【感想】ふだん使いの言語学―「ことばの基礎力」を鍛えるヒント―(新潮選書)

川添愛 / 新潮選書
(25件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • mononokeouzi

    mononokeouzi

    「ありそうでなかった言語学ドリル」(カバーの紹介文より)ではない。強いていうなら、「言語学で使われる分析テスト」という括りで、分析手法の一部を紹介した点は珍しいかもしれない。註釈で、論文を含む参考文献が多少豊富に提示されている点も好印象。

    理論言語学者が、専門とその関連分野から日常に役立ちそうな項目を「いいとこ取り」して解説。一般的な言葉の使い方のヒントを伝える。
    理論言語学者とは、たとえるなら「〜に鑑みて」が「〜を鑑みて」になりつつあるのはなぜだろうと考える人たち。「に」が正しいと考えたり指摘したりするわけではない。

    自分にとって新しい情報はほぼなかったように思うが、「少納言」という検索サービスは初めて知った。試しに「〜に鑑みて」と「〜を鑑みて」の用例を調べると22件vs16件。一番古い用例は「に」1978年、「を」1995年とあるので、やはり「を」の方が新しめの使い方なんだな〜と楽しめる。
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    投稿日:2024.04.23

  •  arata

    arata

    日本語を【自然現象】として観察し、「それらの現象が存在するのは、私たちの無意識の知識がこうなっているからだ」という仮説を立て、それに従って理論を作り、現象を説明しようとする理論言語学の本。
    人が何年も母国語を使うと無意識の知識が備わってくることは、外国語を学んでいると実感しますが、言葉が【自然現象】だという発想はなるほど確かに。

    超難しい日本語を、母国語だから無意識レベルで使ってるけど、それでもややこしい間違いはよくあります。そんな日常遣いで発生する日本語の違和感を、置き換えたり何かに当てはめてみたりしながら根気よく解きほぐしていく。言語学者って根気強いのね、私は途中我慢できなくて読み飛ばしちゃいました。
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    投稿日:2024.01.30

  • syun0118

    syun0118

    日本人が当たり前に獲得している日本語の微妙な難しさの理由が分かる本。
    外国人が日本語を習得するのはそりゃ大変だわって納得。でもまぁ読んだからって言葉巧みな話術が身につくわけではなさそうだ。

    投稿日:2023.10.04

  • しゃもじ

    しゃもじ

    あまり自分向けではなかった
    ふだんぜんぜん意識せず使ってるけど日本語って難しい
    SNSなどで違和感ある文章読むと何がおかしいんだろうと考えるようになった

    投稿日:2023.08.16

  • Yoshiee

    Yoshiee

    普段意識をしない言葉使いや、言語化して説明が難しい話し言葉、書き言葉を丁寧に解説された良書。専門的な内容を一般の人にわかり易く伝えて頂くことに徹してあり、文章1つ1つが極めて丁寧に記述されている。後段に「言語の難しさはその知識が個人的なものであると同時に公共的なものである点」との視点には大いに感服した。著者の1ファンとしては短い「あとがき」からも本書に対する好意が増した。続きを読む

    投稿日:2023.06.18

  • oxford

    oxford

    尊敬する翻訳者さんの紹介で購入。言葉遣いの「違和感」を明解に説明してくれる良書。わかっていたはずの「正しい言い回し」がなぜ正しいのかが理論的に分析され、すっきりと腑に落ちる。日本語を書くこと、話すことを仕事にしているすべての方におすすめできる本。続きを読む

    投稿日:2023.06.12

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