【感想】かくれ家のアンネ・フランク

ヤニー・ファン・デル・モーレン, 西村由美 / 岩波少年文庫
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • みるこ

    みるこ

    アンネが隠れ家に過ごす以前の状況やアンネの日記が書かれた背景や強制収容所で亡くなってしまう最期までをアンネの関係者や資料などあらゆる材料を元に書かれている。

    ごく普通の少女アンネの隠れ家での生活はその時々の心情も我々と同じで90年程過去の話ではあるが非常に親近感が湧いて勇気や希望さえ感じた。

    しかし、そんな生活も続かずついに、隠れ家にドイツ兵が来て連れて行かれた時には、ゾッとした。強制収容所に移動する列車の様子が家畜同然で、人類史上最悪の犯罪であるナチスドイツによるユダヤ人大虐殺のユダヤ人側からみた悲惨な様子が描かれていて、とてもショックだった。
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    投稿日:2024.03.27

  • ささ

    ささ

    アンネの日記を読んでから、本書に入る。
    アンネの日記のみではわからない、オランダに移住する前や、強制収容所での暮らしが一冊になっている。この本を読むと、もっと詳細に彼女にふれたくなる。アンネの日記のページを再度めくろうと思う。続きを読む

    投稿日:2023.05.21

  • ひ

    このレビューはネタバレを含みます

    アムステルダムのアンネフランクの家に行く前に読んでおきたかった本。
    どんなにナチスが人を恐怖で統制しても、個人の考えや気持ちは変えることができないし、ユダヤ人を迫害した非ユダヤ人も、迫害に抵抗した非ユダヤ人も一括りにするべきではないんだろうな

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    投稿日:2023.05.10

  • ペコ

    ペコ

    アンネ・フランクは、過去ではない。

    ナチスの手から逃れるため、かくれ家にひそみ暮らしたアンネ・フランク。どんなにおそろしい状況の中でも希望を失わずに生きた彼女を支え続けたものは、彼女が「キティー」と名前をつけた日記帳だったーー。アンネが無邪気に遊んでいた幼い頃から、悲しい最期を遂げるまでを描いた物語。

    「書くことは、アンネにとって何よりも、いちばんすてきで、いちばんたいせつなことだったのです」

    ーーーーーーーーー

    アンネの一生を、十のテーマ(章)に分けて描く。各章冒頭に、アンネが生きていた時代の様子を簡潔に紹介していて、背景知識がない子どもたちにとって理解の助けになる。

    希望を失わず「書き」続けるアンネの姿にも心打たれるが、生きることを諦めず励まし続けるアンネの父や、計り知れない勇気をもってかくれ家に住む八人を支え続ける支援者たちの姿にも深く感動した。

    どうして人間はこんなに残酷になれるのか。ユダヤ人を迫害し、大切な思春期を生きるアンネたちにかくれ家におびえて暮らす生活を強いたナチスに怒りが渦巻いた。

    アンネの最期を見届ける悲しみも深かった。ただ、「その後」の章で、支援者のミープが大切に保管していたアンネの日記やノートをオットーに渡し、オットーがアンネの夢を叶えさせるシーンに、悲しみだけではない涙がこぼれた。
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    投稿日:2022.11.13

  • H.Sato

    H.Sato

    アンネ一家は懲罰対象者として扱われた。「S」は懲罰、つまりオランダ語で罰を意味するStrafのSでした。というのは、みんな隠れ家に住んでいたからです。ベステルボルグの他の収容者のところに行くことは許されません。このオーバーオールとつんつんと立った短い髪の毛で懲罰対象者とわかります。しかも、より厳しく働かされることになるでしょう。アンネ、お母さん、マルゴーはうんざりするような仕事をやらされました。他の何百人もの女の人たちと金槌で電池を壊して、亜炭とその中に入っている小さな棒のようなものを別々の容器に投げ入れるのです。亜炭を扱うとひどく汚れます。それにひどく咳き込む時もあります。続きを読む

    投稿日:2022.01.07

  • kuritanu

    kuritanu

    タイトルから、かくれ家にいたときのこと、つまり「アンネの日記」と資料を元にアンネを中心に、戦争の状況や、かくれ家に住む人々、ミープ・ヒースら支援者の姿も描いた本なのかと思ったが(それも含まれるが)、全10章のうちの始めの4章はかくれ家に暮らすまでのフランク一家の暮らしや、アンネの生活にあてられている。
    友達と遊んだりおしゃれを楽しんだり、普通の幸せな子ども時代。しかし戦禍ははっきりとした足音を立てながら近づいて来る。親戚が捕らえられたり、亡命したりする。ドイツ軍が支配するようになり、ユダヤ人だけの学校に転校させられる。胸にダビデの星を縫い付けることを命じられ、図書館にもプールにも映画館にも行けなくなる。
    フランク一家は、もともとフランクフルトに住んでいたが、父オットーがナチスドイツを警戒してオランダに移住。ドイツ軍が勢力を拡大すると、アメリカに亡命できないかと画策したようだ。それが上手くいっていたなら、『アンネの日記』は生まれなかったわけだが、上手くいっていたらアンネはアメリカで作家になったかもしれない。無名のまま平凡な人生を歩んだかもしれないが、ベルゲン・ベルゼンで栄養失調と不衛生のせいでチフスになり、死ぬこともなかった。
    幸せだった頃のフランク一家を描くのは、平和に生きる今の子どもたちにとって、大切なことだと思う。
    とても分かりやすく読みやすいので、「中学以上」となっているが、小学校高学年でも大丈夫だと思う。
    しかし、アンネの日記からの抜粋が少ないこと、なぜドイツがユダヤ人を迫害するようになったのかがほとんど書かれていないことは不満。
    アンネがいかに感受性と表現力豊かな少女であったか、思春期の娘らしく母親と対立したり、姉に嫉妬したりしたことなども書いてあったらより感慨が
    深くなっただろう。
    オランダ人にもナチス支持者がたくさんいたことは書いてあったが、それはなぜなのか。日本の子どもはその辺も知りたいんじゃないかなと思う。
    他の本でも補えるが、わざわざ他の本でも調べてみるような子どもは残念だが滅多にいない。

    しかし、バランスの取れた良い本ではあるので、子どもにも薦めやすい。
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    投稿日:2021.06.23

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