【感想】ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

阿部公彦, 沼野充義, 納富信留, 大西克也, 安藤宏, 東京大学文学部広報委員会 / 集英社新書
(7件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 改野由佳

    改野由佳

    だいぶ前から気になっていた、読解力と注意力の関係。自分が教えながら感じていたことが、やっぱりそうだったんだと再認識できた。

    投稿日:2021.07.23

  • Pompeii

    Pompeii

    2021/4/24

    ことばはもとより、文学の在り方に何度もハッとさせられた。文学を読むことは訳の分からない作品の世界に入り、その世界のコンテクストを想像し、理解すること。文学はそういう力を陶冶するんだ、と。これがひいては他者理解の助け、そして世界理解に繋がるのではないか。

    ことばは誤解に満ち、表現したいことを表現できない不器用さを備えているが、その前提を理解しなきゃいけないんだと思う。昨今、すぐに役立つとか、すぐに稼げるとか目先のものを追求する態度が人気を博しているが、そのために何かをツール化することは自分が何かのツールと化すことになってしまう。そこには納富先生の言う魂はありえない。
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    投稿日:2021.04.24

  • shinyamorisaki

    shinyamorisaki

    大学入試改革で「論理国語」と「文学国語」を分けていることから、文学は論理的ではないと国や経済界は思っているのではないかと感じる。
    しかし、文学(小説)を解するためには徹底的に論理的に読む必要があり、文学に論理性がないとは到底いえない。また論理国語とされる試験問題からは、文章の意味は一義的に定まるという考えが読み取れるが、そもそも人間の用いる「ことば」というものは複雑で、文脈や時代の情勢を織り込まないことには意味が正確に取れず、また受け手側のスタンスによっても意味の取り方が変化しうる。
    そのため、文学を取り出して囲い込むことは幾重にも間違った政策判断であるように思える。
    以上が本書を読んだ感想である。
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    投稿日:2021.02.09

  • いっくん

    いっくん

    英語も国語も実用重視という気持ちは分かるが、
    若者たちの何ができていなくて、
    今後何を期待したいのか政府も企業側も明確に分かっていないから迷走するのではなかろうか。

    若者たちだからこそ持つ力やリテラシーには
    簡単に甘えて労働力にするけど
    昔ながらの仕事のこなし方に順応しなかったり
    政府や企業が期待する方向性にハンドリング
    ができないから
    実用的な力がないんじゃないの、
    というのは違う気が...
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    投稿日:2021.01.16

  • NORIS

    NORIS

    昨秋行われた東大でのシンポジウムの採録。英語の阿部公彦、スラヴ文学の沼野充義、哲学の納富信留、中国文学の大西克也、それぞれの話+ディスカッションで、どの人の話もなるほどと思うところ(あたらしい共通テストや学習指導要領への疑念や危機感)と、そうかなと思ってしまうところ(とくに新井紀子氏の「RST」への見解がきびしく、そこまで敵視することがあるのかと疑問に思った)がある。
    「ことばの危機」というタイトルが象徴するように、「国語」や「英語」といった学校の教科教育をはじめ、言語能力(読解力)や言語教育のありかた、文学や古典などの教養教育への危機感や志はみなそう違わないはずなのに、一枚岩になれずいろんなところで断絶が感じられるのがなんとももどかしい。
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    投稿日:2020.07.31

  • akira_sapporo

    akira_sapporo

    経済優先の世の中では数値化できないものが切り捨てられていく。そんな恐ろしさを新・大学入試共通テストのプレテストから感じてしまう。
    恐ろしさを感じると同時に、ここで語っている東大の5名の教授の言葉には胸を打たれるものがあり一筋の希望が見えてくるようだった。
    ことばの危機はことばだけの問題ではないことを改めて気付かされる一冊。
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    投稿日:2020.07.28

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