【感想】女流阿房列車(新潮文庫)

酒井順子 / 新潮文庫
(16件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
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ブクログレビュー

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  • saga-ref

    saga-ref

    タイトルからも判るとおり内田百閒にインスパイアされた、馬鹿馬鹿しくも羨ましい鉄旅。根底に流れるのは著者の宮脇俊三氏に対するリスペクト。これはもう自分にとっても最高の本だ。この中のどれをやるにしても、お金と時間と体力を要し、二の足を踏むものばかり。時刻表の上で旅を楽しむように、本書で疑似体験をするしかないのだな〜。続きを読む

    投稿日:2017.08.31

  • tko.m

    tko.m

    東京の巨大なメトロネットワーク、1日で全部乗ることはできるのか?
    膝栗毛よろしく、京都まで53回の乗り継ぎで辿り着けるのか?
     
    乗り鉄マニア的には興味津々のテーマがずらり。コレをガチの鉄道ファンが書くととんでもなく濃い紀行文が出来上がるのですが、筆を執るのは絶景区間でもぐっすり眠り込むことに至福を感じてしまう、実にソフ鉄な酒井順子女史。
     
    どんなハードスケジュールを突きつけられても、のらりくらり。さらさらとマイペースに旅を楽しむ姿は、まさに大人の余裕です。
     
    ご本人も触れている通り、スタイルは宮脇俊三「旅の終りは個室寝台車」に近いのですが、書く人が違うとこんなに違うものなのですねえ。当たり前ですが。
     
    それにしても、相変わらず原先生の同属嫌悪は酷いですな。
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    投稿日:2016.09.18

  • kazubook21613

    kazubook21613

    自分では全く旅をしない。金も暇もないわけではない。単なるものぐさであるだけ。

    要するに読み鉄。百閒、宮川、原そして、酒井。
    なぜ、この分野はこんなに面白いのだろう。日本中が新幹線だらけになり、寝台特急が消え、ローカル線がなくなっていくと、私の楽しみも消えてしまうのだろうか。

    自分の重い腰が上がった時、まだまだ沢山の列車が走っていることを切に祈る。
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    投稿日:2015.11.21

  • yorkmarkangel

    yorkmarkangel

    初めて読む作家さんの旅エッセイ。読んでみて気付いたが、『負け犬の遠吠え』で有名な酒井順子さんだった。
    読みやすく丁寧な日本語を使う作家さんだな、という印象。エッセイほど文章の上手い作家さんじゃないと難しい。
    鉄人の決めたスケジュール通りに自称「ゆる鉄」の酒井さんが鉄道の旅をする。もちろん仕事の一環でもあるのだろうが、その時間とお金の使い方は羨ましいの一言に尽きる。
    「東海道五十三乗りつぎ」が面白かった。
    2015/11
    続きを読む

    投稿日:2015.11.14

  • venezia

    venezia

    たとえ車窓からの景色がいかに絶景であろうとも、睡魔にはついつい身をまかせてしまうという、ゆる~い鉄子を自認する酒井順子さんにハードな鉄旅を強いる「小説新潮」の企画シリーズ。全11旅+おまけ1。タイトルはいうまでもなく、内田百閒に全面的に敬意を表したもの。また、随所に今は亡き先達、宮脇俊三氏へのオマージュがほの見える。男もすなる鉄旅を女もしてみんとて旅に出た酒井順子さんと新潮社の編集者K嬢の弥次・喜多旅。恋はないけれど、うまいものには目がない。鉄旅のゆるさは筆力でカヴァーしつつ、読んで楽しい本に仕上がった。続きを読む

    投稿日:2014.01.10

  • より

    より

    この間読む本が無かったのでどこかで購入。面白かったです。百閒先生や宮脇さん、阿川さんと比べちゃうと落ちますが。

    ネットでの時刻表検索機能が出来て以来、どこに出かけるのにも楽になったなあとつくづく思います。時刻表は正直見なれてない人間にはわかりにくいですし、乗換も接続も自分がどのようにどこに行くのかをきちんと把握していないと調べにくいものなので。(勿論、検索して出てきた結果、何でこんなアホな乗換と接続をしなくてはならんのだ、とイライラすることもありますが)
    自分も電車は好きですが時刻表をきちんと読むことも出来ないし生来の出不精なので実際面倒くさいことが嫌いで乗り換えもあまり無い方が嬉しい。行ったことの無い線には乗ってみたいけれども複雑な乗換や手段を講じてまで行きたいとは思わない。…鉄道マニアには到底なれそうにありません。

    私が電車が好きなのはただ単に乗っていれば自分の目指す場所に連れて行ってくれるから、と言う事が一番なのだなあと実感しました。寝ても良いし、車窓を見ても良いし、おしゃべりしていてもお酒を飲んでも大丈夫。面倒な手続きも要らないし、逆の線に乗ればいつでも帰れる。後好きな所は、電車の方がその土地に住む人の生活がわかるような気がするからかもしれません。道路から見えるのは大体同じような家並みと全国チェーンのお店ですが電車だと同じような畑でも植えている作物が違ったり、神社があったり、そこに暮らす人の生活が垣間見えるような気がするのです。

    と言う訳でただ乗る、という行為ってどういうことなのかなあ~と思ったり思わなかったり。それこそ鉄道に乗る理由も千差万別なんでしょうね。そして日本人は同属嫌悪が強いのかな、と思いました。別に同じ鉄道好きを嫌う必要ないと思うんですけどね。何ででしょうね
    続きを読む

    投稿日:2013.02.20

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