【感想】煽動者 上

ジェフリー・ディーヴァー, 池田真紀子 / 文春文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

平均 3.3
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ブクログレビュー

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  • Konstanze

    Konstanze

    ジェフリー・ディーヴァーは面白い。
    「そんなの、あんたに言われなくても知っている。わかっている!」
    そういう人は多いだろう。
    世界中に。
    だって、世界的ベストセラー作家だから。
    私ごときが紹介しなくたって、皆さん、よくご存じでしょう。
    そう思って今まで紹介しなかったのだが、今回、する。

    キャサリン・ダンスはキネクシスの専門家だ。
    キネクシスってなに?
    ボディランゲージから人の思考を読み解くことである。
    キャサリン・ダンスはその専門家で、達人で、"人間嘘発見器"と呼ばれさえする。
    カリフォルニア州捜査局(CBI)西中央支局の捜査官をしている。
    尋問の専門家だ。
    子供は二人。
    男の子と女の子の母親で、シングルマザーで、難しい年頃の我が子らを育てている。

    著者ジェフリー・ディーヴァーといえば、面白いとか、人気シリーズいくつもとか、とにかくどんでん返しとか、よい評判を聞く。
    じゃあ、読んでみるかという時、しかし、それが困るのだ。
    どれから読んでいいかわからない。
    どれから読んでもよいのだろうけれども、いざとなるとわからない。

    そんな時にキャサリン・ダンス・シリーズである。

    なにせシリーズは4冊だ。(2023年現在)
    話をつかむのにも、追いつくのにもまだ大丈夫であるし、はまってしまったとしても、シリーズ他の話を楽しめる数である。
    「シリーズ20作目!」と言われたとしたら、ひるんでしまうではないか。

    どんでん返しにしても、あったらそれは面白いのだが、程度を超えると、疲れることがある。
    実際、私は同じ著者の別シリーズで、疲れたことがある。
    これはちょうどよい。

    つまり、このキャサリン・ダンス・シリーズは色々「ほどよい」のだ。
    話自体はそれぞれ独立していて、どれから読んでも問題ない。
    キャサリンや他のキャラクターの物語ーー恋愛や、子供のあれこれなどは、シリーズを通じての物語だが、うまく説明があるのでこれまた問題ない。
    たとえ、読んでいたはずなのに、すっかり忘れていてもだ。
    私のように。
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    投稿日:2023.05.15

  • シュン

    シュン

     前作を引き継ぐかのように音楽テーマでスタートする本作だが、なんとコンサート会場が火災を装ったパニック騒動となり、死傷者が出る騒ぎに。それを仕掛けて喜ぶ陰湿な犯罪者というのが幕開けの単純な構図。

     もちろんかと言ってディーヴァー作品がそんな単純構造であるわけがない。その裏には、人種間のヘイトクライム、またはそれを装った犯罪組織の影、またはそれを利用して殺しを楽しむゲーマーの世界。単独犯なのか、組織犯罪なのか? 視点が入れ替わることで、次々と見え方が変わってくる第一の事件に続いて、第二第三の仕掛けが重なってゆく。

     今そこに見えているものがすべて疑わしく思えてゆく中で、ヒロイン、キャサリン・ダンスのラブ・ロマンスの行方や、キャリア・ストーリー、子どもたちがのめり込んでゆく危険な火遊びや、職場内部の出世争い、はたまた買収ゲームも絡む、等々、最初に見えたものはほぼ全て途中からガラガラと瓦解し、別の真相に次々と置き換わってしまう、とそう言っていいような全編これイルージョンな作品である。

     今作をもってダンス・シリーズが終わるようなのだが、その後もキャサリンはライム・シリーズに顔を出し続けたりするらしい。とどのシリーズも先の読めない展開なのが、ディーヴァー・ワールドだと、諦めるしかあるまい。

     今回は、三作立て続けに読んでみたディーヴァー。いずれは未読のすべてを意地でも片付けたいのだが、さすがに、そろそろ迷路ゲームにも疲れ果ててきたので、一時、他に移ろうと思います。はあはあ。
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    投稿日:2022.05.23

  • mylte

    mylte

    このレビューはネタバレを含みます

    図書館の本 読了

    内容(「BOOK」データベースより)
    ボディランゲージから嘘を見抜く天才、キャサリン・ダンス捜査官。彼女が尋問の末に無実との太鼓判を押して釈放した男が麻薬組織の殺し屋だったと判明、責任を負って左遷されてしまう。だが左遷先で彼女は、満員のコンサート会場にパニックを引き起こして人々を殺傷した残忍な犯人に立ち向かうことに…。シリーズ第四作。

    図書館ではハードカバーでかりたんだけれど、なぜかブクログには文庫本の上下巻のものしか見つけられず。。。
    なので形態はハードカバーでした。
    感想は下巻で。

    Solitude creek by Jeffery Deaver

    レビューの続きを読む

    投稿日:2020.03.11

  • ikezawa

    ikezawa

    「人の所作、微表情、言葉選び」から嘘を見抜く「人間嘘発見器キャサリン・ダンス」
    シリーズ四作目

    今回はいきなりミスを犯し
    刑事事件の捜査ができなくなってしまう。(一作目でも、犯人逃亡してたし…ダンスって、ミス多いような?一作目の方が即解雇されそうなミスだった記憶が…)

    人々のパニックを引き起こす連続殺人犯(テロリスト?)との対決

    …なんかまだ前半だからか全体的ぼんやりしてる印象
    また、パターン化してる。
    ・今回のテーマである「パニック災害」に関するリサーチ情報の列挙
    ・狂った原因と、名前のついた狂気に囚われている犯人
    ・ダンスの恋愛事情&家庭の問題

    作者がテーマを決めて、そのテーマによってダンスがライムかを使い分けている感じ。たぶん作者から創作の話について、他の本で読んでしまったのが悪かったのかも…

    AからB.翔んでXへ…
    停電からパニック災害にエレベーター、そしてエスカレーター
    (スティール・キス)へアイデアが連鎖する。

    毎回思うけど、レベルの高い次元でマンネリ化してる。
    それでも読んでしまう。下巻へ。
    とメモして投稿するまでの間に下巻も読んでしまった…面白い。
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    投稿日:2019.11.26

  • noisyduck

    noisyduck

    これまでのキャサリン・ダンスとはいささか印象が異なる。なんとなく鈍な感じなのだ。得意の尋問でも潜在意識に捉われて失敗、転属の憂き目に会う。下巻で名誉挽回となることを期待したい。

    投稿日:2019.11.20

  • 文藝春秋公式

    文藝春秋公式

    【人間発見器ダンス捜査官、最大の危機に陥る】犯人逃亡の責任を負って左遷されたダンスは、集団パニックによる無差別殺人を追う。シリーズ中屈指のドンデン返しを仕掛けた傑作。

    投稿日:2019.10.23

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