【感想】警部ヴィスティング 悪意

ヨルン・リーエル・ホルスト, 吉田薫 / 小学館文庫
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
2
4
5
1
0

ブクログレビュー

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  • より

    より

    図書館で。
    情報提供をエサに囚人を刑務所から出す…という冒頭の辺りで、まぁこれはコイツが逃げ出さないと話が始まらないんだろうな、とは思いましたが。思った通りだとちょっと残念な気持ちになりますねぇ。

    最終的にリーナが襲われてオワリ、みたいな展開が多くてちょっと辟易してます。前回読んだ鍵穴も今回も、リーナだけじゃなくてまだ幼い子供も怖い思いをしている訳だし。警官は二人組で動くんだから彼女も少し考えた方が良いんじゃないの?と思いながら読み終えました。続きを読む

    投稿日:2022.12.13

  • Minmo

    Minmo

    ノルウェーの警察小説、ヴィスティング警部シリーズのコールド・ケース・カルテット3作目。

    今回は少し違う雰囲気で物語が始まる。2人の女性への暴行・殺人・死体遺棄の罪で服役中の男トム・ケルが、第3の犯罪を告白。自供の裏付けのため、刑務所から搬送し、死体を遺棄したという現場を確認させることになった。しかし、当日の警備を任されたヴィスティングやスティレルたちの目をすり抜け、共犯者アザー・ワンの手引きで、ケルはまんまと逃走してしまう。ケルはどこにいるのか、アザー・ワンとは果たして誰なのか。警備体制の不備を指摘され、内部調査の対象となったヴィスティングは苦しい立場に置かれ、自身も己のとった行動を自責する。

    人間の悪意を大きなテーマとして、物語は過去シリーズ中でも動きの大きい作品となっている。娘のリーネがやはり重要な役割を果たすが、本作ではいつも以上に暴走気味。今回、リーネを捜査に巻き込んだのは、なんと未解決捜査班クリポスの曲者スティレル。どうやら2人の距離が少し縮まりつつあるらしい。
    しかし毎度ながら、身内のマスコミ関係者を捜査班に加えるのは不思議で仕方がない。ノルウェーではOKなのだろうか。周囲もまたリーネの越権行為には甘い。リーネを巻き込んだスティレルにヴィスティングが「どうしてリーネなんだ」と詰問するシーンがあるが、今まで散々一般人のリーネに捜査機密を漏洩してきたヴィスティングにそれを言う資格はないのでは…。

    悪意というタイトルについては、そのテーマをもう少し深掘りしてほしかった。コールドケース4作目の訳出を待ちたい。
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    投稿日:2022.12.11

  • 0071

    0071

    このレビューはネタバレを含みます

    警部ヴェスティングシリーズ第3作目。
    あらすじ
     複数の女性に対する暴行殺人死体遺棄の罪で服役中の男トム・ケル。彼はは3人目の被害者の殺害を認め、埋めた場所に案内すると言う。現場には、ヴィスティング、撮影スタッフとして娘のリーネ、国家犯罪捜査局捜査官のスティレルが同行する。ところがトム・ケルは地雷?手爆弾を用意し逃げおおせた。スティレルはどうやらトム・ケルの共犯者を探すつもりらしく、少しの間トム・ケルを泳がせようとしていた。しかしそれも裏をかかれ、トム・ケルの居場所は分からなくなる。ヴェスティングは一連の指揮をとっていた責任を問われ、因縁の相手、ノールブーが内部調査に入る。捜査チームは手榴弾の入手経路、トム・ケルファンの女性、弁護士などを捜査していくが、トム・ケルは遺体で発見されてしまう。さらに爆発で負傷した女性警官ドッケンが共犯者と思われる人物に連れ去られてしまう。ヴェスティングたちは、別の受刑者の携帯電話が事件に関係していることを知り、それを入手できたのが弁護士タンケだということに行き当たる。タンケはこれまで性犯罪者の弁護を多く手がけてきたが、それは自分の嗜好によるものだったのだ。リーネはそうと知らずに、タンケの取材をしていたが、ヴェスティング達が到着し、監禁されていたドッケンも救出される。

    感想
     これまでの2作とは違って、爆発から起こった。アクションな展開で意外。しかもなかなか犯人は捕まらないし、読み始めはあんまりにも後手後手後手に回るヴェススティングたちがもどかしく、「そりゃ責任問題にもなるよなー」とは思った。しかし、この事件は思ったよりも範囲が広く、女性に対する事件だけではなく、放火事件や、携わった小悪人の殺害事件なども重なり、トム・ケルの異常性だけでなく、共犯者の計画性もよく表れている。着実に丁寧に事件を捜査する様子が書かれているのは、作者がノルウェー警察元上級調査官ということでかなりしっかりしたキャリアを持っているからだろう。警察署内の改編統合・合併などの様子も書かれているが、しつこくなく、それぞれの捜査官も程よくキャラが立っていて面白い。何してもこれでヴェスティング、リーネ、スティレル、女性捜査官ドッケン?と四人が揃ったので次の作品もどうなるのか楽しみ。

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    投稿日:2022.10.23

  • テルリーヌ

    テルリーヌ

    なぜ、警察にも撮影のプロがいるだろうに民間人で素人のリーネを使うのだろう。無理やり親子を事件に関与させている、そんなことが気になって物語に集中できない。

    投稿日:2022.09.23

  • kazha

    kazha

    CL 2022.8.7-2022.8.9
    正統派警察ミステリ。
    地味だけど丁寧に描かれている。
    娘のリーネがややうっとうしい。単に警察とは違う視点があったほうがいいということなんだろうか。
    主人公の身内であり、警察とは一線を画す立場であり、非力な若い女性。どうにも座りが悪いのよねー

    前2作より主人公たちの感情がよく出ていて輪郭がはっきりしてきた。
    それにしても北欧ミステリの事件は、特に女性に対して凄惨で残虐なものが多いよね。
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    投稿日:2022.08.07

  • nono

    nono

    このレビューはネタバレを含みます

    捕まった犯罪者が余罪を告白すると言って現場で逃走するっていうのはストーリーとしていくつかあるけど、これも結構な荒唐無稽な感じ。
    そこからの話しで結局は共犯者が弁護士だったってオチはどうなのか?
    北欧の風景や季節の陰鬱さとか美しいビジュアルが映像向きだと思う。
    そういう楽しみ方をすれば有りなストーリかな、と思いながら読んだ。

    作品紹介・あらすじ
    英訳北欧ミステリ最高賞受賞作、第3弾! 2021年「このミステリーがすごい!」海外編第7位、2019年英訳北欧ミステリ最高賞「ペトローナ賞」受賞の、国内外で大人気のミステリ「警部ヴィスティング コールドケース・シリーズ」第3弾をお届けする。二人の女性に対する暴行・殺人・死体遺棄の罪で服役中の男が、第三の殺人を告白した。殺害した二人の女性と同時期に失踪したもう一人も自分が殺したという。21年の禁固刑を言い渡されていたその男トム・ケルは、死体を遺棄した場所を自供する見返りに、世界一人道的だと言われるハルデン刑務所への移送を要求した。ケルが供述した遺棄現場はラルヴィク警察の所轄区域内だった。主任警部ヴィリアム・ヴィスティングらが厳重な警備態勢を敷くなか、国際犯罪捜査局のアドリアン・スティレルや弁護士とともに、ケルが現場に到着した。ケルには手錠と足枷がつけられていたが、二度も転んだため足枷が外された。自由を得たケルが一瞬の隙をついて走り出すと、直後手榴弾が爆発した。多数の警察官が負傷し混乱する中、ケルは姿を消す。爆風に吹き飛ばされる直前にヴィスティングが見たのは、森へと走り去るケルだった。過去に残虐な犯罪を繰り返してきたケルには、アザー・ワン──共犯者がいるとされていた。今回の逃亡にもその人物が関与したと確信した警察は、二人の行方を追い始めた。 【編集担当からのおすすめ情報】 2022年3月、WOWOWで北欧サスペンス「刑事ヴィスティング~殺人鬼の足跡~」の放映が決まった。「刑事ヴァランダー」以降、北欧で最も人気のある警察物の一つである「ヴィスティング」シリーズの本邦初の映像公開とともに、本作を発表する。

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    投稿日:2022.07.17

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