【感想】誰も見ていない 書斎の松本清張(きずな出版)

櫻井秀勲 / きずな出版
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • tosyokan175

    tosyokan175

    この夏、NHKのBSで松本清張の「けものみち」の再放送を見ました。和田勉の演出も大きいと思いますが東京オリンピックの前の物語とは思えないド迫力。探偵小説を推理小説に変え、社会派というジャンルを確立し、小説でしか書けない歴史の推論を突き進んでいった昭和戦後のベストセラー作家は、社会の変化に風化されるどころか、21世紀になっても令和になっても常に召喚され続けています。芥川賞作家でありながら私小説には目もくれずエンターテインメント満載のド太い創作を続けた大作家。まるでバルザックかドストエフスキーのように時代を超えて読み継がれるのは人間の欲と不運をあのギョロメで凝視していたからなのかもしれません。それが出来たのは作家自身がコンプレックスとジェラシーをエネルギーとする人だったから?そんな大作家が作家になりたてで、まだ東京に出てくる前から編集者として担当してきて、そして「波の塔」を連載させて自分が編集長をやっていた女性自身の部数を10万部上げた著者の「俺だけが知っている松本清張」。ここで描かれる松本清張も十分、濃いですが、そんな清張を俺だけが知っている、あるいは清張にとって自分は特別な存在なんだとアピールする著者も、結構コッテリしています。メチャ受けたのが清張との男と男の約束で「40年間この道で働いていこう」と言われたことを著者が編集者やめて作家になって40年、95歳まで書き続けて清張さんに「約束守りましたよ」を報告するのが楽しみだ、という件と、松本清張のように自分以外は見ていない書斎の中の作家として他に、川内康範、三島由紀夫、五味康祐についても書く時期が来たら書きたいと思っている、という件。89歳、時期が来たらっていつだよ、と思いつつ、本当に書くかもな、とも感じます。著者のパワー満載の本でした。調べたら出版元のきずな出版、著者が社長やっている会社でした。続きを読む

    投稿日:2020.08.30

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