【感想】空想クラブ

近未来型のSFミステリーを得意としている作家さん。科学的根拠に基づいてミステリーの組み立てを行い、少しずつ少しずつ紐いといていくことが多いが、今回はかなり非科学的。
特殊な空想の力を持った主人公だけが…、死んだヒロインと接する事が出来るため、主人公を中心にミステリーの紐解きを行うが、かなり引っ張った「子供」の正体は想像通り。空想の力の正体も結局はよく分からず、あまりスッキリしなかった。続きを読む

宮古島の祖母から祖父へ、祖父から駿へ受け継がれた「見る力」。小学生のときの親友の死、その葬式の帰り道、彼女が亡くなった場所で彼女を「見る」。彼女はなぜ亡くなったのか、その真相にたどり着けるか。かつての…仲間たちとその真相に迫るミステリー。疎遠になっている仲間や不良グループに縛られ葛藤する仲間、駿との邂逅に戸惑いながらも信頼関係を築いてゆく。ミステリーなのですが内容はファンタジー要素を含み、壮大な物語へ。ただ、空想クラブのメンバーは気づかないうちに彼女「真夜」に永遠に縛られてしまったのではないのだろうか？続きを読む

非現実過ぎて無理 - 逸木裕「空想クラブ」★☆☆☆☆

なんだこれ！つまんねえ。空想が現実にリンクするって設定はいいよ。許すよ。特殊設定系の小説だもの。でも、その特殊設定はまわりが通常の世界だからこそ…威力があるのであって、まわりの人々も非現実的なキャラクターや行動をしちゃったら駄目だろ。(とくに非行の小学生の描写が逸脱しすぎ)ただのご都合主義にしか見えなくて辟易してしまう。
物語の中でアンカリングする仮説も無理があるって。無理のある仮説のために邁進する人々は滑稽だわ。滑稽にしか思えないけど本人たちは大真面目一本調子だこらたちが悪い。アンカリングは真実味があってこそ、読者がこれかもとおもうから引っかかるのであって、滑稽を示すためじゃないぞ！
空想が現実にリンクする設定もいらなくないか？てか、空想というよりもはやオカルトじゃんか。続きを読む