【感想】新装版 少年少女の仏教 生きるって、なに?

土屋 昭之 / 朝日新聞出版
(1件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • megumi sekine

    megumi sekine

    これは、お坊さんが少年少女のために分かりやすく仏教を説いた本。
    高校3年の時に読んで、おもしろくてずっと借りっぱなしだった。

    納得させられる素晴らしいお話ばかりだが、中でも”ほとけさまのことば”という部分が好きだった。これは金沢のあるお寺の坊守さん(住職の奥さん)が書かれたものらしい。『おまえはおまえでちょうどいい』というその文章に、当時どれだけ救われ、癒され、温められたか。


    お前はお前でちょうどよい
    顔も身体も名前も姓も それはお前にちょうどよい
    貧も富も親も子も 息子の嫁もその孫も
    それはお前にちょうどよい

    幸も不幸も喜びも 悲しみさえもちょうどよい
    歩いたお前の人生は 悪くもなければ良くもない
    お前にとってちょうどよい

    地獄へ行こうと 極楽へ行こうと
    行ったところがちょうどよい
    うぬぼれる要もなく 卑下する要もない
    上もなければ下もない
    死ぬ日月さえもちょうどよい

    ほとけ様と二人づれの人生 ちょうどよくないはずがない
    これで良かったと戴けた時
    億念の信が生まれます



    すばらしいでしょ。
    それから、仏教の根本的立場ともいえるお釈迦様の教え、”中道”-この理念がまた本当にすばらしくて。
    簡単に言うと、”両極端を離れることによって得られる、かたよっていない中正の道”ということ。
    現在のめぐは、この考えのもと生きてます。

    こんな話も。
    思い通りにならないことがありがたいという思想-結婚式でこんなスピーチをした人がいたそうな。号泣もんですよ。
    『ご結婚おめでとうございます。結婚というものは、良いもんですよ。人として生まれて、やっぱり結婚しなきゃいかん。結婚は良いもんである。どうして良いかというと、自分の思い通りにならない人がいつもそばにいてくれて、そして人間になっていくからです。』



    ”どうして良いかというと、自分の思い通りにならない人がいつもそばにいてくれて、そして人間になっていくからです。”



    今でもたまにこの本を手に取ると、ゆっくり、ゆっくり、体中をきれいな血が循環してくれる気がする。つま先から頭のてっぺんまで、大地や天を感じて、そしてすがすがしい優しい空気が通り抜けていくような気がする。
    青春時代に偶然見つけた、これからもずっと大切にしたい本です。
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    投稿日:2010.03.05

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