【感想】脱炭素で変わる世界経済 ゼロカーボノミクス

井熊 均, ワン ティン, 木通 秀樹, 瀧口信一郎 / 日経BP
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • MASA

    MASA

    脱酸素の動きの中で、いかに中国が国家戦略的として動き圧倒的な優位性を持つ分野があるという事を具体的な事実として良く理解できた。日本、また日本企業としてどうすべきかという提言も中々面白い。執筆から2年経っているだけだがそれでも既に、環境や優位性、プレイヤー、状況変わっている点もあり、各国、企業の主導権争いの激しさも感じられる。2030年どうなっているか、、。続きを読む

    投稿日:2023.11.19

  • Tomota

    Tomota

    化石燃料から再生可能エネルギーへの転換は、産業革命に匹敵する変化をもたらす――。ゼロカーボンの基礎から、新たな経済競争まで、脱炭素を巡る世界の動きを解説する書籍。

    2020年の国連総会で、習近平国家主席は中国がカーボンニュートラルの実現を目指すことを宣言、世界が脱炭素に向かうことを決定づけた。欧米諸国は、この宣言によって「中国が世界の方針を決めた」ことに強い警戒心を抱いている。

    大気中の二酸化炭素(CO2)には、地球の気温を上げる「温室効果」があり、その上昇を止めるためには、CO2の排出量を実質ゼロにする必要がある。「ゼロカーボン」とは、森林などによるCO2の吸収量(4%)を除いた「96%のCO2の排出を止める」ことである。

    ゼロカーボン化の原則は、次の3つである。
    ①再エネ・原子力発電を拡大して火力発電を漸減する
    ②電化によって化石燃料を使わないようにする
    ③電化で解決できないものは技術革新を進める

    中国は、ゼロカーボンによるエネルギー転換の中核を支配しつつある。世界最高のコスト競争力と世界最大の国内市場を背景に、太陽光発電や風力発電において、世界の市場を席巻している。

    ゼロカーボン化において、米国は中国に大きく後れをとる。その最大の理由は、政権交代にある。石油業界との結びつきが強い共和党が政権を握ると、前政権のエネルギー政策が継承されず、結果的に中国の優位性を高めることになった。

    米国の強みは民間企業にある。例えば、GAFAなどは使用電力を再エネ100%にする国際イニシアティブ「RE100」に加盟し、ゼロカーボン化への取り組みを加速させている
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    投稿日:2023.05.06

  • aya00226

    aya00226

    このレビューはネタバレを含みます

    北極は2030年代に氷がない夏になる。
    パリ協定は自主性重視。
    イギリスで石炭火力座礁資産論。採炭からの投資が撤退され、石炭採掘会社が倒産した。
    カーボンプライシングは国ごとに負担が異なる。国境炭素調整が検討されている。
    企業は環境にうといと投資されないため、危機に陥る可能性があってESG経営が盛んになった。
    CSS=炭素回収
    EVが本格化、
    風力と太陽光では60%程度まで。水素はせいぜい10%、その他は火力などになる。
    中国は太陽光発電でシェア80%、風力は中国国内が55%。蓄電池は、中国と韓国のシェアが高い。原子力も中国が新増設中。
    太陽光は、発電コストが安い。次世代の石油。

    スマートシティは個人データのの線引きが難しいが、中国ではそれほどこだわりがないため、進みやすい。

    石油はアメリカの覇権のために必須だった。
    アメリカの勝ちパターンはテスラ。
    原子力は小型原子炉でアメリカに優位。

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    投稿日:2022.10.24

  • yutaoku

    yutaoku

    脅威理解・考察が良く、国内外の脱炭素動向がシンプルに理解できる。脱炭素を起点に今後の世界経済についても考えを深めることができる。昨今出版されたカーボンニュートラル本の中で、まず最初に読むことをおすすめしたい。続きを読む

    投稿日:2022.02.21

  • masuda523

    masuda523

    どれだけ脱炭素の領域で中国が優位に立っていて、日本がやばいかをファクトとして知ることができて勉強になった。

    投稿日:2022.02.20

  • monta928

    monta928

    ゼロカーボンが騒がれる中、米中の国家戦略から今後の趨勢を占う本作。緻密な取材とデータに裏付けられており、関連本の中では現時点で間違いなくトップクラス。

    中国のゼロカーボン戦略の強かさとその完成度に驚くとともに、日本での危機感の欠如に衝撃を受けた。

    途中出てくる曼荼羅のみ微妙ではあったが、全般的に一読に値する本。

    ゼロカーボンについて簡単に整理すると、元々1997年に制定された京都議定書ではCO2を削減しようというレベルであったが、環境悪化がより深刻となり、2016年のパリ協定において、CO2排出量を実質ゼロにするという概念にまで踏み込んだことで普及した概念。

    EUの国々が中心であった宣言に対し、中国が国際覇権を握るために同様の宣言をしたことで、日本、アメリカも続き国際的なムーブメントへと至った。

    CO2排出量を実質ゼロにすることは、ただEVを導入したり省エネ家電を買うだけでは到底達成できず、発電方式を原子力や新エネに切り替えたり、スマートハウス、産業界における構造変革、CO2の回収など、総合的な対策が求められる。

    そんな中、中国は新エネルギー(太陽光、風力)、原子力の分野で覇権を握り、EV、スマートハウスへと食指を伸ばし、圧倒的な地位を築いている。

    アメリカは、トランプ政権時のパリ協定離脱などの影響もあり、上記において出遅れる形となったが、カーボンネガティブ(CO2を減少させる)など、ゲームチェンジ可能な技術に勝機を見出している。

    日本は残念ながら弱者として、唯一の強みである自動車産業を基軸に、うまくアメリカと足並みを揃えることが求められている。

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    投稿日:2022.02.13

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