【感想】わたしの処女をもらってもらったその後。

このレビューはネタバレを含みます

29歳まで処女だった上、酔った勢いで記憶のないままその処女を捧げてしまった美咲は確かに拗らせ女子かもしれない。
お陰で、体から始まった関係に暫く悶々する羽目に。
初めて女子なのに、これは自己解決の難易度が高い。

ただ拗らせていたのは美咲だけではなかった。
想定以上に航平の方が拗らせていたような。
イケメン上司という枠なのに、中身は妄想激しい残念男子という。
初手から美咲のことが好きすぎて、なかなかに突っ走っている。
まあそうじゃなきゃ、酔っぱらった美咲をお持ち帰りはしないか。
好きな女の子に（本人が覚えていないとはいえ）処女をもらってほしいなんて言われて、据え膳食わない男子はおらんやろという。

ストーリーは王道系。
体から始まった関係のまま悶々としている間に心の距離を詰められ、両想いになったところで壮大な勘違いからの別れ話に発展。
この別れ話のきっかけになったキャラが本当に自覚なきクズキャラで（もうそう言い切りたくなるほどやばいやつ）巻き込まれた女性陣が可哀想で仕方がない。
何より航平へのダメージが酷すぎた。
危うく再起不能になるところだった。
これでそのキャラが身内だからなあ……航平、気の毒すぎる。

ハラハラ展開はあれど、最後はちゃんとハッピーエンドというか、甘々なエンドなので、安心して読めます。
例の山場から復帰した航平がまた外堀埋めが物凄く早かったし。
番外編も更なる砂糖まぶしなので、ぜひ濃くて苦い飲み物と共にご堪能ください。

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