【感想】ニャン氏の憂鬱

松尾由美 / 創元推理文庫
(9件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • G. S.

    G. S.

    「ニャン氏」第3弾はまさかの?バンドを巡る人間ドラマで、心なしかニャン氏の影が薄い気すらするが、まあそれはそれで。
    各章のタイトルが洋ロックのスタンダード曲のもじりになっているのが、楽しい。

    投稿日:2023.08.09

  • あやごぜ

    あやごぜ

    シリーズ第三弾。

    今回は製缶会社に勤める傍らバンド活動をしている茶谷くんを主人公にお送りする、連作六話の謎解き譚です。

    茶谷くんが勤務する会社の大株主である、“実業家”のニャン氏&秘書兼通訳の丸山さんが、ひょんな事から学生時代に茶谷くんが経験した、“密室からのヨウム(オウムじゃなくて)失踪の謎”を解いたことをきっかけに、茶谷くんの行く先々で謎に遭遇するたびにニャン氏&丸山さんがどこからともなく現れて、解決に一肌脱ぐというお約束の流れです。

    実業家で名探偵でもある“スーパーニャンコ”のニャン氏ですが、この巻では水や大きな音が苦手という“猫らしい”一面も見せてくれています。
    様々な謎解きを楽しめるのは勿論、茶谷くんの成長も見どころで、バンド仲間との切ない決断が絡む第五話「ホスピタル・オディティ」や、シリーズ2作目の主役・田宮さんが登場する第六話「アンダー・ヒズ・サム」では、実質茶谷くんが謎を解いていました(ちょっとだけニャン氏というか丸山さんにヒントを貰っていましたが)。
    そして、ニャン氏が見込んだ(?)若者(今回は茶谷くん)に財団へヘッドハンティングするも、断られてしまうというのも毎度おなじみの展開です。
    いつか、ニャン氏の財団へ来てくれる有望な若者は現れるのでしょうか・・・なお、第四話「猫を見たかい」で登場するメイド姿の女の子は、1作目から何気に出ている来栖さんかと思われますので、いっそのこと彼女を勧誘してみては?と思った次第です。
    ラストでは茶谷くんがバンドマンらしくニャン氏と丸山さんに曲をプレゼントしていまして、楽譜付きで巻末に載っているのが面白かったです。
    因みに曲名は「猫だから」&「丸山氏のバラード」でございます♪
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    投稿日:2023.01.09

  • ますたぁ

    ますたぁ

    シリーズ3作目
    今回の主人公は製缶会社で働くバンドマンの茶谷くん

    今回も収録は6編

    逃げ出したヨウムと聞こえてきた歌声
    銭湯で見つかった掛け軸の暗号
    軟禁されていた王子の外部との連絡方法
    音楽スタジオでの消えた利用履歴ノート
    江戸時代でも本当に喜んでいたのか?前話の真相
    ハムスター失踪・宝石盗難事件


    物騒な真相もあったりするけど、日常の謎の傾向が強くなった

    銭湯の暗号の話なんかは終盤の二転三転する展開はよかった
    さらに、真相に関してはほのめかしで終わってるあたりも結構好みかも

    前作での田宮さん、小森さんも登場したりと、シリーズを通した交流もちょっと

    今回も同じような終わり方だけど。さらなる続編は出るのか?
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    投稿日:2022.04.16

  • サビ猫マニア

    サビ猫マニア

    シリーズ3冊の中では一番おもしろいと感じた。
    以前登場した人物が出てきたりしたのもよかった。
    ニャン氏の財団に入ってくれる人は現れるのかニャ?

    投稿日:2022.03.13

  • 青竹

    青竹

    シリーズ3作目。
    2作目を読んでから久しぶりにシリーズを読んだので、最初は設定や前作までを思い出すのに時間がかかりました。

    短編連作集ですが、少しその後が気になるような私が読み取れきれなかったのか少し含みがある終わり方もありました。

    ニャン氏(と丸山氏)に関わって成長していく茶谷君、前回登場の田宮さんとのコラボもあって楽しめました。
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    投稿日:2021.11.07

  • fuku ※たまにレビューします

    fuku ※たまにレビューします

    久しぶりに読む松尾さん作品。
    シリーズ第三作らしいが、私が通う図書館にはこの第三作しか置いてなかったのでとりあえずこちらを読んでみた。過去の作品に触れている部分もあるが、特に支障なく読めたのでこちら単独でも楽しめると思う。

    主人公は製缶会社(缶詰会社ではない)に勤めながらプライベートではバンド活動もしている茶谷歩。
    ある日会社の大株主でアロイシャス・ニャン氏という一見ふざけた名前の実業家へお使いに行くと、彼の秘書・丸山と何故か黒白の猫がいて…。

    仕事の話をするはずが、茶谷が気になっていた過去の不思議な体験を語ることになり、その謎を奇妙な猫が解き明かし丸山が通訳するという設定…らしい。
    なつかしい赤川次郎氏の三毛猫ホームズのような感じだが、あっちはホームズがヒントを与えてあげる設定だったように覚えているが、こちらは本当に猫が謎解きしているかのように喋っている(鳴いているだけ?)。

    お遊びのような設定だが、ミステリーとしてはなかなか楽しめる。
    密室状態から出ていったカナリアと消えたボーカル、銭湯で長年引き継がれてきた家訓と掛け軸、一瞬で消えた猫と軟禁状態の屋敷から消えた一家、スタジオに閉じ込められたドラマーと消えたノート…など、6編。
    短編なのでサクッと読めるし、密室ものとしては肩透かしだが、軽快というよりはちょっとセンチメンタル、もっとほろ苦いものもある。

    第一話で出会った茶谷と丸山&猫がその後も何かと関わっていく中で様々な謎と出会ってそれを猫が解き明かしていくのだが、終盤はそこから一歩進んで茶谷自身が謎解きに挑んでいく。
    勿論猫探偵からのヒントをもらってのことだが、茶谷を単なる傍観者に終わらせないところはこれまでのシリーズ作品もそうなのだろうか。

    終盤は茶谷がメンバーであるバンド活動の行方にも関わる謎で、そこに直接的に猫探偵が関わらず茶谷自身に謎解きを後押しするのは、まるで茶谷がこれからどうするのかを決めなさいと言っているかのようで、もう猫じゃないくらいの器の大きさを感じる。

    でも水や大きな音が苦手だったり、ボールを追いかけるのに夢中になったりという猫らしさも見せるところや、猫、それも黒白模様こそが一番と誇り高いところなどは面白い。

    最終話は第二作に出てきたらしい主人公も登場する。猫探偵、一体いくつの顔を持っているのか?

    続編もあるのだろうか。軽く読む分には丁度良い。
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    投稿日:2020.12.11

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