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前間孝則 / 草思社 (2件のレビュー)
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hiro-9
身を震わせる思いで読み終わった。富嶽という幻に終わった軍用機を中心に日米が大東亜戦争における技術の驚愕の進歩を描いているのだが、この中にもう40年以上も前になる大学時代に教わった先生がほぼ準主役ででて…くるのである、その情景が目に浮かぶとともに世界は1つになって航空機を作っている現実が今にある。続きを読む
投稿日:2020.07.08
Y.K
太平洋戦争で劣勢になった日本軍が、戦局の打開を狙って開発しようとした大型爆撃機「富嶽」の開発を巡るノンフィクションの下巻。 下巻ではアメリカにおけるB29の開発状況、戦局の進展に伴い次第に実現の可能性…が消えてゆく「富嶽」開発計画の推移を、終戦の時点まで追っていきます。実用化され戦局に多大な影響を与えたB29と、計画だけに終わった「富嶽」の違いを生んだのは、日本とアメリカとの航空機産業の裾野の大きさ、積み重ねてきた経験の質と量の差であることが多くの証言と共に解説されています。 本書は1991年に単行本として出版され、1995年に講談社文庫で発刊、そして2020年に3度目となる草思社文庫からの発刊となります。太平洋戦争期の航空機技術を辿る大作ですが、発刊された時代背景によってその位置づけは大きく異なります。本書には3度の発刊にあたっての”あとがき”が3回分収録されており、実はこれが一番の読みどころではないかと感じました。 太平洋戦争で劣勢であった日本軍が戦局の打開を狙ってアメリカの主要都市の爆撃を企図したのは、現代のアメリカに対して劣勢となっていた武装組織が起死回生を狙った2001年の同時多発テロと構図が同じなのではないか、という著者の分析には説得力があります。 また生活を豊かにする身の周りの技術の源流が軍事技術であるケースが多かったのに対し、現在は軍事と民生の境界が曖昧で、”軍事技術に繋がるから”という一点だけに拘って科学技術に対する思考を避けていると、世界の技術開発の潮流から孤立してしまうという問題点も鋭く指摘されています。 軍事=一部の軍事オタクもの、軍事=忌避すべきもの、といった思い込みが結構多い日本で、腰を据えてその技術や時代背景を描く著者の姿勢に、改めて共感できたノンフィクションでした。続きを読む
投稿日:2020.06.09
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