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村上春樹 / 新潮文庫 (57件のレビュー)
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く
結局のところ、小説を読むという行為は、その作家を信頼できるのかという点に懸かっている。わたしはこういう文章を書く人間を無条件に信頼する。だから、村上春樹の小説を大切に読む。そういうことだ。
投稿日:2023.11.27
ムッネニーク
94冊目『村上春樹 雑文集』(村上春樹 著、2015年11月、新潮社) 小説家デビュー時から近年まで、村上春樹が書いたエッセイや超短編小説、文学賞受賞時の挨拶など、単行本未収録の雑多な文章を一つ所に纏…めて収録したもの。 ものすごくマニアックな内容で、村上春樹のコアなファンに向けられたものではあるのだが、一つ一つの雑文は短いながらも読み応えがあり退屈しない。 巻末には安西水丸×和田誠の対談が収録。 〈もしここに硬い大きな壁があり、そこにぶつかって割れる卵があったとしたら、私は常に卵の側に立ちます〉続きを読む
投稿日:2023.10.25
MIKI
もー、いちいち良い人が滲み出すぎてるんだよなぁ、村上さん! 皮肉とユーモアと世辞の割合が絶妙にうまくて、読んでいても暖かい気持ちになる。 村上春樹が語る安西水丸にも、安西水丸が語る村上春樹にも、友情を…感じるとは和田誠さん談。 良い小説家とはどうあるべきか、という考え方についても、またお洒落な表現で、そして納得できる。 この世界の構造のようなものを、村上春樹というフィルターを通して、現代の最新版を見られるということに感謝。 安西水丸さんも和田誠さんも他界してしまったので。続きを読む
投稿日:2023.09.25
ハイジ
再読 小説の方は残念ながら卒業したのだが、エッセイは相変わらず好きである なぜだろうか ちょいと分析してみることに ・独創的 ・思考力が深い とことん考え抜く ・マイノリティを誇りに突き進…む 周りなんて気にしない ・自分自身の世界が豊か 幸せオーラがある ・もちろんユーモアがある ・闇が見え隠れする精神が健全な肉体でしっかり相殺されている 私自身もマニアックなことが好き、人と違うことに夢中になる、一人で深堀する… そして一人っ子である 若い頃は共感できる人間がちっとも周りにおらず、なかなか辛いことも多かった そんな時結構救われたのである もはや今となっては辛いどころか誇らしくもあるのですが(笑) というわけで共感することが多いのです そして気取ってなくて居心地が良い 気合いを入れず読める (春樹流にいうとパスタを箸で食べちゃう感じ?) そしてこの雑文集であるが今までのエッセイに比べると一つ一つがちょっと長い そのためいつもよりちょっと気合がいる(笑) 名前の如くテーマは様々で、あいさつ、スピーチから大好きな音楽について、「アンダーグランド」にまつわる話、翻訳について、人物について、質問コーナーなどなど 雑多ながら方向性が多様で面白い ちょこちょこと隙間時間に楽しめた 続きを読む
投稿日:2023.08.04
なおたん
村上作品をそうたくさん読んでいるわけではないけれど、この本の文章も含め、村上さんの書かれる文章を読むと、なぜかすっと背筋を伸ばしたくなる、 ソファにだらしなく座っていては、村上作品を読めない気がする。… その文章から感じられるリズムは、決して派手ではないけれど、タメの効いたハイハットとうねりを感じるスネア。 最近の作品はまったく読めていないけど、このリズムは健在なのかな。続きを読む
投稿日:2023.07.25
じゅう
「村上春樹」の雑多な作品を収録した『村上春樹 雑文集』を読みました。 「村上春樹」作品は1年ちょっと前に読んだエッセイ集『やがて哀しき外国語』以来ですね。 -----story----------…--- 1979-2010 未収録の作品、未発表の文章から著者自身がセレクトした69篇。 デビュー作「風の歌を聴け」受賞の言葉。 エルサレム賞スピーチ「壁と卵」。 『海辺のカフカ』中国語版に書いた序文。 ジャズ、友人、小説について。 そして二つの未発表超短編小説。 「1995年」の考察、結婚式のお祝いメッセージ。 イラスト・解説対談=「和田誠」・「安西水丸」 ----------------------- 肩の力を抜いて気軽に読める作品はないかな… と思いながら書棚を探して選んだ一冊、、、 ちょっとひねくれた視点でリズム良く綴られる「村上春樹」の文章(本作品に収録されているのはエッセイだけではないので"文章"って表現にしました)が、好きなんですよねえ。 ■前書き――どこまでも雑多な心持ち ■序文・解説など ・自己とは何か(あるいはおいしい牡蠣フライの食べ方) ・同じ空気を吸っているんだな、ということ ・僕らが生きている困った世界 ・安西水丸はあなたを見ている ■あいさつ・メッセージなど ・「四十歳になれば」 ――群像新人文学賞・受賞の言葉 ・「先はまだ長いので」 ――野間文芸新人賞・受賞の言葉 ・「ぜんぜん忘れてていい」 ――谷崎賞をとったころ ・「不思議であって、不思議でもない」 ――朝日賞・受賞のあいさつ ・「今になって突然というか」 ――早稲田大学坪内逍遥大賞・受賞のあいさつ ・「まだまわりにたくさんあるはず」 ――毎日出版文化賞・受賞のあいさつ ・「枝葉が激しく揺れようと」 ――新風賞・受賞のあいさつ ・自分の内側の未知の場所を探索できた ・ドーナッツをかじりながら ・いいときにはとてもいい ・「壁と卵」 ――エルサレム賞・受賞のあいさつ ■音楽について ・余白のある音楽は聴き飽きない ・ジム・モリソンのソウル・キッチン ・ノルウェイの木を見て森を見ず ・日本人にジャズは理解できているんだろうか ・ビル・クロウとの会話 ・ニューヨークの秋 ・みんなが海をもてたなら ・煙が目にしみたりして ・ひたむきなピアニスト ・言い出しかねて ・ノーホェア・マン(どこにもいけない人) ・ビリー・ホリデイの話 ■『アンダーグラウンド』をめぐって ・東京の地下のブラック・マジック ・共生を求める人々、求めない人々 ・血肉のある言葉を求めて ■翻訳すること、翻訳されること ・翻訳することと、翻訳されること ・僕の中の『キャッチャー』 ・準古典小説としての『ロング・グッドバイ』 ・へら鹿(ムース)を追って ・スティーヴン・キングの絶望と愛――良質の恐怖表現 ・ティム・オブライエンがプリンストン大学に来た日のこと ・バッハとオースターの効用 ・グレイス・ペイリーの中毒的「歯ごたえ」 ・レイモンド・カーヴァーの世界 ・スコット・フィッツジェラルド――ジャズ・エイジの旗手 ・小説より面白い? ・たった一度の出会いが残してくれたもの ・器量のある小説 ・カズオ・イシグロのような同時代作家を持つこと ・翻訳の神様 ■人物について ・安西水丸は褒めるしかない ・動物園のツウ ・都築響一的世界のなりたち ・蒐集する目と、説得する言葉 ・チップ・キッドの仕事 ・「河合先生」と「河合隼雄」 ■目にしたこと、心に思ったこと ・デイヴ・ヒルトンのシーズン ・正しいアイロンのかけ方 ・にしんの話 ・ジャック・ロンドンの入れ歯 ・風のことを考えよう ・TONY TAKITANIのためのコメント ・違う響きを求めて ■質問とその回答 ・うまく歳をとるのはむずかしい ・ポスト・コミュニズムの世界からの質問 ■短いフィクション――『夜のくもざる』アウトテイク ・愛なき世界 ・柄谷行人 ・茂みの中の野ネズミ ■小説を書くということ ・柔らかな魂 ・遠くまで旅する部屋 ・自分の物語と、自分の文体 ・温かみを醸し出す小説を ・凍った海と斧 ・物語の善きサイクル ■解説対談 安西水丸×和田 誠 ■文庫版のためのあとがき 村上春樹 全体的に愉しめましたが… その中でも、音楽に関する文章は特に面白く読めましたね、、、 「ホレス・シルヴァー」、「セロニアス・モンク」、「マイルス・デイヴィス」、「アート・ブレイキー」等々、久しぶりにジャズが聴きたくなりましたね… しかも、できればCDやスマホじゃなくてLPレコードで、LPレコードの持つ、あの独特の雰囲気を久しぶりに味わいたくなりました。 もちろん、ロック/ポップスも大好きなので、「ザ・ビーチ・ボーイズ」、「ザ・ビートルズ」、「ジム・モリソン(ドアーズ)」、「ボブ・ディラン」等々も聴きたくなりました… そもそも、最近、ゆっくり音楽を愉しむことができていないよなぁ、、、 あと、久しぶりに「スティーヴン・キング」の作品も読みたくなりました… 共感できることや、音楽や書籍について再発見することもあり、愉しめる一冊でした。続きを読む
投稿日:2023.04.07
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