AIとカラー化した写真でよみがえる戦前・戦争

庭田杏珠, 渡邊英徳 / 光文社新書
(39件のレビュー)

総合評価:

平均 4.5
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ブクログレビュー

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  • MASA

    MASA

    白黒写真を現代の技術を使用し、関係者の記憶を活用しカラー化したという本。より一層リアルさが伝わり、写真の時代に入り込んで感じたり、考える事ができた。
    それにしても、都市という都市がくまなく徹底的に無差別に破壊された事は人命や文化の喪失他、全ての面で残念。
    読者には色んな文献や映画とセットで見てもらえたら、一層良いと思います。
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    投稿日:2022.02.13

  • ジェロニモ

    ジェロニモ

    昔の白黒写真をカラー化するという、面白い試み。日独伊三国同盟のカラー写真はtwitterで見たことある人も多いのではないか。

    試み自体は面白いものの、正直カラー化になんの価値があるのかと思いながら読んだ。しかし、驚きではあるが白黒で見た(昔)の写真が、カラー化によって地続きの過去になっていくのが実感できる。白黒写真というのは空が白いだけで本質的には夜なんだよな。モノの輪郭は掴めてもイメージはつきにくい。

    教授室の「第ニ外科歴代教授」掲示などを見ると、過去の教授が白黒で写っている。あまり意識したことがなかったが、白黒写真はそれ自体が過去の象徴である。これがちょっと色づくだけで、過去の想像から、過去の体験へと変わる。例えば、1930年代の繁華街の白黒写真を見ても、目が滑るだけだが、カラー写真になると「桜の季節だ」「白象に乗っている子供がいる。服の色合いからして裕福そうだ」「べっぴん店の広告がある。看板がきれいなところからして、新しい店なのか。あるいは繁盛しているのかもしれない」などと目が留まるところが多い。

    写真への自己の投影のようなものが簡単になる。「生まれる前の時代が本当にあったんだ」と実感する感覚が近いだろうか。

    手塚治虫の『アドルフに告ぐ』のゾルゲ事件のところで見た、防諜を促すコマと同じような、防諜週間の写真があって感動した。

    真珠湾攻撃の写真は必見。それまで戦前の平和な写真から一転、爆発炎上する駆逐艦には息を呑む迫力がある。ドイツがアメリカに宣戦する写真はナチスのカルト性がよく現れている。

    戦争の写真では、日本の写真が特攻兵などの記念写真が多いのに対し、アメリカは攻撃している、あるいはされている写真が多い。おそらくだが、日本は度重なる攻撃で記録が残らなかったのに対し、アメリカは生き残ったフィルムが多いのだろう。

    爆撃されている最中のエンタープライズの写真など、命知らずの戦場カメラマンの本気が見て取れる。

    ドイツのドレスデンの写真は、オーウェルが『荒廃したドイツの未来』で『ドイツの破壊された町々を歩けば文明の持続性について強い疑念を抱かざるにはいられない』と評した街を見て取れる。遮蔽も少なく、フラグメントイーストよりよほどフラグメントである。

    米軍の対空砲火、恐るべし。空を縫うような面制圧である。これでは特攻も戦況にさほど影響を及ぼさないであろう。

    ライヒスタークの赤旗、少し感動した。

    日本兵、やせ細ってて本当に可哀想。腹が減っては戦ができぬ。
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    投稿日:2021.10.11

  • ysdnekomomo1984

    ysdnekomomo1984

    このレビューはネタバレを含みます

    白黒写真をカラー化すると、とても鮮やかに情報が伝わってくる。当たり前だが、被写体の彼らは歴史舞台の登場人物ではなく、日常を生きた人間なんだと強烈に感じることができた。以下は特に印象に残った点。

    戦前の穏やかな日常の写真のなかに、たくさんの人々の笑顔があったこと(昔の人は写真ではあまり笑わないと思っていた)。
    戦況激化とともに、禍々しいスローガン等でじわじわと追い込まれていくなかでも、日常生活や笑顔が見られた写真があったこと。
    写真におさまる日本の航空兵達の顔立ちが、戦況が悪化するにつれ幼くなっていくと感じ辛かったこと。
    戦後の焼け野原でもちゃんとデートしていたこと。
    戦場となった海と空がとても青かったこと。

    戦争について考えるとき、文字を読み想像することも大切だが、この本は写真の持つ情報伝達性が十二分に活かされていて、当時を考えるうえで貴重な本だと思った。

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    投稿日:2021.10.05

  • wake

    wake

    百聞は一見に如かず、ましてカラーをや。。
    モノクロで記憶され続けている自身の昭和初期像を塗替え、歴史上のではなく、今を生きる自分たちの少し過去の延長戦上の日本人として活写されている点は非常に興味深い。特に庶民の日常の何気ない一瞬は、当たり前だけどカラー満載の世界で生きていたのだと改めて痛感させてくれる。言葉のいらない近代史をみせてもらって感動した。続きを読む

    投稿日:2021.09.25

  • sei

    sei

    カラー写真の威力を見せつけられた一冊。AIさん方の尽力でカラー化されたものという。ぼくはモノクロ写真やセピアの写真も味があって好きだけど、戦争の写真をカラーにすると、こんなにもリアルに蘇ってくるものかと感嘆した。

    大型戦艦が炎上して沈み、日本各所に空襲があり、ヒロシマとナガサキに原爆が落とされるといった惨劇たる写真もさることながら、壮絶な戦時下に生活している人々の表情が豊かであることに(特攻隊員たちまでもが!!)、胸を締め付けられるような苦しさと同時に、一瞬の安堵を感じた。この本の写真に写っている人々は、私の祖父や祖母以上の年代の人々だが、戦火をくぐりぬけ、先人たちはたしかに生きてきたし、かつ逞しかった。
    戦争、人間、、さまざま考えるためにも、手元に置いておきたい一冊である。
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    投稿日:2021.09.04

  • Takac.M

    Takac.M

    やはり色があると当時の情景や、人々の血色など、鮮明に拝見することができる、当時の事を我ごとのように感じさせられる。

    投稿日:2021.08.18

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