【感想】光が照らす未来 照明デザインの仕事

石井幹子 / 岩波ジュニア新書
(10件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • yonogrit

    yonogrit

    1056

    女性が社会進出をほとんどしてなかった時代に芸大進学して、世界的な照明デザイナーになった方の本。昔、有名なよみうりランドのイルミネーションデートで行ったことあるんだけど、それも石井幹子さんらしい。あと東京タワーとか

    石井幹子
    都市照明からライトオブジェや光のパフォーマンスまで幅広い光の領域を開拓する、日本を代表する照明デザイナー。国内のみならずヨーロッパ、アメリカ、中近東、東南アジアでも活躍。近年は世界各地で大がかりな光演出照明にも取り組む。東京芸術大学卒業。フィンランド、ドイツの照明設計事務所勤務後、石井幹子デザイン事務所設立。国内外で受賞多数。2000年、紫綬褒章受章

    ほとんどの女性は、大きくなったら結婚して子どもを産んで、 家庭を守るということが当たり前と思われていました。独身の男 性も女性もごく稀で、結婚していないと男女ともに一人前とは思 われないといった風潮もありました。 今は離婚をする人も多いのですが、当時は、ほとんどいません でした。というのは女性の職業が極めて限られていたため、中年 以上の女性は、離婚した後に暮らしていくことができなかったの で、あきらめるしかなかったのです。 私は、独身でいようと思っていたわけではないのですが、結婚 して家庭に入るという道は選びたくなかったのです。もし、仕事 を持たず家庭に入ってしまって、頼る夫に何かあったら、生活す ることができないというのは、とても不安がありました。おそら く、父が亡くなった後の母の苦労を問近に見ていたからでしょ う。

    できれば、長く続けられる仕事、年と共に良くなっていく仕 事、努力が報いられる仕事はないものだろうかと、一生懸命考え たのでした。

    「私が得意なことって何だろう?」 人よりも自分が多少でも勝っていることがあったら、それは将 来目指す道が少しでも有利になるように思えました。 1私は、注意深くクラスメートを見渡しました。次に、上級生や 下級生も眺めてみました。いったい、私の得意なものは何なのだ ろうか?他の人より多少なりとも優れていると思えるようなも のは何なのか。

    でも、手を動かすことは好きでした。モノをつくることも大好 きでした。学科では理科が好きでしたが、これは主にラジオをつ くったり、化学の実験をしたりと手を動かすことに結びついてい たようでした。 1建築には、とても興味がありました。小さい頃、学校の行き帰 りに、木造の家が建てられていく工事を見るのは、とても面白 く、職人さんたちの仕事運びに見とれたものでした。

    得意なことをやるのではなくて、多少得意なことが生かせて、 好きなことを職業として選ぼう。好きなことなら、きっと辛抱し てやり続けることができるだろう。やり続けることが実る、そん な職業が世の中にあるに違いないと、私には思えたのです。 1皆さんも将来の選択に迷った時は、まず、自分の得意なこと、 そして、自分が好きなことは何かを考えてみてください。

    いつか、ヨーロッパの他の国々を訪ねてみたいと思っていた夢もふくらみました。建築や都市、そして憧れの美術館をぜひ見てみたいと、幼い頃から考えていたことが、現実に近づいてきたの です。

    このプロセスはどこの国もほとんど同じなので、こういう力が つけばどこでも働けるわけです。後はスピードです。

    学生とプロの違いはスピードにあると私は思っています。 ゆっくりと時間をかけてデザインをしていくことは教育の過程では許されますが、プロの仕事としては時間が勝負なのです。

    そして、最も大事なことはその人が国際的な視野を持っていな がら、日本のことを知っているかということなのです。日本人と しての教養と美徳をそなえていれば、たとえたどたどしい英語を 生懸命喋っても、その内容が立派なら充分に尊敬されるので
    す。
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    投稿日:2023.10.17

  • soniagandhi

    soniagandhi

    ガラージセールで購入した一冊。
    実を言うと、著者の名前も聞いたことがなければ、見たこともない。この本で初めて知りました。
    ただ、本の帯に課題図書推薦本と書いてあったのが残念。というのは、この本は進路に悩んでる高校生はもちろんのこと、20代30代の世代の人にも必ず役に立つ本だからです。著者も言っていた通り、新卒しか雇わないなんてナンセンスであり、一度社会で働いた人ほど即戦力になる。
    戦後の男尊女卑の時代に、これだけのハングリー精神で新しい道を切り開いた著書には感服であり、それと同時に自分で限界を決めてはいけない、とにかく情報を集め、その道のプロに聞きやってみる。
    残念ながら、まだまだサイエンスの世界、とくにコンピューターや工学系では男性重視の世界は今だ続いています。そして、今だ女性はこの分野では優秀な成績を残せないという輩もいることは現実です。
    この本は、そんな現実に喝を入れてくれる本です。
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    投稿日:2017.07.07

  • kazya2001

    kazya2001

    このレビューはネタバレを含みます

    図書館より。

    照明コンサルタントの更新レポートの参考になればいいかな、と思って。
    役に立つかは不明だが、照明デザイナー石井幹子さんのことがよくわかる一冊。あっさりとしたものだったが、この人スゴい人だぞ(笑)。
    さらりと読了しました。

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    投稿日:2016.08.10

  • psushi

    psushi

    自分の進路を考えるときに、ほかの人の歩んだ軌跡を追うことは、新しく考えることのヒントになり、参考になる。
    石井さんの本は二冊目だが、行動力の高さには本当に驚かされると同時に、まだまだ自分もできる、とがんばる気持ちへの後押しにもなる。

    自分の得たい情報に近そうな協会などに問合せる行動力/別のキャリアをつんでいても、新人は新人/アイデアが腐るので、出し惜しみしない/英語ともうひとつの言語にチャレンジ/海外で、不要だと思われる税は、交渉次第でなしになることもある/握手はしっかり手を握り、人の目を見て話す/石油は照明のエネルギー源としては少量/英語で意見を求められたときに答えられるように、しっかり話を聞く/照明から建物の保存運動が始まることもある/照明デザインも分業が進む/ヨーロッパは歩くため、都市景観照明が進んでいる/日本は世界の2%の人が住む国
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    投稿日:2015.06.19

  • すー

    すー

    情熱大陸を見て著者のことを知った。その時に照明デザインのことを初めて知ったのだが、本まで出ていたので読んでみた。

    この本には自身の生い立ちから照明デザインの仕事をするに至った経緯など、様々なことが書かれていた。もう少し「光」とか「光をデザイン」することについて詳しく書かれていたらより良かったなぁ~と思ったが、でも読んでいて面白かった。それにしても著者の行動力はすごい!の一言。
    自分の知らない世界をまた一つ知ることが出来た。
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    投稿日:2012.05.31

  • kaobulog

    kaobulog

    どんどん、海外にでよう!
    そして、自分を振り返ろう。
    狭い世界に閉じこもってはいけないなぁ。

    行動しなきゃ。

    投稿日:2011.09.10

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