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彩瀬まる / 新潮文庫 (28件のレビュー)
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総合評価:
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みけ
短編集ですが、どの話もぞわっとする感じで。 救われる物語なのかもしれませんが、ホラーのような感覚でなかなか読み進められず。 とりあえず、お食事時には読んではいけません。
投稿日:2024.03.30
本
ジメジメしてて闇っぽくて、強い執念みたいな感情が渦巻いている物語だったけど、でもなんか、言葉や理屈では言い表せない優しさや愛だなとも感じた、気がした。愛ゆえに、魂は。という感じ。
投稿日:2024.03.20
四木
タイトルからイメージしていたのは、切なくて静かな物語。実際は、ジメジメしていて、強い感情が渦巻いていました。 生きている者もしんだ者も、どちらも苦しいなんて救いがないです……。せめて、しんだあとすぐに…解放されることを祈ります。本当のところは、とうだかわからないですけれど。 2024/01/15 p.9-79 p.10 “うちの子はまだ一歳じゃないので蜂蜜は食べられません” それはそうですね。わりと有名な話だと思います。 p.11 “私は小中学生向けの個別指導の学習塾の教室を運営している。” わお。教室長! それは大変ですね……。お疲れさまです。 p.11 “たまらなくかわいい。” そこまでお子さんが好きなら、子を望んでいるのでしょうけれど……。パートナーさんが協力的ではないとか、身体の問題があるのでしょうか? p.12 “いやなものばかり目に入る。なにか暗いものでも引き寄せているのだろうか。” それを無意識にキャッチしてしまうきっかけがあったのでしょうね。人は意識の変化によって、収集する情報が変わってきますから。 p.13 “君をさゆりに紹介したかった。” ……ん? お子さんがいらっしゃるのですか? それとも、いた、のですか? p.34 “どんな悪いことを考えても、さゆりの味方だからね” どんな状況であっても、心からそう言えるようになりたいです。自分の醜さを捨てることはできないかもしれないですけれど、反省して、意識していくことはできます。 p.41 “生きていなくてもきっと、愛している。” 子を産んで育てていくことだけが、子への愛情ではないと思います。産まなくても、亡くなっても、愛することはできます。 p.52 “ 「死者が差し出すものは口にするなよ」 「いけないのか?」 「いけない」 ” ダメです。ヨモツヘグイ。人間のせかいに戻れなくなります。 p.61 “「人が来るのは久しぶりだ」” 人間が、ってことですか? 例えば妖怪とかは、よくいらっしゃるのですか? p.75 “運命の糸なんて君の悪いもの” ロマンチックな雰囲気のある「運命の糸」ということばを、ここまでおぞましいものにしてしまうのは……凄いです。 2024/01/16 p.79-164 p.80 “近くに嫌な鳥が棲(す)み着いた。” 何か……虫? この目線の方が人間には感じられないです。 p.84 “考え考え、立てた膝小僧(ひざこぞう)を左右に揺らす。” よく考える人ですね。すてき。きっと将来、とても頭が良くなるのでしょう。 p.88 “見ている対象がぐぐっと近づき、目の前がそれだけになる。”(中略)“それ以外のものは見えない、聞こえない、圧倒的な無音の中でただぼんやりと、きれいだなぁと思う。” 過集中。凄いです。 p.89 “ああ、生まれてしまった。生まれたら、あとは死ぬだけだ。” わかっているのに。死を意識しているのに。ここまで言語化したことがありませんでした。 変わりゆく世の中で絶対に変わらないこと。生きるものの運命。 p.90 “あの子は私のものだ。” こわい……。 一目惚れだとしても、このことばが出てくる思考はこわいです。人はものではありません。あえて言うなら、ほかの誰のものでもなく、ご本人のものです。 p.96 “一日で一番きれいだと思ったものを描くのが習慣になった。” すてきな習慣。毎日見たいです、あなたの絵。 p.96 “食べちゃいたい。” こわい……。カマキリ? p.132 “「生まれ変わったらまた食って」” ……何それ。良いのですか? 凄いものを見てしまった感覚。まさか、純愛だなんて。 p.144 “父親にぎこちない看病をしてもらった” (中略) “学校帰りに良昭を迎えに行くことと、父親の帰宅まで面倒をみることが託された。” 全然家事育児をしてこなかった方なのでしょうね……。仕事人間なのかも。 p.158 “なにを食べさせて貰っているのだろう。” ヨモツヘグイ。死者に差し出されたものを食べてはいけません……。 p.161 “ 「まっくろお?」 振り返った父親は心底わけが分からないといった顔をしていた。 ” 父親には見えないのですね。 2024/01/20 p.164-252 p.168 “深々と爪を突き立てた。” 本当にお母さん……? お子さんを傷つけて平気なのですか? それとも、別のものになってしまったのですか? p.175-199 「明滅」、短編集の中で、この物語が一番好きかもしれません。 自分の顔が醜いような気がしてしまう感覚、わたしの中にもあります。そんな自分を受け入れてくれる人への愛情も。 大きな異常がどうなるのかより、日常を重視している感じがして、好きでした。 p.206 “いくら考えても思い出すことが出来ない。残っているのは、私は私を嫌いだったという苦い印象ばかりだ。” 死後、自分のことが嫌いという感情だけが残るのは厭です……。死は、解放ではないのですか? p.238 “消えたいの。死んだらぜんぶ終わると思ったのに、なんで終わらないの。”(中略)“あのまま消えたかった。” (中略) p.239 “もう生まれてこなくていい” すべて、自分のことばかと思ってしまうくらい、しっくりくることばです。 しんでも終わらなかったら、わたしは酷く傷つくと思います。傷つくのは、生きている間だけで十分なのに……。続きを読む
投稿日:2024.01.20
kiki
生や死がテーマの短編集。 擬音や表現が個性的で、グロテスク。 共通して、この世のものではない存在が登場し、ぬるい悪夢を見ているような心地悪さを感じた。 寂しさ、執着のようなもの、悲しさといった感情に…リアリティがあって目が離せない。 薄暗い負の感情の中に、愛しさや、生に対する思い、希望のようなものが、ぼんやりと光っているような一冊だった。続きを読む
投稿日:2024.01.18
禍腐渦狂紳士タッキー(商業BL感想係)
【生き続けていたら、いつか、あなたが許せないあなたのなかの怪物を、許してくれる人に会えるから。あなたが誰かの怪物を、許してあげられる日がくるから】 生と死、現と夢、獣や鬼・・・・・・などが交じり合う…短編がどれも魅力的で面白かったです。 死んだはずの妻が現れたり、死んだ少女視点だったりと異形や怪異などのホラー要素がありますが、登場人物の誰しもが求める救い。 個人的には【ゆびのいと・よるのふち】が共通点があるストーリー構成・それぞれのキャラたちが迎える結末の違いが印象的で、【眼が開くとき】では青春のほろ苦さ・倒錯的な願望・欲望がたまらなく、【かいぶつの名前】では嘘で塗り固められた少女の切なさや終わらない無限獄から救済されることを願わずにはいられない心に刺さるものでした。 続きを読む
投稿日:2023.10.19
Takuma
よく言われる「読むのが苦しい」たぐいの短編集。その中でおぼろげな希望とか、教訓とかを、”成仏”とともに届けるおはなし。
投稿日:2023.07.31
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