【感想】グレート・リセット ダボス会議で語られるアフターコロナの世界

クラウス・シュワブ, ティエリ・マルレ, 藤田正美, チャールズ清水, 安納令奈 / 日経ナショナル ジオグラフィック
(24件のレビュー)

総合評価:

平均 3.1
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12
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ブクログレビュー

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  • よっち

    よっち

    コロナ禍の最中に購入し、途中まで読んで放置していたのを見つけて、2024年に読んでみました。当時は相当不安定な情勢だったことが伺えたり、また著者はダボス会議関係者ですが、世界をリードしている(と思っている・思われている)方々の認識と、一般人の認識の違いも感じられたりと、不思議な感じで読みました。
    どなたかもレビューに書いていましたが、もうコロナが過ぎたこの時期に、あえて読まなくていい本だと思います。(当時は価値があったのかもと思います)
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    投稿日:2024.03.18

  • Anony

    Anony

    感想
    悲劇を踏み潰す社会システム。個人はコロナに打ちひしがれる。しかし集合としての人類は負けない。それは強み。裏を返せば変化できない弱さ。

    投稿日:2023.08.05

  • Ronnio

    Ronnio

    パンデミックが始まった当初はかなりパニック気味だったのだなと、本書を読んで改めて感じた。
    落ち着いてきた今読んでみると、「世の中が不可逆的に大きく変容し、戻らないだろう」という主張が多いことに驚く。
    よほど悲観的に受け止めてしまっていたのだろう。

    本書を読んだ目的は、「シュワブ氏の提唱する"グレート・リセット"の具体的な方向性と詳細を知る」ことだった。

    自分の読む前の認識では、立ち行かなくなった社会の諸課題に対して、世界の頭脳の中枢が、なんらかの明快な解決方法や方針を示しているのだと思っていたが、やはり実際はそこまで甘くなかった。
    本書はあくまで2020年10月(頃 )時点における現状の列挙と、それぞれの課題に対してパンデミックがどのように影響を与えうるかというシナリオを提示したに過ぎない。
    それを過小評価はしない。これだけ文化やイデオロギーや環境などの背景が異なる地域・国々、人々の階層を押しなべて俯瞰して同じ土俵に上げるのはかなり無理があり、骨の折れる作業だったはずだ。
    パンデミックによる影響を受ける、という共通項で方向性をかろうじて示せたのだと思う。
    これは凄い。


    多くの課題が、資本主義の歪みから来ていることは明白だ。

    2023年現時点においても、パンデミックによる影響で自然環境、労働環境、所得向上、国際情勢の改善などが解決したかといえば、全然解決していない。
    テレワークは解除され、生産性向上のために再び出社が強制されつつある。
    グレタ氏の抗議デモからMeToo運動、ジョージフロイド抗議運動、イエロージャケット運動など様々な運動が各地で起きている。

    中国やロシアやイランですらデモが起きるくらいだから相当である。
    この動きに対して、じゃあ社会に変容は起きているのか。
    草の根の意識は高まっているが、いまだに改革は起きていない。
    格差が開きすぎてしまった現代、既存のシステムという壁はあまりにも高すぎる。

    シュワブ氏はステークホルダー資本主義という形で軟着陸する形を模索しているようだ。
    ステークホルダー資本主義に関してはその定義程度しか把握しておらず、氏の他の著作はまだ読めていない。
    なので判断しにくいのだが、資本主義が行き詰まり、民主主義が機能不全に陥っている現状で、ステークホルダー資本主義には今更感が強く、とうていリセットに役立つとは思えない。

    新型コロナウイルス感染症のパンデミックがひとつのガス抜きで終わってしまったことを考えると、
    リセットの起爆剤となり得るのは、もはや未曽有の大恐慌だとか、エボラ出血熱の大流行だとか、核戦争レベルの悲劇になってしまいかねない。
    氏が本書で主張する通り、リスクは密接に絡み合い、一つの火種が急速に拡大し他の問題に派生するという動きは的を得ている。
    なので、なんらかの今回のパンデミック以上の大災害が起きれば、大きな潮流となるだろう。

    資本主義というシステムの原動力が欲望である以上、
    世界中の人の欲望を皆が自身で抑えつけるか、
    または世界中の人々の欲望を叶えるようなきっかけが必要なように感じる。

    前者は多分不可能。皆が揃って生きるか死ぬかに迫られないと到底そうはなるまい。
    では後者か。
    欲望を実現化する上で想像しうるのは以下のような、非常に難易度の高い課題の解決だろう。

    フリーエネルギークラスの無尽蔵のエネルギー源の発見、
    地球以外の居心地の良いフロンティアの発見・移住・活用の実現化、
    VRとメタバースの発展と普及による、国家体制に影響を与えない欲望の発散口、
    癌や糖尿病や心血管疾患や悪性ウイルスの克服。

    AIの発達によって、これらの難問は遠からず解決してしまうかもしれない。
    そのことに反対する既得権益者。
    または保守主義な人々がAIの発達それ自体や、AIの活用や、生まれたソリューションの活用に反対することが予想される。
    さらには倫理的、宗教的、政治的などの理由でその活用に及び腰になる可能性もある。

    既に盤石な、欲望を原動力にして暴力の代わりにお金を用いた弱肉強食の社会である資本主義体制のその先に行くためは、
    いずれにしても人々の欲望や、恐怖心や、現状維持の気持ちといった内面と向き合い、それを超克することは避けられなさそうだ。
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    投稿日:2023.06.14

  • 信州大学農学部図書館

    信州大学農学部図書館

    コロナは私たちの生活を変えた。コロナの影響は経済、社会、政治、環境、テクノロジーなど幅広い分野に及んでいる。
    コロナによる変化を踏み台として、各分野どんな方向に進むべきであるか見つめ直すことができる一冊である。続きを読む

    投稿日:2022.10.11

  • sota

    sota

    ー パンデミックが引き起こした深刻な危機によって、経済や社会がどのように機能し、なぜ機能しないかを考える機会がたっぷりと与えられた。その審判は明確だろう。私たちは変わる必要がある。というより変わるべきなのだ。だが、変われるだろうか?過去の過ちから学べるのか?パンデミックをきっかけに、明るい未来が開けるのか?地球全体に秩序をもたらすことができるのか?

    シンプルに言おう。グレート・リセットをやるのか、やらないのか?リセットは野心的な挑戦だ。野心的過ぎるかもしれない。 それでも、やらないという選択肢はない。

    私たちは全力で取り組み、やり遂げなければならない。肝心なのは、世界の分断をなくし、汚染や破壊活動を減らしながら、パンデミック前の世界よりも寛容で、公平かつ公正な世界を作ることだ。何もしない、あるいは、おざなりなことしかしないのは、日々悪化する社会格差、経済の不均衡、不正や地球環境破壊に向かって、夢遊病者のように歩くのと同じだ。行動を先延ばしにするなら、この世界がますます狭量になり、さらに分断し、ますます危険で自分本位で、地球に住む大多数の人にとってとにかく耐え難い場所になるのを、ただ見ているのと同じだ。

    もう一度言う。何もしないという選択肢はないのである。 ー

    複雑に考えすぎるから良くない。
    シンプルに、やらない選択肢はないという前提で、やるべきことをやるしかない。
    その時に、「公平さ」が問題になり、特定の誰かが犠牲・我慢を強いられるのであれば、その負担をみなが分担する仕組みがないと、世界の分断は抑えられない。
    とは言え、本作の出版後にロシア侵攻が起こり、世界の情勢がより複雑になり、分断は加速した。エネルギーと食糧の情勢が変わり、持続可能性やレジリエンスがますます試されている。

    さて、やらないという選択肢は無い中で、何もやらずに漠然と日々を過ごしていいものか。そんなわけはない。じゃぁ、何をやろうかなぁ〜。
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    投稿日:2022.09.04

  • digestif

    digestif

    コロナ禍の初期のものであるが二年を経て改めて実感するもの、少し外れたかと思うもの様々。感じるのはこの危機を利用して変革し切れていない日本の姿。のんとかしていかないと!

    投稿日:2022.05.25

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