【感想】ソルハ

帚木蓬生 / 集英社文庫
(5件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • kimikokumiken

    kimikokumiken

    このレビューはネタバレを含みます

    20年前の9月11日 テレビで、アメリカ同時テロで、ビルが、一瞬のうちに崩れ落ちる瞬間を テレビで放映しているのを見て、これは、映画で、物語なのか???と、思ったのだが、現実に起こった事件と知って、アメリカ国民でなくても、身体が震えてしまった。

    この本を読みながら、アフガニスタンの少女が、成長して行く中、国内の紛争や女性に対する国政、そして、モザイクのように集まった民族の殺し合い等、日頃 日本の中の平和にどっぷりつかっている私には、想像を絶するものであった。

    息子が、トルコへ留学する時に、イスラム教について本を読んだ事がある。
    シーア派とスンニ派に分かれている事など、この本でも、わかりやすく描かれている。
    しかし、言語が、こんなにも沢山あるのか?と、知った。
    コーランは、アラビア語だとは、知っていたけど、・・・

    やっと、20年をかけて、アフガニスタンも 少しの紛争があっても、平和な国になっているものだと、思って居り、日本だけでなく 他の支援国からの援助で、これから成長して行くものだと、想像していた。

    しかし、最近のニュースを見てみると、タリバンが、全土を制圧してしまい、またもや、女性の学問を禁止したり、外出禁止等・・・

    今日本のコロナで、緊急事態宣言で、束縛されているよな甘いものではない状況が、アフガニスタンで、実行されている。

    中国と同じく、デモも禁止であり、それでなくても、アフガンから脱出するための人々が、飛行場への殺到する人数も凄い。

    この本の作者 箒木縫生氏は、あとがきで、「かつて子供だった大人のみなさんへ」と、書かれているのだが、・・・

    人生100年と、日本では、今言われている時代に、戦争を知っている人は、少しになって来ている、
    アフガニスタンの戦争も、イスラム教の解釈の仕方やモザイク的な民族の集合であり、本質は、平和なはずなのに、・・・・
    この地域には、難民があふれかえり、親から離れた子供達や この本の中のような ビビのような知識人の母親の死等、沢山の犠牲者が、出ている。
    本当に対岸の火事ではないが、どのように行けばよいのだろう。

    ただ、支援金ばかりを投入しても、汚職や武器を購入する物に使われては、何もならない。

    最後の解説で、長倉洋海氏が、タリバンが、政権を握ったらどうなるのだろう?と書かれているのだが、・・・
    今、2021年9月に、其の恐れていたことが、現実化している。
    20年前に戻ってしまうのだろうか?
    登場したビビ達は、どうなるのだろう。

    コロナに、選挙だけを心配している日本人たちは、この人達を助ける事は出来るのだろうか?と、一人モヤモヤした気持ちで、読み終えてしまった。

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    投稿日:2021.09.10

  • xiyue

    xiyue

    アフガニスタンの小説が好きで良く読んでいるけれど、これは少し異色で日本人が描いたアフガニスタンの小説。
    しかも激動の時代を少女目線で描いたもの。大人の男性だったら、大人の女性だったら、男の子だったら...また違う景色になったんだろうなと思う。
    帚木蓬生の本の中では異色だと思うけれど、しっかり人に薦めたい一冊。
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    投稿日:2021.02.17

  • rabumama

    rabumama

    アフガニスタンで暮らす少女の物語。
    ほとんど知識のない国のお話に
    興味津々でしたが
    想像以上に過酷な日常。

    しかも理不尽な暴力を受け続ける
    一般市民(特に女性)の悲惨なこと。
    でもビビの純粋な目線で描かれていたため
    最後まで読み切れたのだと思います。

    アフガニスタン人の普通の生活を
    知ることですごく親近感がわき、
    アフガニスタンという国が
    果物も豊富で
    とても素敵な国だということも知れて
    なんだか嬉しくなりました。
    ソルハ(平和)がずっと続きますように。
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    投稿日:2020.10.03

  • hiderobolavo

    hiderobolavo

    興味を持って選択のできる人生は、当たり前では無い。

    落ち着かない国内にあって、学ぶ姿勢を貫く主人公。
    周りの助けもあるが、とても意識が強い。

    知らない事を知ること。興味を持つ事。先を考える事。
    さな世界に捉われずに常に広い視野でいたいと感じた作品。

    中東の近代史に俄然興味が湧いた。
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    投稿日:2020.10.01

  • kitarouchan

    kitarouchan

    アフガニスタンの首都カブールに住むビビ。戦争-内乱-圧政と、命の危機、心の危機に出会いながらも前向きに成長していく彼女に光を見る。家族や友人、周りの人の手助けがあるけれど彼女の根本に確固としているものがあるのだろう。

    「ソルハ」ってどんなものだろう、何かの名前?
    ビビに寄り添って読んでいった最後にわかる。
    涙が出るほど美しいものだった。
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    投稿日:2020.07.28

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