【感想】地名崩壊

今尾恵介 / 角川新書
(14件のレビュー)

総合評価:

平均 3.4
1
3
9
0
0

ブクログレビュー

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  • 1330415番目の読書家

    1330415番目の読書家

     偶然筆者のトピックと自分が通り過ぎた場所が、似ていたなと思う。

     地名の由来はなるほどと思ったが、この本はさらに予想外の効果をある一定の読者にもたらす。

     本の趣旨とは異なるが、地名は現在に至るまでの思い出と連動している。この本を読むことで、すっぱい記憶など悲喜交々を思い出すことができる。

     
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    投稿日:2024.02.12

  • pu-books

    pu-books

    えー、面白くなかった。。
    途中で読むの止めようかと思ったゎ。
    途中まで、☆2つにする気満々。最後の方だけ「本」っぽくなったから、辛うじて総合3に上げた感じ。

    なんてか、ただ脈絡もない事実を前半は羅列してるし、あまり大した事実でもないし、(もちろん、史実を調べること自体が大変だったりプロの技なんだろうということを置いといて。一般向けに出しといて、だから何だ、て感じ。)
    しかもそもそも、「事実」がわからないことが多すぎる地名の論争のなかで、特段環境証拠や客観的理論にのっとることなく、僕はこう思うんだよね、ていう一言が載っているだけ。
    これは...ブログ感すごくて。
    本、なのか?!ていう。

    最後の方だけは、やっと若干だけそういう論調になってきてホッとしたけど、まだ足りない。
    そもそも、昔の地名が失われて、、てひたすら強調してるけど、その論拠は???
    考えようによっては、桶屋町、とか、単純に桶屋街があったからそう名前つけた、とかいうレベルのもので、由緒云々の話でないとも言えるなかで、保存の意義は???とちょっと思ってしまいました。保存したくなるようなやつなら保存すればいいし。もうちょっと、真面目な本かと思ったし、それらの論調に根拠が得られるのかなと思って読んでみただけに、残念。
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    投稿日:2022.11.08

  • bokemaru

    bokemaru

    知人が持っていたものをたまたま借りることになり読んだ一冊。
    わかりやすさ、管理のしやすさを追及することによって、大事な歴史や文化、伝承が失われていくことを憂えている。

    投稿日:2021.05.13

  • 有井 努 Tsutomu Arii

    有井 努 Tsutomu Arii

    地名にもキラキラネームの波は押し寄せて
    います。

    市町村の合併などで新しい名前の地名が生
    まれます。その名称はまさしくキラキラネ
    ームのオンパレードです。

    ひらがなだけで表現する⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎市、地名と
    は全く関係なくイメージだけで選ばれた
    ⚪︎⚪︎ヶ丘など、もはやその地名がどこの県
    にあるのか判別できなくなっています。

    なぜそうなるのか。

    誰からも文句が出ない名前に落ち着いた感
    があるキラキラ地名が決定されるプロセス
    や、そもそも以前の地名は何だったのか。

    今となっては以前の地名のままの方が良か
    ったのでは?と思わせるくらい過去の歴史
    を紐解いて、地名にこだわりぬき、キラキ
    ラ地名の幼稚さを知らしめる一冊です。
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    投稿日:2021.04.07

  • iadutika

    iadutika

    このレビューはネタバレを含みます

    地名崩壊

    著者:今尾恵介
    発行:2019年11月10日
    角川新書

    大阪市でも1980年代に住居表示が変わり、例えばミナミの畳屋町が東心斎橋となるなど、雰囲気のある町名が消えていった。北区でも、梅ヶ枝町、老松町、空心町などが、みんな西天満や東天満になった。
    この本によると、「心斎橋」という地名はもともとなかったらしい。ブランド地名として行政がグルになって増やしていったということになる。

    1923年の関東大震災による復興事業、1962年に実施された住居表示法、平成の大合併により、歴史を感じる地名がどんどん抹殺された、とくに1962年の住居表示法は「地名ジェノサイド」を招いたと著者は嘆いている。
    また、最近、続々と誕生している政令指定都市の区名についても、元々ある地名」は候補から外すという「民主主義」が横行していると嘆く。

    地名は、馴染んでいればどうということはないものだけど、昔を知っている者にとって、単純なブランド化や安直な「平等化」による地名変更はなんとも嘆かわしいに違いない。
    思惑が入り乱れて、結局、意味不明の長いものになる鉄道の新駅名にやるせなさを感じている身として、同感する部分がある。

    ****(メモ)******

    (冗談みたいな地名)
    ・福岡県宗像(むなかた)市に「くりえいと」という地名がある。愛称とかではなく正式地名。
    ・山形県酒田市の旧市街地東側にある「こあら」という地名は、「古荒(こあら)新田」にちなむ。廃田を意味する古荒を復旧させて新田とした土地だったが、新しい住宅地として動物をイメージする「こあら」としているのだろう。これも正式地名。
    ・札幌市の北に隣接する当別町に「スウェーデンヒルズ」という地名がある(愛称でなく正式地名)。スウェーデン住宅が並ぶ新興住宅地。
    ・東京にあった八重洲町(今は丸の内2)は、オランダ人ヤン・ヨーステンの屋敷にちなんだというのが有力説。

    (ブランド地名)
    ・駅名でワンランク上の住宅地の響きを持つのが「○○ケ丘」だが、元祖はおそらく大阪の夕陽丘駅あたりだろう。
    ・不動産が高く売れる地名、すなわちブランド地名。商業地なら銀座、住宅地なら田園調布や成城、芦屋など。そのエリアは広がっていっている。銀座のエリアが広がったのは、関東大震災の復興事業が始まり。
    ・品川区の戸越銀座商店街は、全国にある繁華街における「銀座」命名とは事情が違う。関東大震災で壊滅的な被害を受けた銀座での大量がれきを引き取って水はけの悪かった地面に敷き詰めたという縁があったので、「戸越銀座」と命名した。ただし町名は「戸越」だった。
    ・成城にある8棟からなる大規模マンションは、1棟だけ狛江市内にほぼ入っているのに、住居表示を「世田谷区成城」とするのに成功した。「一体とした建物」との解釈で代表地番表示にできたのだろう。この棟の住民は世田谷区民として世田谷区に住民税を納めるが、固定資産税は狛江市にも納めているという珍現象が起きている。

    (駅名)
    ・地名階層とは、地球>アジア>日本>関東地方>東京都>千代田区>丸の内、というようなこと。新幹線の駅名は地名階層が上である必要。ターミナル駅の大阪駅は「梅田駅」だと地方の人にわかりにくい。
    ・関東での最初に営業運転した電車は大師電気鉄道の六郷橋付近から大師までの間。川崎駅を起点としなかったのは、人力車組合の激しい反対があったから。
    ・「浦和」駅は全部で8つある。浦和駅、北浦和駅、南浦和駅、西浦和駅、東浦和駅、中浦和駅、武蔵浦和駅、浦和美園駅。乗り換えの間違いを防ぐため、それぞれの地名を採用せず、機能一本槍の地名ばかりになったと著者は嘆く。
    ・八戸駅は元々支線の八戸線上にあったが、幹線を走る列車の乗客にわかりやすいよう、東北本線の乗換駅であった尻内駅を1971年に八戸と改称し、旧八戸駅を本八戸(ほんはちのへ)駅とした。
    ・ニュータウンの駅は「中央」がつく駅が多い。千里中央駅、日生中央駅など。
    ・新大阪など「新」がつく駅名のうち、現存する最も古い駅は京急の新子安駅、1910年開業。今はない駅名では、名鉄の新一宮駅で、1900年ごろに一ノ宮駅から新一宮駅に(尾西鉄道)。そして、2005年に名鉄一宮に変わった。

    (合併後の地名)
    ・中国の武漢市は、1949年に武昌市、漢口市、漢陽県が合併してできた。
    ・1874年、筑摩県時代の安曇郡で、上鳥羽村、下鳥羽村、吉野村、本村、成相町村、成相新田町村が合併。鳥羽(と)、吉野(よ)、新田(し)、成相(な)の頭文字をつなげ、豊科村(長野県安曇野市)になった。そして、更科や埴科(はにしな)、明科といったシナのつく地名の多い信州らしい地名を創出した高等テクニックには舌を巻く。

    (珍現象、雑学)
    ・世田谷区の自由が丘駅前はかつての水田地帯で、自由が丘という谷から南へ歩けば、奥沢という大地に上がっていくという逆転現象が起きている。
    ・かつて東京に存在した「淀橋区」は、1947年の統合で23区となったときに新宿区となったが、淀橋という町名は残った。ここに1967年に創業したのがヨドバシカメラ。

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    投稿日:2021.03.30

  • 臥煙

    臥煙

    由緒ある地名が簡単に消滅する時勢に警鐘を鳴らす一冊。

    キラキラネームと同様に地名にもひらがなとカタカナが流行。特に平成の大合併で激変している。難読地名をひらがなにした「こあら(小荒)」はよいとして、あるかぽーと(下関市)、メルヘンランド(小矢部市)、豊幌はみんぐ町(江別市)など。

    合成地名も今ではそうと気づかないほど定着していることも。谷津・久々田・鷺沼で津田沼とか鳥羽(と)、吉野(よ)、新田(し)、成相(な)で豊科。

    最近では災害地名が有名だが本書は具体的な場所がはっきりしない災害地名は当てにならないことを指摘している。

    土地のイメージが地価に影響することもあるので、部外者があまり言うべきでひないが、せっかくの由緒ある地名、大切にしてほしいものだ。
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    投稿日:2021.02.17

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