【感想】ふるえるからだ

大西智子 / 光文社
(5件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • よつば

    よつば

    冒頭の1行でかつてない程の衝撃を受ける。

    近親相姦を匂わせる一文はタイトルさながらで身体が震え心がざわめく。

    この物語の主人公、今年41歳になる志津は、いとこである和仁と結婚し幼稚園に通う息子を持つ主婦。
    スーパーでバイトする大学2年生の早見理人に接近する志津。

    常温で保存している桃が日毎に熟して行くのと比例する様に志津の行動に生々しさが増して行く。

    実の父親からの性的虐待、家族だと信じ切っていた夫の裏切り、志津の心中を想像すると破滅的行動に走る気持ちが分からなくもない。

    出生前診断を絡めながら血縁の意味が問われる。
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    投稿日:2023.02.16

  • mendako

    mendako

    物語はとんでもない一文から始まる。
    これは一体???!!!

    志津は41歳。
    いとこ婚をした夫は外に他の女がいる。
    そしてあまつさえ子供もいる。
    自尊心を傷つけられた志津は復讐、あるいは、もっと言葉で表せないような気持ちを埋めるため、ある場所でパートを始める。

    日本の法律的にはいとこ婚はなんの問題もないはずなのに、「近親婚」と忌み、蔑み、恐れるような目で見る人達がいる。
    主人公の志津自身も、そのことに何かを思うようだ。

    性について描いた本作は、忌避するような気持ちになる人もいるだろう。
    決して明るい読後感ではないし、傷を抱えた人にとっては読みやすい本ではないだろう。
    また、いとこであったり遠縁であったりする家庭にとっては辛いものもあるだろう。
    だが、主題はそこではなく、一人の女性が、新たに人生を進む辛さや痛さ、そして希望にある。

    何を言っても上っ面になってしまいそうでうまく言えないが……。
    強く生きていくことは、いつもヒリヒリと痛むが、たった一枚の絆創膏であっても、しっかり手当がなされれば、また立ち上がれることができるものなのだな……。
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    投稿日:2021.08.09

  • ちゃろちゃす

    ちゃろちゃす

    このレビューはネタバレを含みます

    早くなんとかしなければ。このままでは息子とセックスしてしまいそうだ。

    冒頭の一行が衝撃的。

    志津も相当歪んでる(というより狂ってる)けど、同情してしまうし、他のどの登場人物にも陰を感じる。

    全ての元凶は志津の父、そして母だろう。
    母は分かっていたと思う。

    和仁も、紆余曲折を経て再婚みたいなおめでたい披露宴挙げてるけど、いやいや、あんたも大概だよ、と怒りを感じてしまった。
    前に読んだ本の影響で、チャールズ皇太子とカミラ夫人みたいに思えた。

    志津と晴一はこれから幸せに生きていけるんだろうか。
    今は5歳だからいいけど、成長したら2人の関係も歪んでしまうんじゃないかな。

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    投稿日:2021.01.31

  • suzuka

    suzuka

    このレビューはネタバレを含みます

    どうにも理解できない感情だった。
    息子が性器を自分のへそに擦りつける、その行為に対しての感情。
    夫がいとこである。
    夫は大学時代の彼女を、この主人公と結婚した頃に妊娠出産させていた。青年になったその子どもと性行為を行う。

    日本でいとことの結婚は違法ではないが、嫌悪感を感じるのが正直なところ。
    さらに夫の子どもと…

    読後感良くなかった。
    自分は好きではなかったが、この本を絶賛する人もいると思う。

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    投稿日:2020.08.24

  • 光文社 文芸図書編集部

    光文社 文芸図書編集部

    40歳の志津は、スーパーで見かけたアルバイトの大学生・理人に近づくため、同じスーパーでアルバイトを始める。夫であり、いとこでもある和仁から「離婚しよう」というメッセージが届いた数日後、志津はバイト帰りの理人を待ち伏せし、強引に車の助手席に誘うが……。夫の不貞。父への憎悪。息子との蜜月。禁断の交わりが行き着く先は――錯綜する愛と性を描く、衝撃の問題作!続きを読む

    投稿日:2020.07.10

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