【感想】世界屠畜紀行 THE WORLD’S SLAUGHTERHOUSE TOUR

内澤旬子 / 角川文庫
(71件のレビュー)

総合評価:

平均 4.2
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14
1
0

ブクログレビュー

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  • syiki

    syiki

    牛、豚、ラクダやヒツジ。世界の屠畜現場のルポ、現場というか、家庭でやっているところはそこに入っていったりする。
    「肉」を作る人たちはなぜ差別されたり、ひどい場合で同じ人間としてみてもらえないのか?という疑問を持ちながらすすむ。文化によっては屠畜をする人はすごいと思われていて、大きな違いがある。日本など先進国ほど、その現場と食卓が遠くなっているんだなと。
    また、いかに日本の施設が衛生に気を使っているかなど、知らないことばかりで恥じ入るような気持ちになる。肉を食べずに生きてはいけなくなっているのに。農業や漁業についても、広い目で見れば同じ問題を抱えているのではないかと思う。

    おいしいものを食べた本はたくさんあるのに、肉や野菜や魚が店に届くまではブラックボックスのようだ。そこにも誇りをもって働く人がいる。
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    投稿日:2024.04.28

  • masaru3

    masaru3

    「思想強っ」

    著者の考えなのか、解放同盟系の出版社・編集の意向
    なのか、はたまたその両方なのか分からないが、「屠畜関係者に対する差別は依然としてある」前提で話が進み、著者の問題意識にのれない。

    だ、命を頂く行為を社会から見えないようにすることはいかがなものかと思う。その点は同意。
    屠畜を各国、文化圏から描写した内容は興味深く、良かった。
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    投稿日:2024.02.24

  • 充実大豆

    充実大豆

    世界における屠畜と屠畜を職業とする人たちを追ったルポ。

    日本やインドにおいては屠畜を職業とする人達への差別が大きく関わる話だけど、差別の辛さ等に焦点を当てるのではなく屠畜そのものの面白さについて語っているから楽しく読めた。
    この本が最初に出たときから20年近く経っているけど、変わったところも大きいのかな。
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    投稿日:2023.10.10

  • あんず

    あんず

    生き物がどう殺されていくのか知りたくて読んだ。
    主題としては「なぜ日本では屠殺業を営む人が差別されているのか、他の国でもそうなのか」というルポ。
    私自身は「人間に殺されて可哀想だな、でも私も肉好きだしな…」という想いはあり、ただ屠殺業に従事する人に対して残酷だとか感じたことは一度もない。本書が書かれてからだいぶ時間も経っているから、差別意識も少しずつ無くなってきているのではないかと思うけど。

    家畜がどういう風に私たちの目の前に肉として運ばれてくるのか全然知らなかったので、本書はイラスト付きでわかりやすく解説されているためとてもイメージしやすかった。自分が読んできた本の中でも珍しいジャンルなのでとても勉強になった。正直動画とか写真で見られるかというとなんとも言えない…ので、イラストという点もありがたい。血とか苦手な人でも大丈夫そう。

    日本だけじゃなく各国の屠殺文化まで綿密に取材されていて面白かった。
    同じ仏教国でも生きるために必要だからと、差別意識などがない国、完全に汚れた仕事だと思われている国…国の数だけ価値観が多様で面白い。

    私はお肉が好きだから、しっかり家畜に感謝をして残さずお肉を食べ続けたい。可哀想と思うなら食べないのではなく、命に感謝してちゃんと頂くことが大事だと思う。

    ちなみにこの本自体は良い内容だと思うが、著者に関してはちょっと行きすぎというか、殺されるところをワクワクしながら見たりちょっとサイコみを感じてしまう。個人的には家畜を「つぶす」という表現も好きじゃない。
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    投稿日:2023.08.17

  • fishbowl

    fishbowl

    おもしろい。知らなかったことが盛りだくさん。だけど、自分の目で確認するだけの度胸も胆もないものだから、イラストで充分です。捌かれた後のお肉と料理の紹介が豊かすぎて、新鮮なホルモンを食べに行きたくなります。続きを読む

    投稿日:2023.02.07

  • たいーが

    たいーが




    ・私が食べているお肉が生きている動物からどのように作られているのか


    ・屠畜場の重要な役割
     動物には病気や不衛生な個体がおり安全に屠り食肉にするには技術や設備が整う屠殺場が重要な役割を担っている。日本で獣畜(牛豚馬羊山羊)を勝手に解体してはいけないのも食中毒や病気の蔓延を防ぐためである。ただ少し前の沖縄では羊と山羊は捌けたらしい。

    ・屠殺やその職に関わる労働者に対する国毎のイメージや考え方

     面白いなと思ったことが国や宗教によっては屠殺にとても肯定的な考えがあること。
     例えばバリのヒンドゥー教徒の考えにお供えとして殺された植物や動物は位が上がり天国に行けたり生まれ変わったらより良い身分になれるとされている。人間の食事も人間へのお供えとそれるので屠殺は良い行為である。
     他にもモンゴルの遊牧民はそもそも食は他の生命の犠牲に成り立っているとしてる。
     屠殺という職業に関しても一部の宗教的には神様への生贄やお供えとして動物を屠ることが多々あるためその技術は良いものとされている。

    ・韓国や中国での犬食文化
     

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    投稿日:2022.01.21

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