【感想】草薙の剣(新潮文庫)

橋本治 / 新潮文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ぷちこ

    ぷちこ

    昭和から平成の終わりまでを、まるでドローン空撮のように、ある時はごく近くまでカメラが寄ったかと思えば、ぐんと離れて俯瞰するような。タイトルの回収はかなり腑に落ちた。名もなき火打ち石。「大太刀を振るって敵をかわすよりも、迎え撃つことの大事を。」立ち向かうということ。続きを読む

    投稿日:2022.08.01

  • 梶井俊介

    梶井俊介

    長さを測るのに定規を使う。長さは同じでも起点が違えば、同じ長さのところにある位置は変わる。これは透明の紙に生まれてから死ぬまでのイベントを書いて、年表に載せて作られた小説である。定規の役割を担う年表はセンチや尺やインチみたいに、微妙にメモリが異なっている。あらすじみたいを書き連ねた細切れな小説を、定規に積み重ねていくと思わぬ模様が連なる織物となっていく。昭生だの豊生だの夢生だの、似たような名前で読者を混乱させつつ、世界とはこうしたものかと読者を思わせていく。続きを読む

    投稿日:2022.02.18

  • figo2011

    figo2011

    夫は「ああ、そうだな」、妻は「がんばりなさい」しか言わず、子供は何をがんばればいいかわからないままゲームばかりしている。そんな描写が、すごく真実をとらえているなと。

    多くの人物が戦前から順に登場するが、名前が憶えられないようなクセのある書き方をしている。

    人物相関図を書こうかと思ったが、面倒なのであきらめた。
    それでも最後まで読めた。そう人物相関図は不要。親子関係だけでOK。

    時代を生きる人々の生活と苦悩が淡々と書かれている。
    近代社会のドキュメンタリー。

    ただ、近年の猟奇的な殺人事件などが書かれているが、昭和の時代にもあったので、そこが書かれていないのが物足りない。
    続きを読む

    投稿日:2021.12.25

  • モリゾウ

    モリゾウ

    6人の登場人物やその親を含めて、意外なことに著者と同じ団塊の世代が描かれていない。常夫の親が団塊の世代に当たるのだが、実に存在感が希薄なのだ。陰画のように団塊の存在を浮かび上がらせる仕掛けかと思わせるほど。
    逆に存在感が濃厚なのが夢夫の世代。実に色々な事件の当事者となっている。
    とにかくこの本はインテリではなく、大衆目線、庶民目線の戦後史だ。なので衝動はあるが理屈はない。何故か都市に引き寄せられ、何故か女と暮らし、また別れる。とにかく人並にあらねばならぬと思い込み、手に入れた人並みは泡沫の中で消えて、あの豊かさとは何だったのかと振り返る。今と地続きの人々の感情の重なり、様々な世代のそれぞれの思いが、現在の日本の世間を形づくっていると教えてくれる。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.22

  • スリーピージーン

    スリーピージーン

    戦後年表を見ているようだ。登場人物の名前の意味に気づくのが遅かった。ああ、両親とその兄弟姉妹などがそんなこと言っていたな、そんな事件ももあったなと、自分の平凡な人生をなぞるようでこそばゆい感覚。

    投稿日:2021.07.31

  • あーちゃ

    あーちゃ

    その時代背景がよくわかる本
    いろんな人が出てきて非常に混乱するので
    その時代背景や考え方だけに絞って読んだ。
    自分もこの本の中の歴史を歩いているんだって感じた。
    戦後ってこんなに身近でこんな日本は貧しかったのか
    そしてその後の流れも
    なんだかあっという間に色々なことが変わったんfsなと思える本だった
    続きを読む

    投稿日:2021.04.09

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