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藤子・F・不二雄, 福島直浩, 佐藤大 / 小学館ジュニア文庫 (2件のレビュー)
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1985年公開の『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』をリメイクしました。冒頭は、あっさりしています。のび太がピンチに陥り、「ドラえもーん」と情けない声で叫び、オープニングテーマが流れることが映画の定番で…した。日常パートが短い点はロシア連邦がウクライナを侵略した非日常の世相を反映する形になりました。 原作コミックではパピが、のび太の両親と一緒に夕食を食べ、「食費のかからないお客様で助かる」と言われました。このシーンは映画にはありません。大人が小人の宇宙人に驚かずに一緒に食事をします。これは現実味に乏しいとの見方もあるでしょう。原作者はダイバーシティーが唱えられている21世紀よりも進んでいたと言えるかもしれません。 準レギュラーの出木杉は冒頭に登場しますが、塾合宿でいなくなりました。出木杉に塾は必要でしょうか。原作では自ら家庭教師のバイトをするくらいでした。21世紀のリアルは出木杉のような生徒は塾に通うことになるでしょうか。 入浴好きのしずかちゃんは牛乳風呂に挑戦します。子ども心にやってみたいと思ったことです。しかし。よく考えると牛乳風呂に入った後はベタベタしそうです。服を着る前にシャワーで牛乳を落としたくなりそうです。 ウクライナ侵略と重なったことがあり、ピリカ星がウクライナ、パピ大統領がゼレンスキー大統領、PCIAがロシア連邦、ギルモアがプーチン大統領に見えます。パピは黄色と青のペンダントをしています。ウクライナ国旗と同じ色です。旧作と異なり、パピは序盤で捕らえらえられず、のび太達と一緒にピリカ星に乗り込みます。ゼレンスキー大統領の抵抗精神に重なります。 Content image PCIAはCIAを連想させますが、21世紀の宇宙小戦争はウクライナを侵略するロシア連邦になるでしょう。ピシアの発音はロシアに似ています。ギルモアは原作以上に裸の王様です。プーチン大統領の風刺に相応しくなりました。旧作と比べると人民が主体的に抵抗しています。ウクライナ戦争を予期しなくても、カラー革命を反映しているでしょう。「自由を我らに」のスローガンはウクライナでも言いたいものです。 のび太達はスモールライトが敵に奪われて小さいままになります。旧作からの疑問ですが、ビッグライトやガリバートンネルで大きくなれないのでしょうか。 石ころ帽子が登場します。のび太が石ころ帽子を脱げなくなる点は原作漫画で石ころ帽子が登場した話と同じです。のび太だけが石ころ帽子をかぶったまま冒険を続ける点は『ドラえもん のび太の魔界大冒険』と重なります。一方で石ころ帽子は石ころのように存在に気づかなくなる秘密道具です。石ころ帽子を被ると見えなくなるだけでなく、存在自体が意識されなくなるのではないでしょうか。 序盤の日常パートはあっさりしていましたが、ラストは序盤の日常につながりました。旧作には存在しない要素です。「のび太の宇宙小戦争」には、そのような意味もあったのかと唸らされました。実際映画『テルマエ・ロマエ II』と同じくメタ的な展開になっています。この意味では「のび太」よりも「スネ夫の宇宙小戦争」が相応しく感じました。続きを読む
投稿日:2023.04.12
小夜
過去の名作をリメイクする時、新作には前作とは違う点を作らないといけないのは分かるが、今作のオリジナルキャラの必要性が今ひとつ感じられなかった。 出番がほとんど無いため、キャラとしての魅力も感じられず…、役割を活かしきれていなかった。 パピが年相応の子供に戻れる存在と言うことなのだろうが、どうしても取ってつけた雰囲気が否めない。続きを読む
投稿日:2022.02.13
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