【感想】タイム・スリップ芥川賞―――「文学って、なんのため?」と思う人のための日本文学入門

菊池良 / ダイヤモンド社
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
2
5
4
1
0

ブクログレビュー

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  • くにちゃん

    くにちゃん

    博士と少年がタイムマシンに乗って、芥川賞の歩みを分かりやすく説明してくれています。

    自分も昔にタイムスリップしている気分で楽しかったです。芥川賞をとった初めの方の作家や作品について、ほとんど無知で目から鱗でした。

    芥川賞をとれなかった太宰治は、さぞかし悔しかっただろうなあ。
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    投稿日:2024.01.31

  • にこ

    にこ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    私のような純文学を読み始めた初心者が
    歴代重要作家たちを、流れと繋がりを持って
    楽しく知ることができる本


    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)

    「小説を読む前」にわかる日本文学入門。

    芥川賞は、「戦後日本人の歴史」そのものだった。

    前代未聞の「文学エンターテインメント」!!


    たとえばマーケティングや経営戦略の入門書に、「とにかく原典を読んでください」というものは少ないでしょう。しかし、「文学の入門書」だけは「とにかく読みましょう」というものが多い。そりゃそうです。文学は、読まないとわからない。体験しないとわからない。でも、それが文学好きと文学嫌いとの断絶を助長している側面があるのではないでしょうか。

    本書は、1冊も小説を読んだことのない少年が、文学好きな科学者と一緒にタイム・マシンに乗って、歴代芥川賞受賞作家に会いに行く設定のストーリー形式で進みます。

    主人公は、作品が生まれる瞬間や作者のその後に「実際に立ち会い」、文学への理解を深めていきます。そして、芥川賞とその時代背景にある日本の高度経済成長、民主主義、政治の変遷、都市と辺境、日米関係、ポップカルチャーやインターネットの台頭などを同時に振り返ります。

    文学の意義やおもしろさ、日本の戦後史と芥川賞の関係、そして「人間と文学」の関係まで明らかにする「教養としてのエンタメ文学」です。

    -------もくじ------

    プロローグ 博士の家にて

    第一章 石原慎太郎と太陽の季節
    1956年 東京

    第二章 大江健三郎と戦後民主主義
    1959年 東京
    1994年9月17日 東京
    1994年12月7日 スウェーデン

    第三章 中上健次と日本近代文学の完成
    1968年 新宿
    1970年 羽田
    1980年 和歌山
    1976年 新宿

    第四章 村上龍と近代化の終わり
    1976年 東京・新宿
    1978年 東京国分寺
    1987年 東京

    第五章 80年代と視覚文化(ポップカルチャー)の氾濫
    1977年7月14日 アメリカ・イーストハンプトン
    1964年10月16日 東京・銀座
    1963年3月1日 東京 阿佐ヶ谷

    第六章 90年代と新しい小説家たち
    1998年 東京神楽坂
    2004年 東京有楽町

    第七章 芥川賞はいかに創設されたか
    1927年 東京

    第八章 又吉直樹と日本文学の100年
    1999年 東京・三鷹


    ⚫︎感想
    芥川賞受賞作が時勢を反映しているため、
    タイムスリップという形で時代背景や当時の受賞作家のエピソードをなぞりながら、変遷を知ることができる。会話形式で読みやすい。

    戦後11年、石川慎太郎氏の受賞作からはじまり、作家になる前の村上春樹がやっていたジャズバーに村上龍と編集者の安原顯が訪れていた…などのエピソードなど、作家同士の関係も簡単に知れて楽しい。作家同士が影響を受けて、次なる新たな作品を生み出すという流れを感じられた。
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    投稿日:2023.11.16

  • 紫月

    紫月

    現代文学について知りたくて手に取ったら、読みやすくて面白いやら、読んでみたいセンセーショナルな作品が沢山紹介されているやらで、大満足だった。文豪は書き出す前に読みまくっているということがよく分かった。私も、又吉のように国語便覧で文豪の系譜を辿りながら、気になった作品をどんどん読んで、お気に入りのジャンルや作家を探していこうと思う。続きを読む

    投稿日:2023.11.14

  • のりのり

    のりのり

    もったいぶらないで、解りやすく平易に纏めてあるので、とても読みやすかった。芥川賞とは言ってますが、戦後の純文学全般に渡って解説してくれていて、入門書としても十分でした。

    投稿日:2023.04.25

  • 裏竹秋

    裏竹秋

    なぜ池田満寿夫?なぜ又吉直樹?
     「なんだこれ……」と思って本屋でパラパラめくってみた。NHKのあはれ!名作くんの絵で作家が紹介されるのでシュールだった。
     石原慎太郎から始めたのもいいし、大江健三郎の章が目についたので読んでみたら、最後の方で、擬似私小説といふ新境地に到達してゐてそこが大江のすごいところだといふ事を博士がさらっと言ってをり、「おや、この著者はちゃんと大江を読んでるな」とちょっと感心した(読んでゐないかも知れないが)。芥川賞をなにも知らない人のための芥川賞入門としていいのではと思った。
     しかし池田満寿夫とか赤瀬川原平とか又吉直樹とか、なぜ挙げたのかよくわからない作家を紹介してゐるし、大江の核うんぬんの文章を繰返し引用しすぎである。
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    投稿日:2023.01.18

  • kei1122

    kei1122

    このレビューはネタバレを含みます

    『もし文豪たちが カップ焼きそばの作り方を書いたら』の著者による芥川賞入門書。

    博士と少年がタイムマシンで過去に行って芥川賞受賞時の雰囲気を伝える、という内容でまずは石原慎太郎。

    まず石原慎太郎から始まるのがとても良い。芥川賞創設から入るとそこでお腹いっぱいになってしまうし、慎太郎本人は知事として、さらに弟・ 石原裕次郎ももちろん有名ですから。

    大きく取り上げられている作家は
    石原慎太郎、大江健三郎、中上健次、村上龍、又吉直樹(敬称略)。時代の流れとして80年代、90年代、芥川賞創設時が取り上げられています。

    大江健三郎、ノーベル賞受賞時に1回だけ読もうとして100頁でギブアップしたんですよね。懐かしい。再挑戦してみようかな。

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    投稿日:2023.01.04

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