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末木文美士 / 岩波新書 (3件のレビュー)
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y-mitsu
日本古代から現代に至る様々な思想を構造化して一つの枠組みとして捉えることを試みている。本書では、日本思想における大きな枠組みを王権に関する思想(政治思想)と神仏に関する思想(宗教思想)を設定し、両者の…緊張関係の間に文学や芸能などの思想が位置づけ、これを大伝統としている。大伝統は主に中世に出来上がった枠組みであるが、古代はこの枠組みができるまでの黎明期、近世は世俗化やキリスト教、儒教などの要素が含まれつつもこの大伝統の枠組みで説明できるとする。 明治以降は王権と神仏を中心とする枠組みから天皇を頂点とする一元的な枠組みに転換し、大伝統が崩壊する。著者はこれを中伝統と名づけている。第二次世界大戦での敗戦によってこの中伝統の枠組みも崩壊することになるが、本書では主に大伝統、中伝統の解説に紙数を割いている。 このように大きな枠組みの中で日本の思想を捉えようとすると、それぞれの時代の思想は前時代の影響を受け、あるいはその積み重ねの上にあり、現代においても例外でないことに気付かされる。続きを読む
投稿日:2023.10.09
norinabe398
日本思想史をコンパクトにまとめている良著。日本の三段階を、明治維新、敗戦で区切っているところがポイント。基本的にバランスよくまとめてあると思う。
投稿日:2020.03.15
どらどら
通史としてもしっかりまとまっているし、1つの流れとして思想史を捉えなおそうという試みはかなり面白い。 とくに、中伝統の思想的不安定性の原因についての考察は素晴らしかった。 ただ、もともとかなりのレベ…ルの日本史知識を持っていないと難しい気がする。続きを読む
投稿日:2020.02.10
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