【感想】「松本清張」で読む昭和史

原武史 / NHK出版
(9件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • 7591

    7591

    面白かった。好きで清張さんは、読んでいたが、いかに表面しか見ていなかったか、反省させられる一冊。天皇制、宮中のいろいろも興味深く読んだ。皇室の記事の見方が変わる。

    投稿日:2023.11.05

  • shinjif

    shinjif

    昭和に生まれ育った人たちなら松本清張を読んだ人は多いのではないだろうか?
    この本でも「点と線」、「砂の器」、「日本の黒い霧」、「昭和史発掘」、「神々の乱心」などが取り上げられている。
    自分も「昭和史発掘」は長いので途中で挫折したりしたものの、自分も「神々の乱心」以外は読んだことがある。
    社会派推理作家であり、ノンフィクション作家であるとされる松本清張氏の活動を、ノンフィクションが主軸であり、史料が足りず推測で埋めざるを得ない箇所が多い場合に小説=フィクションという容れ物を借りたというのは全くその通りだと思う。
    そして、松本清張氏の視点を昭和における社会の格差や、差別、語られなかったタブーにメスを入れて白日に晒した先駆者というのもその通りだ。
    推理作家として売れてしまったが故に、ノンフィクション作家として、歴史研究者としての評価が不当に低いというのもその通りだろう。

    中で司馬遼太郎氏との比較が出てくる。
    司馬遼太郎氏の描く時代小説はノンフィクションっぽくみせたフィクションだ。松本清張氏は史実を道具にしながらの推理小説(完全なフィクション)と史料をベースとしたノンフィクションの両方を描く。
    作家としての技量の豊富さ、作品の面白さという点で僕は松本清張氏に軍配をあげる。
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    投稿日:2020.11.05

  • 臥煙

    臥煙

    NHK「100分DE 名著」のテキストの加筆修正版。清張作品で語る昭和史。

    「点と線」「砂の器」「日本の黒い霧」「昭和史発掘」「神々の乱心」を解題し、昭和史を別の角度から描き出す。筆者原武史の専門分野の天皇論と趣味のテツの部分が活かされている。

    元々は番組テキストだっただけに分かりやすいが反面一つ一つの論が浅いように思われる。

    単に作家の枠に囚われずに歴史家、思想家として松本清張は偉大な存在だったことを思い知らされる。
    続きを読む

    投稿日:2020.10.25

  • miyuki

    miyuki

    このレビューはネタバレを含みます

    「社会派推理小説」というジャンルを確立し、日本の推理小説の基礎を作ったとも言える作家の作品を通して、「昭和」という時代を論評する。
    推理小説の古典とも言える「点と線」や「砂の器」等、単なる推理小説作家では終わらなかった松本清張である。
    戦後すぐの社会事情を反映させながら、作品は描かれ、故に単なる推理小説に終わらず、人間模様を描き出し、人々を感動させたのだろう。風俗や社会環境を当時と違っても人間の根本は変わっていない、故に今尚テレビドラマや映画になるのだろう。
    当時の鉄道事情等、忠実に実際のものを反映させている故に、真実味もます。
    また、「日本の黒い霧」「昭和史発掘」のノンフィクションではなかなか踏み込めなかった事件等にも膨大な資料に基づいて描いている。未完の遺作となった「神々の乱心」などでは皇室にも目を向けている。
    松本清張とは驚くほど多ジャンルに挑戦し続けた作家だったと認識させられた。
    また、この本を通して、戦前、戦中、戦後すぐの昭和史に触れることができた。

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    投稿日:2020.05.16

  • 橘

    面白かったです。
    松本清張はまだあまり読めていませんが、既読の作品や観た映像化でも昭和の暗部のようなものが描かれてるなと改めて気付かされました。「砂の器」も「ゼロの焦点」も。
    そしてめっちゃ格差あるんだなぁ…見えなかっただけか。
    皇室にも確執があったというのを初めて知りました。貞明皇后ってそんなに権力握ってたのかな…「貞明皇后実録」出版されてほしいです。秩父宮と二・二六事件と…「昭和史発掘」読もう。
    終章の、司馬遼太郎は歴史を男性中心に見て、松本清張は歴史を女性中心に見てる、というのも面白いです。どちらもそれぞれ読み応えあります。
    そして「国体」…かつてとは違う形で確立されているかもしれない。これちょっとひえっとなりました。
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    投稿日:2020.04.25

  • youkeypp

    youkeypp

     秩父宮が、東北本線で帰京しなかった。というような歴史を復習するような一冊。
     司馬史観への没入を防ぐ。そういう松本清張の捉え方もあるのかと。

    投稿日:2020.04.13

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