【感想】ふしぎなオルガン

リヒャルト・レアンダー, 国松孝二 / 岩波少年文庫
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
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ブクログレビュー

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  • quatorze

    quatorze

    このレビューはネタバレを含みます

    幻想的で温かないくつかのお話をあなたに。

    小さな頃、家にあったものに再会。素朴で、時々キリスト教的で、どこの国でもないけどヨーロッパを感じる物語。最近の人権意識に基づいて外されたお話もあるとのこと。一番好きなのは「ガラスの心臓を持った三人の姉妹」で、ひびの入った2番目の娘が結構長生きして、素敵なおばさんになったというところが好き。

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    投稿日:2024.05.19

  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

    このレビューはネタバレを含みます

    「ドイツの外科医が戦地から故郷の子どもたちに書き送った美しい童話。神さまのみこころにかなった花よめ花むこが教会に入っていくと、ひとりでに鳴りだすオルガンの話など、20編。どの物語も忘れがたい印象を残します。小学3・4年以上。」

    もくじ

    ふしぎなオルガン
    こがねちゃん
    見えない王国
    悪魔が聖水のなかに落ちた話
    錆びた騎士
    コショウ菓子の焼けないおきさきと口琴のひけない王さまの話
    魔法の指輪
    ガラスの心臓を持った三人の姉妹
    子どもの話
    ゼップのよめえらび
    沼のなかのハイノ
    不幸鳥と幸福姫若返りの臼
    カタカタコウノトリの話
    クリストフとベルベルとが、じぶんから望んで、ひっきりなしにゆきちがいになった話
    夢のブナの木
    小鳥の子
    天の音楽
    天国と地獄
    古いトランク

    訳者あとがき

    ーーーーーーーーーーーネタバレあり------
    ●ふしぎなオルガン
    (内容)
    ある若いオルガン作りの名人が、神さまのおぼしめしにかなった花嫁、花婿が教会にはいってくるとひとりでに鳴り出すというオルガンをつくりあげる。しかし、うぬぼれと功名心のとりこになっていたため、かんじんの自分の結婚式にはオルガンは音ひとつたてなかった。誇りを傷つけられたオルガンづくりは、すべてを花嫁のせいにして、家を飛び出し、見知らぬ土地へ去る。そして、十年の歳月がたち・・。
    短いが、大きな感動をたたえた話。
    (語るなら)7分、小5以上向き。静かな雰囲気のなかでならもう少し幼くても大丈夫。
     こういう話は、語り手にも聞き手にも高度な集中力を要求する。また、語り手が先に感動してしまって、力んで話すことのないように。表現は控えめに、しかし、心をこめて語ること。ここでいうオルガンは、境界につくりつけにするパイプオルガンだということを説明しておいたほうがよい。
    (『お話のリスト』東京子ども図書館 より)

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    投稿日:2023.05.26

  • alouette18

    alouette18

    ストーリーテリングで知った本。

    やさしいお話が20編、イラストもかわいらしい。

    お話の好きな子なら自分で、そうでなければ親子で読んでほしい本です。

    投稿日:2022.08.16

  • Ritty

    Ritty

    創作童話20遍が収録されています。

    実際に子どもが夢の中で創造しているようなお話と、道徳的な面がちょっと強く出されたお話。
    訳書なので違和感を感じる部分もあり、特に道徳的なお話は子どもには少し難しいかなぁとも思えるのですが
    子どもの想像力は計り知れないので凝り固まった大人の感想はあてになりませんね。


    そんな大人が特に惹かれたのは「若返りの臼」。
    過去をやり直すより、今を、これからを大事にしようというお話。
    大切なことは大人も子どもも違いはないですね。


    童話は大人になっても楽しめるので大好きです。
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    投稿日:2013.12.16

  • 乱読ぴょん

    乱読ぴょん

    口琴というと、アイヌの「ムックリ」くらいしか知らずにいたが、金属製もあったり、さらには、昔は日本にも金属の口琴があって「びやぼん」と呼ばれていたそうだ、などという話を、9月の初めにおしえてもらった。

    それで、何か本があるかなと図書館の検索窓に「口琴」と入れて引いてみると、このリヒャルト・レアンダーの本が出てきた。この童話集のなかに「コショウ菓子の焼けないおきさきと口琴のひけない王さまの話」という一篇があるのだ(この本では「くちごと」とルビが振ってある)。

    せっかくなので、借りてきて読んでみた。「口琴のひけない王さま」がひけないのが、びよよーんと鳴らすこの楽器なのかどうかは話を読むだけでは判然としないが(なにせ、ひけないのだからその描写がない)、「口笛」を吹ける王さまなので、そういうのと取り違えてる風ではない。

    この本におさめられているのは美しい創作童話で、こういうのを久しぶりに読んだなと思った。昔読んだり、読んでもらったりした話を思いだすところがあり、それでいて、ふと自分の今の生活のことを考えてしまうような、読後感。

    作者のレアンダーは、1830年にうまれ、1889年に没している。ドイツの医者で、独仏戦争の際には軍医監として出征し、ドイツ軍のパリ攻撃に参加した。長らく続いたこのパリ攻撃のあいだ、レアンダーはふるさとのことや、ふるさとに残してきた子どもたちのことを思いおこし、同時に自分がまだ子どもだったころの思い出や夢やまぼろしがよみがえってきて、それらを書きつけ、野戦郵便に託して、ふるさとの子どもたちのところへ送った。この本にまとめられている童話はそうしてできたものなのだという(そういう話は、ほかにもあった気がする)。

    1980年に書かれた訳者のあとがきには、新版を出す際に「小さな黒ん坊とこがね姫」を割愛したとある。「時代による制約とはいえ、そこにおのずと息づいている、一種の差別意識の影響を案じたから」(p.264)という。私が読んだ本は、さらに2010年に新版として出されたもので、編集部による付記があり、また一篇「小さなせむしの少女」を、「現在の人権意識に照らして」割愛したとある。

    現代の人権意識に照らして、それらがどんな話なのか、旧版も読んでみたい。

    *「口琴」とか「びやぼん」などとネット検索していて、日本口琴協会(http://www.koukin.jp/)という団体があることを知る(URLに「koukin」とあるように、ここでは「こうきん」とよむらしい)。

    (9/25了)
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    投稿日:2012.09.27

  • モラン

    モラン

    童話・民話は大好きです。
    幼少期に読んだ記憶も何となくあるが、再読。
    割と、教訓的なことを含んでいるお話は多かったが、中々新鮮な気持ちになりました。
    子供のころは、正直そう好きな童話では無かったのですが、今読むと、結構色々と考えさせられる童話でした。
    面白かった。
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    投稿日:2011.10.05

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