【感想】錆びる心

桐野夏生 / 文春文庫
(80件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
7
28
31
7
1

ブクログレビュー

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  • 睡眠とお酒とロデンツ

    睡眠とお酒とロデンツ

    先日『ナニカアル』で初めて読んだ作家さんの初の短編。
    『グロテスク』や『東京島』で名前は知っていたが、それまで読んでいなかった。
    『グロテスク』を図書館で見つけて借りたまま読んでいなかったんだけど、一時帰国時にこちらをみつけて購入し、『グロテスク』が結構面白かったのでつづけて読了。

    まず、文章がとても読みやすい。
    抵抗なくぐいぐいと本の世界に引き込まれ、没頭することができた。

    本作は六篇の短編からなっている。
    どの作品にも共通するのは自己と他者との意識・認識の乖離かな、と思う。
    そして、主人公はみんなとても自己中心的だ。
    もう、後戻りができないようなところまできて、墜ちる。
    人の自己中な所、思い込み、思い上がり、妄想、欲望、恨み妬み・・・そんなものたちが、桐野さんによってかなりアンプリチュードされて描かれていると思う。・・・ぞっ。

    読んでいて、今村夏子さんの作品のような居心地の悪さを感じたが、今村さんが柔らかな文体で書くのに対し、桐野さんはもう少しシャープな感じ。

    個人的には"虫卵の配列"と"羊歯の庭"が好きかな。
    "月下の楽園"は羊歯の庭に少し似ている気がする・・・荒廃した庭に惹かれるようになったきっかけの部分が凄く気味悪いけど・・・。

    "ネオン"は個人的には微妙でした。
    "ジェイソン"は主人公の心理描写が凄くよかったけど、最後のパンチが弱い気がした。

    登場人物に教職が多いが、何か桐野さんの経歴などと関係あるのだろうか。
    続きを読む

    投稿日:2023.12.05

  • きりみ

    きりみ

    桐野夏生は好きな作家のtop3に入るけど、人間のおどろおどろしい感情を描くのが得意な彼女だからさっぱりとしたら短編小説は合わないのかもしれない。

    投稿日:2023.12.03

  • 永杜

    永杜

    6の短編集。

    初っ端から驚きの話でした。
    これは相手が知り合いだからなのか
    普通だったからなのか。

    どれもこれも、普通に始まっているのに
    妙な方向へねじ曲がって着地するので
    不思議になってしまいます。続きを読む

    投稿日:2023.07.26

  • おこのみやき

    おこのみやき

    サクッと読める短編集。
    一番おもしろかったのはジェイソン。
    アルコールの破壊力は侮れないと思いました。

    投稿日:2023.06.23

  • ルルみ

    ルルみ

     6つのお話、ミステリーというのだろうけど、怪しげな世界観があり、ファンタジー(大人向け?)という感じもする。
    表題となっている『錆びる心』。自分が去ることで、相手に「自分を植え付けたかった」というところ。共感しすぎて、息が詰まりそうだった。続きを読む

    投稿日:2023.02.18

  • nami

    nami

    6つの短編集。
    消化不良な話もある気がするけど
    おもしろかったし、読みやすかった
    人間の裏側をちょっと覗き見たって感じ

    "錆びる心"は、1番印象に残った
    主観で見よることが
    自分の世界やし正義で正解なんやろうけど
    見方を変えたらちょっとズレとることもあるんやろうなって思った
    続きを読む

    投稿日:2022.12.12

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