【感想】RAGE(レイジ)怒り

ボブ・ウッドワード, 伏見威蕃 / 日本経済新聞出版
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 4.3
2
4
0
0
0

ブクログレビュー

"powered by"

  • 1426172番目の読書家

    1426172番目の読書家

    ボッブウッドワードが描くトランプ大統領の政権運営のドキュメンタリー。トランプ元大統領の個性が前面に出ているが、北朝鮮、ウクライナ、サウジアラビアといった現在、話題の国とのやりとりも興味深い。

    投稿日:2023.01.03

  • エンコルピオ

    エンコルピオ

    時期的には「恐怖の男」とかぶる時期もあるが、本書はトランプ本人のインタビューを17回実施したり、金正恩との親書のやりとりの公開等取材対象の材料が広がった。
    テイラーソンの就任経緯や解任、マティスの就任経緯や辞任といった重要閣僚についてはより両方の立場から描かれている。
    北朝鮮との子供っぽい罵りから、親書によるおだてに乗ってまんまと手玉に取られるパフォーマンス大統領の愚劣な対応ぶりに唖然とする。
    また本作で最大のテーマはコロナウィルスとの長く深刻な対応のやりとりだ。
    医療専門家たちの助言に基ずく対策から経済再生にかじを切る中で感染拡大,死亡者の増加への判断に対するビジネスライクな割り切り方に国民性の違いを痛感する。
    攻撃的な行動は大好きで得意だが、防御的な政策は苦手で不得意な有様が如実に描かれトランプの本質の大きな1面がよくわかる。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.28

  • hiroshikoya

    hiroshikoya

    とってもヨカッタ.

    これぞジャーナリズムなのかなという気がする.
    トランプの直面してる問題を0距離で伝えてて読み応えある.

    彼らが国際問題を、他の国をどう捉えてるか、トランプという極端な人物がいるからか、他のアメリカの中枢にいるであろう人たちのリアクションがむしろ面白い.

    こういうおじいちゃんいるもんな.
    私の所属する組織にもいます.

    マティスとクシュナーの印象は変わった.
    続きを読む

    投稿日:2021.10.17

  • yashiti1

    yashiti1

    かなりの長編だが、ニュースで見聞きした事象と登場人物だったので、興味深く読み進められた。また、翻訳本にありがちなわかりにくい表現が少なくて、読みやすかった。

    過去の名誉や現職を捨てて、馬鹿なトランプをコントロールしつつアメリカのために尽くそうとしたティラーソンやマティス、コミーの辞任劇は本当に可哀想だったが、前例をぶち壊し、直感で判断するトランプ流も、北朝鮮との戦争を避けるのには機能した?かもしれないし、、、評価は難しいところ。。

    トランプはどうしようもない人間だが、周囲の専門家が高い倫理観を持って職務にあたる姿は、日本のダメ政治を見せられている人間としては、羨ましかった。。

    それにしても、わがままなトランプにこれだけイヤらしい質問をし、うまく聞き出し、本にできるボブは、本当にすごい!
    続きを読む

    投稿日:2021.04.04

  • 大前 徹

    大前 徹

    ニクソンを失脚させたことでお馴染みの大ジャーナリストの作品。民主党系のワシントン・ポストに今も在籍しておりトランプに対してはアンチなはず。そのバイアスがかかっているはずだがニクソン以後の大統領全てに直接取材を行い、著作もいくつか出してきたジャーナリストがどうトランプを描くのかに興味があったので手にとってみた。作者はこの前にも一つトランプをネガティブに書いた作品を出しているのだが作者も驚いたことに本作に関しては17回も直接のインタビューを行い、金正恩と交わした書簡も開示されるなどトランプ側もかなり協力している。前半では初代の重要閣僚...国務長官(ティラーソン)、国防長官(マティス)、国家情報長官(コーツ)がいかに解任に至ったか、が主に描かれ後半はコロナ対応が主に描かれている。それぞれ非常に興味深いエピソードが語られているのだが...特に北朝鮮との対応でトランプが過激なツイートを行うたびに神経をすり減らすマティス長官の話が読んでいて辛かった。イラクやアフガニスタンで実戦を指揮していた元将軍は200万人を焼き殺すようなことをしなければならないかも、と一人で教会で何度も祈ったという...。後半のコロナ対応の話も興味深く、日本になぜか多いトランプ支持者というか盲信者(アマゾンのコメント欄見てびっくりした)以外の人にはおすすめできるかな。とても興味深かったです。続きを読む

    投稿日:2021.03.26

  • すいびょう

    すいびょう

    「私は人々の怒りを引き出す。怒りを引き出すんだ。つねにそうだった。それが長所なのか不都合なことなのかはわからないが、なんであろうと、私はそうする。」ドナルド・J・トランプ

    彼が放った言葉は、2017年から2021年までの間に世界中の人々が感じていた疑問――ドナルド・トランプとは何なのか――について端的に、そしてこの上なく明快に説明するものであった。

    彼の言動を見た人間は誰でも怒りを覚える。左派にとっては彼の支離滅裂なヘイトスピーチに憎しみを覚えるからであり、右派にとっては、自分達が心の中で感じている被差別的な感情――左派が平等とグローバリズムをうたっていながら、その実足元にいる同郷の人間を顧みないことに対する嫌悪感と劣等感――を、頭の片隅に思い起こさせるからである。

    トランプはそうした両岸の人間の間に効果的にくさびを打ち込み、4年間をかけて米国を分断した。イスラム人の入国拒否、グローバリズムからの逆行、パリ協定からの離脱、WHOからの脱退騒動、コロナ禍でのロックダウン、BLM運動、そして大統領選挙。多くの分野において、人々は2つの価値観のうちのどちらかに居場所を決めることを強いられた。一つの国に暮らす同じ人間であるのに、両岸にいる人々は友人として混じり合うことはない。まるでこの国には白と黒の2種類の人間しか認められないように、人々は自分の収まる場所を強制的に決められた。

    だが、これは果たしてトランプが作り出した分断なのだろうか?
    私はそうは思わない。オバマ政権下から、いや、それよりもはるか昔から、アメリカは「自分が望む世界を望む人々」と、「その逆を望む人々」で二分されていたのではないだろうか?
    そしてもしそれが真実であるならば、ジョー・バイデンはアメリカの治療薬足りうるのだろうか?彼もまた、トランプとは正反対の立場で、自分が望む世界を望むがままに実現しようとする人間である。アメリカ社会の間に生まれた裂傷は、単に肌のカラーチャートを細かくすれば解決する問題なのだろうか?

    2020年11月4日、多くの米国民が自らの運命を決めるため投票所に足を運んだ。結果は僅かにジョー・バイデンが勝利。あと4年の追加課税を免れたリベラルは、新たな指導者の誕生を心から歓迎した。
    投票用紙には二種類の言葉が書けたが、もしかしたら、意味するところは両方とも同じだったのかもしれない。
    「どちらに分かれる?」
    続きを読む

    投稿日:2021.02.08

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。