【感想】ベージュ

谷川俊太郎 / 新潮社
(13件のレビュー)

総合評価:

平均 3.6
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ブクログレビュー

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  • kazekaoru21

    kazekaoru21

    このレビューはネタバレを含みます

    米寿、姿、表現方法は違っても、この年齢を重ねたかたはこういう心持ちで過ごしておられるのかな…。過去現在そして、老いについて、枯れてゆくことも生き様だという限りのないなにかを感じました。
    特に「にわに木が」という詩、心掴まれ何度も読んでしまいます。
    「わたしは
     うん
     どこか
     とおくへいきたいのだ
     ここから
     とおい
     しらなのに
     なつかしいどこか
     そこには
     はやしがある
     ちいさなかわがながれている
     そこへ」
    (にわに木が)の一連より
    瑞々しい言葉に目の前に情景が浮かびます
    自分がもっと歳を重ねたら、体の変化と共に思考はどうなるのだろうって思いました
    「にわに木がたっていて そのうえに そらは ある ありつづける わたしが うまれるまえから わたしが
     しんだあとまで たぶん 
    わたしが そういうと あなたは うなずいた 
    だまってうなずいた あなたが すきだ」

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    投稿日:2023.01.29

  • コルベット

    コルベット

    このレビューはネタバレを含みます

    『イル』

     今日
     私がイル
     のである
     昨日も私はイタ
     姿かたちは違っていたが
     八十七年前もイタらしい
     のである
     犬でも
     猫でもない
     私が
     …

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    投稿日:2022.12.20

  • Masahiro Sera

    Masahiro Sera

    感受したことを言葉にできることって、難しい。

    言葉と別れて より

    広々とした青空のどこかから
    白い雲のひと刷毛が現れて
    風に流れるいとまもなく
    すぐ消え失せるのを赤ん坊が見ている

    老人の私もそれを見ているが
    赤ん坊と違って私はそれを言葉で見る
    その情景は私の内部から外部へ跳ぶ
    私の中ですでに時は止まっている

    書かれた情景は一枚の水彩画のように
    意識の額縁に収まっている
    赤ん坊を抱いて私は散歩から帰る

    日常が当然のように戻ってきて
    やがて西陽が家並みの向こうに沈む
    詩が言葉と別れて闇に消える
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    投稿日:2022.03.25

  • kosamebitaki

    kosamebitaki

    谷川俊太郎さんの、88歳の詩集。エッセイのようでもあった。
    装丁は淡いベージュと水色。好きな組み合わせです。
    (もちろん米寿とかけてるのだろうけれど)
    詩は難解そうだな、と読んでいくと、次第に頭の中に情景が浮かんできた。
    身の回りのことだけでなく、詩人には世界のどこかで起きている悲劇も詩にした。
    ある詩人の最後を知った詩は、その不滅を明言した。
    どこか異世界に入り込むような気持ちにさせる詩もあった。メロディがあったら、もっと自分に染み込んできそうに思える詩もあった。
    子供が小さい時に読み聞かせた、「めのまどあけろ」のように、声を出して読んでみると、耳に心地いい詩もあった。
    耳で聞くと、また違った印象になる。
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    投稿日:2021.06.20

  • おひげ

    おひげ

    『ベージュ』読了。
    初めて谷川俊太郎の詩を読んだ。米寿ならぬベージュ。なんて素敵な言葉に色。お米の色。
    米寿まで生きた方の詩がどんな意味を持つか感じ取ろうにも分からず。けど空気感はなんとなく分かったような気がする。
    自分の祖母も今年で米寿。祖母もこんな感じ生きてんのかなと思った。

    2021.4.13(1回目)
    続きを読む

    投稿日:2021.04.13

  • tanalog

    tanalog

    思ったよりも読むのに時間がかかった。個々の作品が急いで読むことをとどめるのだと思う。「にわに木が」がみずみずしい。

    投稿日:2021.02.13

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