【感想】深淵の怪物

木江恭 / 双葉社
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
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ブクログレビュー

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  • うえけん

    うえけん

    表題作は面白かった。
    登場人物がそれぞれのトラウマを抱えて苦しんでいる様子が分かる。動機もアガサクリスティー的な未必の故意展開で納得。

    二本目がセリフで説明している展開で、登場人物に動きが少ない。ミステリーというには謎が弱く、人間ドラマにしては説明的だった。

    自分には合わなかったみたいで、途中脱落。
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    投稿日:2023.10.16

  • いなえしむろ

    いなえしむろ

    四短編

    うち一つは既読。冒頭の美術の先生殺人事件がベストらしいけど、人によっては既読作品のほうが良いかも。この登場人物が次の鬼の話に続くからね。

    どの作品も真相判明後のエモーションが劇的、独特な感じ。犯人を見つけることや動機やトリックでは無く、すべてが明らかになったあとの関係者の慟哭が真のエンディングなんだろうな。

    あとからわかる被害者の真の姿やすべてを悟った行動や内なる怒りみたいなものが、読後感のほとんどを占める。筋書きが少しばかりあらっぽい気がするんだけど、そこがテーマではないから良いかな。

    確かに次回作鬼に続く色合いがハッキリしているデビュー作ですね。
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    投稿日:2023.05.08

  • 咲夜 永夢

    咲夜 永夢


    人の表の顔と裏の顔。
    自分が知ってる人とは違う裏の一面…。
    4つの短編集ですが、どれも闇深い物語でした。
    自分が見ている部分がその人の全てじゃないのかもしれないと思える作品でした。

    投稿日:2023.01.05

  • gabrielpetajirio

    gabrielpetajirio

    「ベアトリーチェ・チェンチの肖像」「人でなしの弟」「さかなの子」「メーデーメーデー」の4篇からなる短編集。これが作者のデビュー短編集というから驚き。恐るべき新人です。

    「ベアトリーチェ・・・」は、娘の裸体画像を残して変死した美術教師の倒錯的な欲求と、事件を追う女性刑事の心に巣くう過去のトラウマが重層的に描かれぞくぞくする。ファム・ファタール、六条院、そして肖像と倒錯を際立たせる小道具が効いていてクセになりそう。

    「人でなしの弟」は何者かに兄を殺された弟が知ることになる兄の真実の姿。両親の代わりに自分に愛情を注ぎ育ててくれた兄は人でなしだったのか・・・。これはすごい。ゾクゾクした。”濾過された愛情”を受けていた弟とその陰で踏みつけにされていた者たち。表と裏、善と悪、人の本質とはどちらにあるのか。正に深淵を覗くものは深淵から覗かれるのだ。

    「さかなの子」は、父親を堤防で殺された不登校の中学生を親身になってフォローする教師目線で描かれる。父親は何故殺されたのか。殺したのは誰か。週刊誌の記者と名乗る男の登場で、徐々に明らかになる真実。
    ラストで記者を名乗る男が畳み掛けるように吐き出す言葉。糾弾し、炙り出す人の醜さ。深淵の怪物を覗きながら、怪物に覗かれてこちらの心も丸裸にされてしまうような不安。これ、最高!大好物!

    最後の「メーデーメーデー」はちょっといい話にもっていった感が残念過ぎる。最後まで不気味な怪物のまま振り切って欲しかった~
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    投稿日:2020.08.26

  • musamika

    musamika

    人のいい中学美術教師の隠された欲望
    何者かに殺された兄の裏の顔
    身内の罪を隠すために教え子を裏切る教師

    いい人の表面に隠された
    どろどろとした欲望 凶暴性 偽善などが
    思わぬところで暴露されてしまう
    心に秘められた 欲望の怪物は
    ぞっとするほどの暗さがありますね
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    投稿日:2020.08.06

  • ao-neko

    ao-neko

    さまざまな家族の繋がりをテーマに描いたミステリ短編集。愛情、憎悪、さまざまな感情が入り乱れるけれど。それでも切り捨てられないのが家族。温かいような、悲しいような、そんな物語。
    お気に入りは「人でなしの弟」。本当に人でなしと言いたくなるような男と、弟のために尽くす優しい兄。どちらも彼の本当の姿ではあるだけに、とても悲しくなってしまった物語でした。現実を受け止め、それでも自分にとっての真実を確立できる弟の姿が力強くもあります。
    ラストの「メーデーメーデー」は楽しいミステリで、少しほっこり。謎解きのポイントが多いし、読み心地も軽やかでした。いやおうなしに謎解きをせざるを得ない主人公のキャラクターもいいなあ。
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    投稿日:2020.04.25

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