【感想】北条氏の時代

本郷和人 / 文春新書
(23件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 儀一郎

    儀一郎

    大まかに理解していると思っていたが、経済の変化 御家人との関係の変化なども含めて概観するとかなり興味深い時代だということがわかります。
    自社巡りが好きなので、改めて鎌倉周辺を回ってみようと思っています続きを読む

    投稿日:2024.02.17

  • かおるひめ

    かおるひめ

    如何にして北条氏は鎌倉幕府の中枢と成り、統治し、滅びたのか。
    北条家のリーダーたちの実力、人脈力、「世論」力で、
    鎌倉時代の姿を読み解き、歴史の流れを語ってゆく。
    中世の鎌倉の地図 現在の都道府県と旧国名
    北条氏系図/天皇家家系
    第一章 北条時政―敵をつくらない陰謀術
    第二章 北条義時―「世論」を味方に朝廷を破る
    第三章 北条泰時―「先進」京都に学んだ式目制定
    第四章 北条時頼―民を視野に入れた統治力
    第五章 北条時宗、北条貞時―強すぎた世襲権力の弊害
    第六章 北条高時―得宗一人勝ち体制が滅びた理由
    北条氏との時代関連年表

    地方の小さな一族が政治の表舞台に登場し、権力を掌握、
    鎌倉時代を牽引し、滅びるまでの通史を、
    核となる人物中心に分かり易く解き明かす。
    それは、北条氏リーダーシップの歴史。
    時代変革の波を乗り熟した、時政。
    承久の乱をも乗り越える御家人中心主義の、義時。
    最も優秀、あらゆることを吸収し行動するリーダー、泰時。
    混乱の政局の末、連署の極楽寺重時と安定体制を整えた、時頼。
    元寇と貨幣経済の浸透の中で揺れ動いた、時宗。
    御内人の存在と得宗の権力による空虚な政権の、貞時。
    御家人たちに見捨てられた鎌倉幕府と最後の得宗、高時。
    そして、呆気ないほどの北条氏の滅亡。
    知りたかった大河ドラマ「鎌倉殿の13人」のその後の歴史。
    別に読んだ本は研究書で、人物関係が複雑で難解でしたが、
    この本では親族関係とか、さり気なく補完しています。
    「鎌倉殿の13人」の登場人物の子孫が多くいるのも面白い。
    トリックスター三浦義村の子孫のその後や、
    北条氏一族内での諍い、将軍や朝廷と幕府の対峙も、分かる。
    陰謀、暗殺、実行犯の口封じ、一族殲滅、等々、血腥いこと。
    ある意味、欲望の深さって果てしないんだなぁ。
    続きを読む

    投稿日:2023.02.28

  • Tomoki

    Tomoki

    読み応え満載で面白い。働いている人がイメージしやすいような表現の工夫がされている。「御家人の、御家人による、御家人のための政治」としてスタートした反平家軍だったが、晩期は北条氏が全国の半分の土地をもつ一強体制になっていた。本来のビジョンを貫けなくなっていたことに対する御家人の反発が幕府崩壊の原因だろう。要約しだすと膨大なのでここには載せません。続きを読む

    投稿日:2023.02.16

  • Y.K

    Y.K

    2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に先立って、その予習需要を狙って2021年の秋に出版された本書ですが、「鎌倉殿~」を全話視聴した後で復習の意味で読んでみました。本書は北条氏が執権を務めた時政(初代)から高時(14代目)まで、鎌倉時代をざっと通して北条氏がどのように権力を握って行ったのかを描いています。ですので、「鎌倉殿~」のキャストやシーンだけではなく、この時代を採り上げた大河ドラマ「太平記(1991年)」での北条高時(演:片岡鶴太郎氏)、赤橋守時(演:勝野洋氏)などのシーンも思い出しながら読みました。
    鎌倉時代というのは日本史を高校できちんと勉強していないと、イマイチ理解が浅く、歴史上の位置づけがあいまいになりがちです。そのせいもあって「鎌倉殿~」を視聴しているときも理解に苦しむ場面が結構ありました。そういう人にとっても本書は各人物の言動や判断を分かりやすく追っているので、時代の流れをつかむ程度であれば丁度良い内容です。著者は「平清盛(2012年)」の時代考証を担当しているだけに情報量も新書1冊にしてはボリュームもあってお勧めの1冊だと感じました。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.25

  • kozokanto

    kozokanto

    このレビューはネタバレを含みます

    鎌倉時代の全体を北条宗家のトップ並びその周辺人物、さらに、対抗勢力を拾い上げて雑感するための辞書のような本。とにかく最初から最後までライバルを滅ぼす内戦ばっかりだった、平和な時代が泰時のいっときしかない時代。時政と義時は大河ドラマで登場人物キャラの顔が浮かぶ半面、泰時以降は似た名前も似た名前がずっと続くので一読はできるけどアタマにはほとんど残らない(さすがにラストの太平記時代は何人かわかるけど)。

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    投稿日:2023.01.21

  • たけ坊

    たけ坊

    北条時政から鎌倉幕府の滅亡まで辿るので、鎌倉時代の通史も知ることができる。大河ドラマは色々と研究の成果と史実に基づいていたんだな。鎌倉時代は日本史の大きな転換点で、それまで西高東低だった日本史だけど東に基礎を置いた。そして辺境の無名の北条氏が日本を動かすリーダーになった。
    時政は当時の武士には珍しい文書が書ける人物だった。文書で行政が動いており、幕府の文官は貴重な存在だった。敵を殺し、実行犯も消すという北条氏の手口。承久の乱で戦争放棄した天皇。所領の分配で土地を保証する存在となった北条氏。義時の御家人中心主義と世論を納得させる力。六波羅探題として京から政治手法を学んだ泰時。他にも後代の北条氏と日蓮宗や禅宗、元寇、特政令等にも触れられている。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.04

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