。ホ~ッホッホ~、次回をお楽しみに♪
    続きを読む

    投稿日:2023.12.07

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