【感想】少年(新潮文庫)

川端康成 / 新潮文庫
(30件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
3
9
11
1
3

ブクログレビュー

"powered by"

  • きょうから読書家

    きょうから読書家

    旧制中学のころの川端康成の文章がうますぎる。ノーベル文学賞をとることになる素地が垣間見える。しかし、文通相手の清野少年の文章も美しい。全体を通して日本語の美しい響きを教えてくれる。そのうえに、川端少年の思春期の心模様が映し出されて、なお美しい。続きを読む

    投稿日:2024.01.23

  • 伊賀嵐山

    伊賀嵐山

    もし期待して読もうとする人がいたら伝えたい、案外そんなことないよって
    短い話で読みやすい、けど頑張って読む甲斐はないかもしれない。でも次は伊豆の踊り子を読みたいと思った。一応それっぽい感想を言うと川端康成特有の孤独感、悲壮感があってエモいけどちょっと失敗したかも。けどやっぱり時代を考えるとこれが精一杯なのかなと続きを読む

    投稿日:2023.10.01

  • はるの

    はるの

    川端康成にとって、尊く瑞々しい記憶のカケラ。
    男女にはない、男同士の思慕や憧憬。言葉で形容することの難しい感情。それらを羨ましくすら思う。

    投稿日:2023.05.28

  • さつまいも

    さつまいも

    川端康成作品の中でもあまり整理されていない(いい意味で)、直球の表現が多い感じがする
    でもその表現が好きだった

    投稿日:2023.05.21

  • kei1122

    kei1122

    このレビューはネタバレを含みます

    「私は本年五十歳に達し、これを記念する心も含めて、全集を刊行することになった。」(P5)ことをきっかけに旧稿をまとめて見て自身の過去を追憶。

    小学六年の綴方が凄すぎて(川端本人は「自分のこと自分の言葉を一つも書いていない。」(P18)とは言うものの)級友たちはどう感じていたんだろうか。

    清野との愛は歳を重ねるにつれて「少年時代の愛」という良き想い出に昇華されたのでしょうか。

    川端は本当に文章が良いなぁ。内容はさておき読んでると癒されます。難しいけど。

    ※以下は自分用にメモ。

    *****************************************
    中学二年の時の作文帳や谷堂集で想い出を振り返る中…

    「しかし同性愛というようなことはなかった。」(P21)

    いきなりこの一文。続いて次の章の始まりは

    「大正五年の九月十八日から大正六年の一月二十二日までの日記には、同性愛の記事がある。」(P21)

    大正五年十二月十四日の日記に、清野、登場。床の中でぎゅうぎゅうと抱き合っている。

    大正六年一月二十一日、清野、大口に狙われる。

    (ちなみに川端は1915年(大正4年)3月から、中学校の寄宿舎に入っている。)

    大正六年、川端は十九歳で中学五年だった、ということは十九歳のときに後輩とベタベタしてたのかぁ。

    「また私は高等学校の時に清野少年あての手紙を作文として提出した。教師の採点を受けてから実際の手紙として清野に送ったと記憶する。」(P27)

    愛の手紙を先生に?昔はそういうのアリだったのか??(汗)高等学校一年生(19~20歳)のものだそう。

    川端の手元に残っている部分に書いてあったのは

    「お前は私の人生の新しい驚きであった。」(P30)
    「お前はなんと美しい人だったろう。」(P33)

    ものすごいラブレター。これを先生に(汗)

    24歳のときに書いた「湯ヶ島での思い出」を28歳の時に「伊豆の踊子」に書き直す。「湯ヶ島での思い出」では湯治、清野少年訪問、大本教の教祖の入湯の想い出が語られる。

    22歳の8月に清野を訪ねる。清野少年は宗教二世。

    「私は彼の信じるものにではなく彼の信じる心に快く染まりそうなのである。」(P72)

    時を遡って中学五年、清野の信仰心について語られる。

    再び日記に戻る。学生時代の出来事、清野とのやり取り、大口君の恋愛、進路。川端は次から次にもの(時計と書籍)を買う


    「「私のヘングインになってくれ。」と言うと、「なってあげまっせ。」と言った。」(P93)

    ペンギン?

    再び大学時代の「湯ヶ島での思い出」にもどる。

    ここから逆に清野からの手紙が転載されている。22通。私からすると多いように感じるけれど当時は普通だったのだろうか。

    最後の二行が衝撃的でした。勿体ない、と思ってしまいます…。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.04.21

  • yumi.。.:✽・゚

    yumi.。.:✽・゚

    50歳で、日記や手紙や小説で、10代後半から20代前半にかけての自身を紐解き振り返る。川端康成が幼い頃から両親や祖父母や兄弟との別離を繰り返していたことを知らなかった。美しい年下の少年が、孤独を癒しあるがままに受け入れ側にいることは、どんなに必要なことだったのだろう。どこかに別れや死を感じさせる既読の小説が、腑に落ちた。続きを読む

    投稿日:2023.03.04

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。