【感想】出世商人 (一)

千野隆司 / 文春文庫
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 3.1
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ブクログレビュー

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  • kimikokumiken

    kimikokumiken

    高田郁氏の『金と銀』シリーズも、ひたむきに、仕事を成功していく話であったけど、この本も、そのような話のようで、手にした。

    家業が、艾屋というのも、今まで時代小説で読んだ事の無い職業。
    養子にしてくれた両親の艾屋を継ぐ事になった文吉。
    後を継ぐにも、薬問屋の奉公人で、薄給であったので、預金もなく、家業、10両を越す借金だらけ!
    どう返済して行くのか?
    借りるアテも無い。
    借りるアテが、出来たのだが、それは、命と引き換えの約定。
    前にしか進めない文吉。
    そんな中 人助けで知り合った蘭方医の作った新薬を、売り出す事になるのだが……
    周りの薬問屋達が、行くてを阻む。
    特許権というのが、この時代には無かったのだろうか?
    売り込んだのに、同じ名前を使われて1日早く売り出した薬問屋。
    歯ぎしりしてもどうにもならない。
    名前を変更して売り出して行くけど、返済までに間に合うのだろうか?
    そして、無頼漢に襲われる文吉。
    本当に 借金もだけど、同じ職種の者からの嫌がらせが、汚い手を使って来る。
    何か途中切れしてしまった感があり、次の続編を読まなくてはと、思っている。
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    投稿日:2023.04.06

  • 煌

    このレビューはネタバレを含みます

    大火で5歳で両親を亡くし、遠縁を転々とした後、養父母に引き取られ、11歳で奉公に出て5年、養父が借金を抱えたまま亡くなる波乱万丈さ

    家業のもぐさ売りを始めるけれど、なかなか上手くいかず妨害もあってと冷ややかな1巻

    千野先生にしては物語も主人公も淡々と進んで手応えがなく、最初は違和感が凄い

    諦めと理詰め志向が極まって喜怒哀楽がほぼ無い文吉
    残された養母と生きて行く事に全神経が注がれているので、それが必然なのかな、と感じます

    今後、彼の感情と態度に熱が篭るのか楽しみです

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    投稿日:2022.09.22

  • tvxqhitomi

    tvxqhitomi

    202206/シリーズ1~4巻まとめて。商人モノで、危機→解決→危機…というわかりやすい展開で面白く読めた。ただ、主人公文吉は頑張っていないわけじゃないしいいやつではあるんだけどちょっと必死感が薄いというか、すぐ人に頼り過ぎじゃない?すごいのはアドバイスくれる周囲の人達で。基本的に、飛び込みの聞き込みでみんなすぐペラペラ話してくれるので、それで色々わかり物事が進むという展開の仕方も物足りない。続きを読む

    投稿日:2022.09.04

  • snowflake

    snowflake

    初めは何だっていいんだよ。一度掴んだ客を、どう抱え込んでゆくか、それが商人の腕じゃあないか。しっかりおしよ。

    投稿日:2021.11.24

  • fuku ※たまにレビューします

    fuku ※たまにレビューします

    初めて読む作家さん。タイトルから安心して読める。
    とはいえシリーズ第一作ということで成功とは言えない段階で終了。

    薬種問屋〈遠州屋〉の小僧として奉公していた文吉は養父の突然の死により〈遠州屋〉を辞め養父が営んでいた艾屋〈三川屋〉を継ぐことにした。
    だが〈三川屋〉の扱う艾は安物で利益は殆どなし。最近は商いが上手く行ってなかったようであちこちから合計十三両もの借金をしていた。
    そんな折、〈遠州屋〉時代に知り合った蘭方医・手塚良庵から自分が作った滋養強壮薬を売って稼がないかと誘われる。

    テンポが良い。
    小僧上がりで店の経営は全くの素人、多額の借金を背負っている文吉が、様々な人と出会い助けられていく様が楽しい。ちょっと出来すぎだが、それも良い。
    元は文吉の正直さや誠実さ優しさが成せること。良庵との出会いのきっかけも道で苦しんでいる老女を助けたことだった。
    文吉は火事で両親を亡くした孤児であり〈三川屋〉夫婦は育ての親というだけで血の繋がりはない。しかし体調が優れない養母おぶんを見捨てることも〈三川屋〉が背負った借金から逃げることもしない。

    艾を仕入れる金すらない文吉に二百文を渡し、もっと良い質の艾を仕入れて売れとアドバイスする〈遠州屋〉の女中・お邑。
    文吉が新たに商うことにした良庵製作の薬『元気丸』の売り出しに一役買う幼馴染のお藤。
    大手の薬種問屋からの嫌がらせや横やりの真相を調べてくれる下っ引きの宗助。
    誠実な商売と『元気丸』の確かな効き目に新たな客を紹介してくれる人々。
    たくさんの人たちが文吉を後押ししてくれる。

    一方で借金相手の〈相馬屋〉儀兵衛は厳しいのだか優しいのだか。ホームレスの老人・熊もただ者ではない感じ。
    〈越前屋〉〈福江屋〉など大手の薬種問屋の横やりや嫌がらせは続きそう。
    〈遠州屋〉の若旦那・茂松の動きも怪しい。

    商売はまだ始まったばかり。これからどう商いを軌道に乗せ『出世』していくのか、楽しみだ。

    ところで読み終えて知ったがこの手塚良庵先生、あの手塚治虫先生の曾祖父だそうだ。手塚治虫先生も医学博士だったが血筋なのか、納得。
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    投稿日:2021.08.12

  • ツン

    ツン

    千野さんらしい、貧しい主人公が這い上がって行くお話(だと思う)。ただ、時代小説って続いていくとしても、それぞれ一冊ずつもう少し完結感があると思うのだけど、完全に途中で終わっていて、えっ?、どうなるの?(むしろ上下巻の上巻)という感じ。2巻に進みます。続きを読む

    投稿日:2021.07.03

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