【感想】ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION

佐宗 邦威 / 日経BP
(22件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • しゃおいえ

    しゃおいえ

    機械型組織のなかで生き物が生息するのは大変。
    1人の妄想は大事だが、やはり仲間がいないと生き残れない。
    1.5歩先って本当に難しいんだよなぁ。

    『分かっちゃいるけどやめられない』
    情けないけど、機械型から抜け出せず、植木等状態の日々。続きを読む

    投稿日:2022.02.20

  • tetsumagari

    tetsumagari

    佐宗さんもP&Gご出身です。個人の「妄想」からビジネスを育てていく手法を述べた本です。
    まずは個人の「妄想」に過ぎないアイデアを、どうやって大きく育てていくのかについて、日本人らしい手法を織り込みながら述べた本。
    「妄想」の重要性、組織よりも個人に戦略が依存するというような考え方の部分は非常に面白いと思いました。
    「妄想」の発想手法については、「直観と論理をつなぐ思考法」という著作の方に詳しく書かれています。
    続きを読む

    投稿日:2021.11.13

  • Tomota

    Tomota

    イノベーションは、個々人による創造からしか生まれない。“ひとりの妄想”を基に変革を起こし、未来を変えていくための「創造の智慧」を説いた書籍。

    イノベーションは、トップダウンで始まったり、イノベーションを促進させる“場”がなかったりすると、うまくいかない。

    イノベーションは、生き物の生態系を育てるようなもの。
    個人の思いを起点に、場をつくり、ビジョンを発信し、新たな生態系を形成する。そのためには、次のような智慧が必要。

    ・ともに企たくらむ「仲間」をつくる:
    新規事業は計画が頻繁に変わる。これに耐えうるのは、互いにやりたいことを共有する少数精鋭の仲間。従って、まず3~4人の仲間をつくる。

    ・辺境に眠る妄想を発掘する:
    出世コースではないマイナーな事業や部署(辺境)にいると、会社に縛られず、自由に
    新しいことを試しやすい。デキる人材の中でそれを知っている人は、あえて辺境にいることがある。

    ・「場」と「間」をつくり出せ:
    イノベーション活動の初期には、多様な人が交じり合う場をつくるとよい。この場で
    即興でしゃべったりすることが、創造の源泉となる。

    ・「創発」を生みやすい土づくりをする:
    お互いを深く知り、何でも話せる関係をつくる。そうすることで、新たな視点が生まれやすくなり、チームとしての思考の質が上がる。

    ・個々人の意志をベクトルにしたビジョンづくりを:
    「創造する組織」では、トップでなく、各社員が意志を示すことで方向性が決まる。よって、これに応じたビジョンをつくる。

    ・「独創」を最大化する「共創」を仕込め:
    個々人が自らの内面に向き合い、考える“独創力”と、アイデアの実現に向け、衆知を集め議論する“共創力”を育む環境を整える。
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    投稿日:2021.07.16

  • jerico

    jerico

    ある程度大きい組織に所属している人向けかなという感じもするが、個人の妄想を起点として、組織を経て経営に至るまでに必要なヒントを教えてくれる。

    投稿日:2021.05.12

  • syamada

    syamada

    これからの時代に合った、イノベーションの起こし方のヒントを教えてくれる1冊です。経営陣が全ての情報を持って正しい意思決定をする時代は終わり、多様な人が新たなものを生めるような環境をつくり、新たなチャレンジをする人を引き上げていくことなどが、次世代型のリーダーの大きな素質になっているとのことです。変化の激しい時代で、どう新たな価値を生み出すかを悩んでいる経営者の方などに、新たな気づきを与えてくれるはずです。

    【気づき】
    ・サラリーマンは歯車であり、出しゃばりすぎるとうまくいかない。そういった人がそのまま起業したり、新規事業を起こそうとしてもうまくいかない。サラリーマン自身も変化が必要だし、新規事業を起こすのであれば、変化を促す仕組み作りを経営層が考え続ける必要がある。
    ・日本企業はトップダウンで変化の必要性を訴え、ボトムアップでの取組が生まれ、それをトップが引き上げるという、トップダウンとボトムダウンをうまく両立させるモデルが有効のようだ。どちらか一方に偏らないバランス感覚が欲しい。
    ・現場側は、歯車でなく、生身の妄想や感情を持った人として、自分の心に正直に、直感で面白いと思ったことをやり続けることが、結果的に新しいものを生むことにつながっていく。経営層が、失敗を許容し、チャレンジを続けられる環境を作る必要がある。結果が出ない中でも、将来を見据え、ぶれない姿勢を貫けるかにかかっている。

    【本のハイライト】

    ・人間は一人ひとりが創造性を持つ。皆が持つ妄想を起点に、創造力を引き出していく。生き物が、生き物として生きられる環境を作ることが、多くの人々の人生を彩り、創造を生むはず。次は自分の妄想を具体化する場を、自分の手で作る。
    ・今後、日本のいたるところで変革の知恵が必要になる。あらゆる産業、地域でまずは一歩前に踏み出す人が増え、仲間と一緒に次世代のビジョンが体現された商品、サービス、会社が増えていく必要がある。
    ・生産する組織から創造する組織へ。多様性による持続的知識創造の最大化を目指す。駆動の仕方:内発的動機を生む人。価値のつくり方:創発する場。方向性の決め方:ボトムアップで生まれる意志。業務の回し方:新たな知識をともに生む創造。

    〇創造の生態系を生むレシピ
    ・イノベーション活動は、一人ひとりの個人の創造からしか生まれない。自分がゼロから作った会社は、自らが新しいアイデアを生み続けなければ死んでしまう。だから生き残るために必死でやるし、自分の中から生まれてくる創造のエネルギーがその原動力となる。
    ・サラリーマンは歯車であり、出しゃばりすぎるとうまくいかない。そういった人がそのまま起業したり、新規事業を起こそうとしてもうまくいかない。
    ・困難があっても止まらない取り組みには共通のパターンがある。かたちになっていくイノベーションは生き物の生態系を育てていくようなもの。妄想家の個人の強烈な想いを起点に、場を作り、ビジョンを発信し、そこに新旧のさまざまなプレイヤーを巻き込んだ新たな生態系を形成し、創造しながら社会に変化を起こす。

    〇辺境に眠る妄想家に仲間との出会いを(人)
    ・大企業であっても、主観を大事にする生き物型OSへの転換は時間をかければできる。
    ・歯車だった人がイノベーターになっていくには、まず独創によるビジョンをつくるフェーズ(0→1)、共創によるコンセプトづくりフェーズ(1→10)、協業によるビジネスモデルづくりフェーズ(10→100)、分業による経営モデルフェーズ(100→∞)という成長段階を踏む。
    ・妄想を引き出し、熱を吹き込むこと、ともに企む仲間をつくること、組織の辺境に眠る妄想を発掘すること、組織外の仲間から自信をもらうことの4つが重要。

    〇次のアタリマエを育てる土壌をつくる(場)
    ・既存事業は、同じアウトプットを再現性高く、ミスなくつくるというOSで設計されており、新たなものを生み出すために必要な遊びや失敗が悪とされる。「一見ムダに思えるもの」に人材を投資するには、一定の割合のリソースを常に新規に張ろうという経営者の意思決定が必要。
    ・場は、秩序を壊すための新たなスペースになる。新たな場が存在しないと、新たな秩序は生まれない。
    ・場と間をつくり出すこと、創発を生みやすい土づくりのため、関係性のデザイン、創発したくなる環境のデザイン、コミュニティをデザインするリーダーシップの発揮を重視すること、情報の全体像を可視化すること、時代のうねりをとらえる1.5歩先の旗を立てることが大事になる。

    〇根のある生きた意義を発信する(意志)
    ・技術による社会変化のスピードの加速化、意義にお金を払うミレニアル世代の市場への参入、社会の分断が問題化する中での社会価値の創造の企業価値化、によって、「何のためにやっているのか」「どんな社会を実現しようとしているか」という意義が社会に浸透している会社が好感度が高い。
    ・生きた理想像やベクトルは、創造期には存在するが、どこかで死んでしまう。売上・利益のような客観的な指標では語れない、自分にとっての意味や社会にとっての意義という主観的な意思を込める機会が欠如しているのが理由。個々人の意志をベクトルにしたビジョンづくり、過去-現在-未来をつないだ新たな文脈づくり、言葉と物語によって魂を入れた意志にする、会社のタイプに合わせ意志をブランド化することが大事になる。
    ・よいビジョンをつくり、素晴らしいストーリーテラーであるだけでは十分と言えず、そのビジョンストーリーが組織の中や社会で、感じ、再解釈され、何かしら実行されることで、生きたものになる。そのためには、意味を生み出していく場が必要。一人ひとりがストーリー化したものをチームで話しあい検証し、意味付けしアップデートしていく。

    〇自分たちらしい創造の型をつくるべし(創造)
    ・創造サイクルは、独創と共創の組合せと繰り返しにより、突然変異を生んでいくことに本質がある。顧客起点のユーザー体験づくりやBtoBのサービス・ソリューションデザインなど、1~3年の短期に市場の声を拾う形のプロジェクトには適する。長期プロジェクト、プロダクトアウト(つくり手起点)型のプロジェクトは別の方法が必要。
    ・デザイン思考を入り口に、独創と共創の バランスをとりながら知識創造のプロセスをデザインできるようになると、その先、あらゆるプロジェクトに合わせて最適な方法論をカスタマイズできるようになっていく。
    ・まずビジョンをつくる。それからコンセプトをつくり、社会実装モデルをつくることで、ビジョンをかたちにする。

    〇機械型組織のツボを突き、新たなモデルを接木する(革新)
    ・企業内イノベーターにとって特に大事な要素は、顧客調査や実験調査に基づくアプローチ、個人の想いや意義に昇華させる、組織のビジョン・DNAに立ち戻るの3つ。
    ・典型的な滞りのパターンは、内製の壁(囲い込み)、サイロの壁(縦割り)、ミドルマネジメントの岩盤、事業部長の岩盤、理念の形骸化といったものがある。
    ・日本企業はトップダウンで変化の必要性を訴え、ボトムアップでの取組が生まれ、それをトップが引き上げるという、トップダウンとボトムダウンをうまく両立させるモデルが有効ではないか。

    〇創造する組織
    ・経営陣が全ての情報を持って正しい意思決定をする時代は終わった。不確実な時代における経営には、「会社の思想や哲学などの存在意義を常に巻き込みながら問い続ける」「多様な人が新たなものを生めるような環境をつくり、新たなチャレンジをする人を引き上げていく」「創発が生まれやすい環境づくりにコミットし、戦略や戦術は現場の創発に委ねる」ことが求められ、それが次世代型のリーダーの大きな素質になる。
    ・現場側は、歯車でなく、生身の妄想や感情を持った人として、自分の心に正直に、直感で面白いと思ったことをやり続けることが、結果的に新しいものを生むことにつながっていく。そういうワクワクするライフスタイルをつくることが必要とされている。仲間を巻き込めれば、不可能が可能になるかもしれない。
    ・うまくいっている大企業は、機械的組織の中に、生き物が生息するスペースをつくってバランスをとっているケースも多い。
    続きを読む

    投稿日:2021.01.14

  • 智宏

    智宏

    論理的に考えること、客観的に考えることのデメリットを感じた。主観的、自分の思い、妄想を膨らませること、そのための手法について学べた。これこそ、実践しないと読んだ意味のない本だと思う。自分のメモ帳から始めたい。続きを読む

    投稿日:2021.01.10

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