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山と溪谷社=編 / 山と溪谷社 (6件のレビュー)
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かおるひめ
日本各地の山小屋の小屋番によるエッセイ、全53話。 第一章 山小屋の仕事十二カ月 第一話~第二十話 第二章 新しいわが家をつくる 第二十一話~第二十八話 第三章 山小屋に入り、山を見つめる 第二十九話…~第四十一話 第四章 山小屋をめぐる人々 第四十二話~第五十三話 ・本書に登場した山と山小屋 [寄稿]山小屋を持続的に運営できる環境とは 花谷泰広(甲斐駒ヶ岳七丈小屋) やまとけいこ/著「黒部源流山小屋暮らし」の読後、 では他の山小屋は?と考えての、読書。 2008年刊行の本を2021年に再編集して文庫化。 2020年の各山小屋の状況も掲載されています。 本書には、日本各地の小屋番さんの山小屋愛溢れる、 胸熱なエッセイがたっぷり詰まっていました。 山小屋の形態は様々。通年に期間営業、収容人員の大と小、 食事有と自炊など。立地も水や電気もいろいろと異なる。 更に、山の自然の恵み有れば、自然の驚異有り。 雪との格闘、台風、水の確保にトイレの問題。 山小屋を作る、再建する、建て替える苦労の連続。 それでも、自分の小屋、我が家と語る小屋番の心情の深いこと。 それらの小屋番という人生は如何に成されたのか。 親子もあるし、転職も。懇願もあれば自ら小屋を作る者も。 思い出に残る登山者や旧知の仲間や有志、スタッフたちの姿。 地球温暖化の影響や時代の変遷の中で変化する登山客もあれども、 山小屋と小屋番はそこにいるということの大切さ。 真摯に誠実に語る小屋番たちの言葉に、感極まってしまいました。続きを読む
投稿日:2024.03.21
メカアザラシ
20年程前に書かれた本の再編らしい。 時代は感じるが山に訪れる人、山で迎える人のリアルで楽しく考えさせられるお話が多数。
投稿日:2022.11.12
FT
このレビューはネタバレを含みます
山小屋という言葉から受けるイメージとはスケール感を異にする北アルプス界隈のメジャーな施設から、たった1人で切り盛りする避難小屋に近しい規模のところまで、各地の小屋を預かる山男・山女たちが見つめ感じてきた日々が、ありのままに綴られている。 山小屋と聞くと、シーズンに幾度も登らないライトなハイカーにとっては、足を踏み入れるのを少し躊躇してしまうような、閉鎖的な面を持つ玄人の場…という印象も強いと思うが、この書の中にはもちろんそういった昔気質の頑固者たちもたくさん登場するし、一方で、旧来の雰囲気を打破すべく、サーヴィスの拡充などに腐心する比較的若い世代の経営者たちがいることも窺い知ることができた。 中でも、トイレにまつわるエピソードが多いことは興味深かった。 排泄物は微生物が食べるし、最終的には土に還るから大丈夫では…などと浅はかにも私は思っていたが、特に登山者の多い山域では深刻な土壌・水質汚染の要因になり得るのだ、ということをしっかりと教えられた。 また、本文庫の単行本が刊行されたのはかれこれ14年ほど前、元記事が連載されていたのはさらに数年遡ることになり、執筆当時から既に状況が大きく変わっている小屋も少なくないことが注釈によって分かり、当たり前ではあるが、少しうら寂しい気分にもなった。
投稿日:2022.10.08
ホースケ
五十五軒の小屋番さんによる山小屋エッセー。 金がなかった学生時代や社会人駆け出しのころは、宿泊代をケチってテント泊に明け暮れていた。 余裕が出てきた最近は山の荷物を減らすのに、積極的に小屋に泊…まるようになった。 たまに出会う名物オヤジの話に耳を傾けたり、 その日に泊まった他の登山客と酒を飲みつつ話をしたり。 そういった山小屋の良さに触れるにつれ、小屋泊まりが好きになってきた。 山小屋は宿泊施設ではあるが、旅館やホテルではない。 泊まる側にも一定のマナーが必要だ。 登山者としての立場が必要で、あくまでも客ではないのだということを、読んでいて改めて思った。 小屋の人に迷惑をかけないように、山を楽しもう。続きを読む
投稿日:2022.09.07
ちぃ
ひさびさ(?)に山の本。昔は山仕事って色々あったけれど今は少なく山小屋はその数少ない山の仕事のひとつだと思う。大変なことが多いのだろうなとうかがわせる一方で、山を愛する人の繋がり、姿勢に心があたたまる…。トイレのお話しがすごく多くて、山小屋におけるトイレ問題の切実さを実感するw寒冷前線が通過した今週末、多くの山で初雪を観測したという。雪山をやらないので、今年はあとどれだけ山に行けるかなぁ。と考える続きを読む
投稿日:2021.11.19
クスクス
日々、仕事に忙殺され、理不尽な目に遭い何のために働いているんだろう・・と仕事に疲れてしまった時に、ふと山の雑誌に掲載されていたので買って読んでみた。なんと心が洗われる思いのした事か。心がすーと癒された…事か。 山を自然を人をこよなく愛し、人生を山に捧げた山小屋の小屋版の方々。人が大勢押し寄せるアルプスの小屋もあるし数日に一度のみという地方も様々。共通しているのは自然に対する畏敬の念や謙虚な心と山に来た人を暖かく迎えてくれる心。自然の事を気遣いどうしたらエコにできるか、設備をどう維持していくか、おいしい料理をどうするか、冬の間どうメンテナンスするか。いろいろ思い悩む様子などが簡潔にエッセイとしてまとまっている。 読んでいて気持ちがとてもほっこりしてくる。 まるで山小屋に泊まりに行って暖炉に温まりながらゆっくりとした時間の中で小屋主の若い頃の思い出話や昔話を聞き入っているような、そんな気持ちにさせてくれる。 コロナが明けたら是非、ここに書いてある山小屋の小屋主に会いに訪れてみたいと感じる一冊だ。続きを読む
投稿日:2021.09.12
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