【感想】秘境旅行

芳賀日出男 / 角川ソフィア文庫
(9件のレビュー)

総合評価:

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  • yonogrit

    yonogrit

    1148

    芳賀 日出男
    (はが ひでお、1921年9月10日 - 2022年11月12日)は、日本の写真家、民俗研究家。
    関東州大連生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本・世界の祭り・民族・民俗芸能の写真取材を行った。 1973年、全日本郷土芸能協会を設立[1]。 1985年、株式会社芳賀ライブラリーを設立、取締役会長。 1989年、紫綬褒章受章。 1995年、勲四等旭日小綬章受章[1]。息子の芳賀日向も写真家。100歳を超えても活動している[2][3]。2022年11月12日、老衰のため死去[1]。101歳没。

    死者に会える? 巫女市の実態  恐山 青森県大湊田名部市  青森県下北半島の 恐山 に登ると死者に会える? この話題に興味を持って東京から出かけていく人も多くなった。

    恐山は高さ八二八㍍、頂上の旧火口に静かな湖水を持った死火山だ。この死火山に数万人のお婆さんが登ってきて、 円通寺 境内の地蔵堂のまわりにたむろしている いたこのところへいく。

    「さあ、これを食べて元気をつけなさい」とやはりあわび貝のお皿にのせてすすめてくれた。  そのあわびのどんなにおいしかったことか。海の青さのさなかにあって、私は 象牙色のあわびをいくつもいくつも食べた。これこそ食べられる真珠である。

    私は山王寺を下りて大東町の農村中心地帯へ入って行くことにした。バスで村の集落を通る時注意して見ていると、どの農家も数百羽飼えるパトリー形式やケージ形式の鶏舎を持っている。この道は神楽の写真を撮るために何回も通った道だ。それなのに全く気がつかなかった。旅の認識のひ弱さとはそういうものだ。目的を持たないと何一つ見えないし摑めない。
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    投稿日:2023.08.15

  • nekotuna

    nekotuna

    秘境という言葉には若干の警戒感があるのだが、それでも筆者の写真や文章にはしっかりとした視点があるように感じた。

    投稿日:2023.03.23

  • りさ

    りさ

    作者が各地を訪れた昭和初期の当時でさえ廃れ始めていた、今ではおそらく幻に近い民族行事や風習が描かれた貴重な一作。

    投稿日:2022.10.23

  • towa

    towa

    このレビューはネタバレを含みます

    昭和30年代の日本各地を写真に収めた記録集。農村史でもあり、農業史でもあると思った。
    北海道から沖縄まで、民俗行事や民間信仰の豊かさに興味が尽きない。本書で紹介された各地が現在どうなっているのか、つい調べてしまった。意外にも存続している行事が多いけれど、たぶんイベント化しているんだろうなあ。
    震災後の東北で民俗行事や無形文化財の保存活動が盛んになったけれど、保存させるために従来のしきたりが形骸化したりして、記録することの功罪を考えてしまったことを思い出す。
    北海道の少数民族である、オロッコ族・ギリヤーク族を初めて知った。アイヌだけじゃなかったんだ…。
    あと皇族の証である菊の紋章を使うことを黙認されていた木地屋一族の話も興味深い。
    奄美群島と妻良の写真が個人的には特に好き。

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    投稿日:2022.01.20

  • sagami246

    sagami246

    写真家である芳賀日出男氏の紀行文集。
    本書自体は、2020年1月の発行であるが、元になっているのは、1962年(昭和37年)に発行されたものである。筆者は、本書の中で、昭和30年の初めから10年間かけて2000日間の撮影旅行に明け暮れたと書いている。全国津々浦々に深く入り込んで撮影し、記録をした紀行文集である。
    本書の中で、筆者が訪れ、記録しているのは、人里離れた場所ばかり。筆者は、1962年に書いた「はじめに」の中で「今や日本には秘境などはなくなってしまったと思う」と書かれている。日本全国を知り尽くしている筆者にとってはそうかもしれないが、50年前の人里離れた田舎は、現代の人間からしてみれば、秘境と呼んでも良い場所だと思う。
    日本全国の20か所弱の場所が紹介されている。どれも印象深いものばかりであるが、中でも離島、舳倉島・壱岐・福江島・甑島などの暮らしの紹介は、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしいものである。写真ばかりではなく、文章も味わい深い。
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    投稿日:2021.07.14

  • 1213430番目の読書家

    1213430番目の読書家

    民族写真家が、昭和30年のはじめから10年間掛けて2千日間撮影旅行に明け暮れたその記録。戦後の日本各地の人々の暮らしや民族行事が紹介されており、当然ながら写真か素晴らしい。網走オロッコ族、恐山、舳倉島(海女さんの楽園)、甑島、沖永良部島、四国のさいはて石垣の村外泊(私の故郷に近く、出身の友だちもいました)等面白かった。続きを読む

    投稿日:2020.09.15

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