【感想】ホテルメドゥーサ

尾崎英子 / 角川文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
0
5
4
1
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • miyuki

    miyuki

    ファンタジーといえる物語。今も日本で人気の北欧を舞台にし、いかにも北欧の森の中でなら、あり得るのではと思わせる設定である。
    ファンタジー、北欧と言ってもイメージする「かわいい」というような作品ではなく、それぞれ、人生に鬱屈したものを抱えた四人の日本人が、「今」を脱出したいと願い、北欧までやってくる。
    フィンランド、ホテルメドゥーサにやってくるまでの四人の老若男女の日本での人生が、ある意味、とても普通であり、それでもそこから脱出したいと感じていることが面白く感じた。
    続きを読む

    投稿日:2023.09.08

  • 黒い☆安息日

    黒い☆安息日

    このレビューはネタバレを含みます

    短いが結構ぎゅっと詰まった感のある小説。

    ここまでの人生に何か未練をもつ男女4人が、フィンランドの森近くにある宿に集まる。その森には五次元への入り口があり、亡くなった人に会えたり、人生をやり直せたりするらしいという噂を何かで知って、集まった4人。

    殺人を犯してしまったかもしれないと逃げてきた占いバーのマスター、自然な笑顔ができない20代の女性、最愛の妻を亡くして消沈する男、子育て、介護、夫の定年まで家の仕事を勤め上げてきた初老の女性。

    彼らそれぞれの人生は普通にどこにでもありそうなもの。つまり普通にどこにでもありそうな人生を送っている普通の日本人(自分も含めて)は何か人生に後悔をおいてしまっているんだろう。

    やり直せるなら、やり直すのか?その後悔を置いたまま軌道修正をする人生を送るのか?

    ラスト、4人はそれぞれの選択をしていく。決して誰も否定されず自分の意思をもって選択する4人の姿が非常に良い。自分の人生だもの、自分で選んでいきたいよねぇ。

    フィンランドという設定が生かしきれてない(別にアイスランドでもニュージーランドでも波照間島でもいいような気がする)のが少々残念。あと、文庫化する際の改題はもう少し情報としてメディアに乗っけて欲しい。それらの不満は些末なもの…良いものを読ませてもらったという気持ちを持てる小説。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.12.16

  • 兎

    このレビューはネタバレを含みます

    異次元に引き寄せられフィンランドのホテルに集まる4人の日本人。

    矢野は人を殺したかもしれなくて異次元に行きたいしきららはこの世界が自分にはあってないと思って異次元に行きたい。

    典江は幼少期にすでに異次元の人と会っていて導かれるようにここに来てる。
    燕は亡き妻に会いたくて異次元にいきたい。

    それぞれ理由がありつつもくらげキャラメルなど4人は何かしら繋がっていて集まるべくして集まってる。

    最終的には典江と燕のみが異次元にいく選択をすふが、異次元の様子は描かれてなくて読者が想像する無限の異次元が広がっているのが良い。

    結局は矢野は人を殺してなかった。きららに関してはその後どうなるのかは分からないがきっと明るい未来になってくれるだろう。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2022.07.19

  • muossi

    muossi

     舞台は、フィンランドの森にある素朴なホテル。そこには、「異次元へ通じるドア」があり、ここで出会った4人の日本人がドアを巡って様々な葛藤し、それぞれが結論をだし、前へ進んでいく物語です。帯に「もたいまさこさん、しみじみ共感」とあったので、思わず手に取り、一気読みしました。

     題名が単行本では「くらげホテル」でしたが、文庫本では「ホテルメドゥーサ」になったそうです。物語の中でも、「くらげ」に関するものがちょこちょこでてきます。「異次元の通じるドア」の先にある世界に何か関係があるのかもしれません。SF的な要素は少ないですが、子供の頃読んでいた「スーパーミステリーマガジン ムー」にでてきた「クラゲ型の宇宙人」を思い出し、懐かしく感じました。

     読み終わって、もたいさんがしみじみ共感したのが何か?よくわかりませんでした。しかし、解説を読んでみると、この物語は4人の言葉や行動を一切否定することなく、全てを肯定していく展開であるとあり、他にも「自分探し」、「後戻り」など気づかなかった機微があることがわかりました。それをふまえて改めて読み返すと、ほっこりした気分になりました。

     フィンランドに関する部分は、「トゥルク」が少しでてくる位で殆どありません。けれども、人里離れた静かなフィンランドの森の中なら、「異次元へ通じるドア」があってもおもしろいかなと思わせてくれます。読むと、少しだけ肩の力が抜ける気がする、素敵な1冊です。
    続きを読む

    投稿日:2022.07.09

  • char8n

    char8n

    表紙の可愛らしさにやられ手に取りました。それぞれの人生の回想シーンは山あり谷ありですが、全体的にのんびりと穏やかな空気が漂っており、ああ、フィンランド良き!

    向こうの世界の様子が事細かに書かれていないのが、深い霧に包まれた酸素の濃い森に隠されているようで素敵でした。

    私も人生に迷いと後悔しかないので、一度ホテルメドゥーサに行こうと思います。
    続きを読む

    投稿日:2022.06.09

  • ともりぶ

    ともりぶ

    フィンランドのホテルに日本人4人が異次元目当てで集まる話。集まった経緯がわかってくると異次元もホンモノかもと思えて、良い意味でひねりがなくシンプルに面白かった。

    投稿日:2022.02.26

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。