【感想】日本SFの臨界点 新城カズマ 月を買った御婦人

新城カズマ, 伴名練 / ハヤカワ文庫JA
(10件のレビュー)

総合評価:

平均 3.2
1
2
4
2
0

ブクログレビュー

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  • 枝乃

    枝乃

    このレビューはネタバレを含みます

    伴名練セレクションの新城カズマ短編集(SF中心、一部ミステリー含む)。ともかく情報量が多い。表題作は、かぐや姫の雰囲気を感じる。月世界人ではないため月からの迎えは来ない代わりに、月へ行くための科学が発展する国。月が欲しいという無理難題に対し、最初は愛を勝ち取るために頑張る人々も、だんだんその目的は薄れ……。かぐや姫の帝なら、もっと早くもう少しロマンチックな答えを用意できただろうに。

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    投稿日:2023.08.05

  • REM

    REM

    2023-02-16
    思ってた以上にリーダビリティが高い。収録作のいくつかは、他作品の外伝だったりシェアード・ワールドの一遍だったりするので、細かなところはよく分からなかったりしたけれど。文理の狭間に上手い具合に焦点が当たっていると思う。続きを読む

    投稿日:2023.02.17

  • UN

    UN

    短編集。読みづらい。
    書評で情報過多、とあったのを見て納得している。
    オマージュやわかりやすいテーマで物語の概要はすぐにわかるのに、後から足される情報が進行を妨げる、という感じた。情報過多は嫌いではないのだけれど、何というか、邪魔なところに置いてあって気が逸れる。続きを読む

    投稿日:2022.05.24

  • あ

    このレビューはネタバレを含みます

    「議論の余地はございましょうが」★★★
    「ギルガメッシュ叙事詩を読みすぎた男」★★★
    「アンジー・クレーマーにさよならを」★★
    「世界終末ピクニック」★★
    「原稿は来週水曜までに」★★
    「マトリカレント」★
    「ジェラルド・L・エアーズ、最後の犯行」★★★
    「月を買った御婦人」★★★
    「さよなら三角、また来てリープ」★★★
    「雨ふりマージ」★★★

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    投稿日:2021.10.23

  • フラビオ

    フラビオ

    2021年8月24日読了。ライトノベル出身・多岐にわたる活動を行う新城カズマ氏のSF短編集、選者の伴名練氏による充実した解説・活動歴もついて納得のボリューム。過剰に参照情報・オマージュを詰め込みSF的ワンダー・青春・ロマンティシズムを強く感じさせるSF短編たちはもちろん面白いが、非SF短編「ジェラルド・L・エアーズ 最後の犯行」がダントツに面白かった。読み終わっても結局真実が何であるかはわからないが、登場人物の心の中の真実に殉じること、が幸せ、ということなのではないか…?いくらエビデンスを積んでも、他者が「これが真実」と規定することはできないのではないか…?一方で当人でさえ、自分の体験が絶対の真実であって、模造記憶・記憶改変の影響を受けていないもの、と断言することもできない…。大変面白いテーマを扱う作家と感じた、他の著作も読んでみたい。続きを読む

    投稿日:2021.08.24

  • さいたに

    さいたに

    このレビューはネタバレを含みます

    ――



     SFはここまでできる。


     楽しく読むためにはこんなにも注意深くならなくてはいけないのか、という恐ろしさもあるけれど、まぁそれはなんでもか…。
     ほんとにひとことで云えば、情報過多作家である。短編から掌編まで、どんな細かな設定にもタグがぶら下がっていてそこからどこへでも飛べるような。そして飛んでいるうちにここが何処か解らなくなって、着地したら別の短編に居るような。まさにトラベラー。夏だしもう一回読むか。

     本編もそうだけれど、伴名練による解説…解説と云うには膨大な新城カズマ論も情報過多。しかしこういうのがあると、不真面目な読み手である私のような人間は非常に助かります。


     SFに出来ることを、これでもかと詰め込んだ短編集。というかこのひとの場合、思い付いたことを書こうとしたら今回はSFになっていました、ということなんだろう。SFならではの、現在を緩やかに掠める風刺的な部分もあり(それが10年前くらいに書かれているという、それもまたSFならではの驚きもあり)、歴史もの仕立てのSFも抜群に巧い。そのぶん一編一編を読むのに体力は要るけれど、ぎゅっとしたSFを沢山持ち歩きたい方にはおすすめです。
     表題「月を買った御婦人」は再々再読くらいになるんだけれど、やっぱり好きねぇ。ハインラインへのリスペクトがあり、「竹取物語」や『月世界旅行』へのオマージュもあり、民族的で幻想的なストーリーテリングの中に荒唐無稽なふりをした多量のアイデアが散りばめられていてユーモアに溢れ、その上で〆があまりにも美しいなんて。
     この一編だけでも一冊持っておく価値はあると思います。
     これからいろんなSFを読みたいな、という方は同じく伴名練編の『日本SFの臨界点[恋愛編]』にも収録されているのでそちらをどうぞ。そちらもどうぞ。

     新城さんに新作を書かせるとしたら伴名さんのような編集者なのかもという感じがしますね。
     …伴名さんに新作を書かせる編集者さんは誰でしょうね?


     ☆3.8である。

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    投稿日:2021.08.13

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