【感想】明るい夜に出かけて(新潮文庫)

佐藤多佳子 / 新潮文庫
(153件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
31
66
37
6
2

ブクログレビュー

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  • horinagaumezo

    horinagaumezo

    大学を休学しコンビニでバイトする深夜ラジオのヘビーリスナーである富山、同じコンビニでバイトリーダーとして働きネットの歌い手という顔もある鹿沢、コンビニで偶然出会った同じラジオ番組のヘビーリスナーである女子高生の佐古田、富山の旧知の仲の永川の4人が主要人物の青春小説。終始主人公である富山の独白調の一人称視点で語られる。
    読後感のよいまさに青春小説。登場人物たち(ひいては著者)のラジオ愛がすごく伝わってきて、自分は深夜ラジオは全く聞かないが、なかなか奥深い世界があるものだと感心した。
    「自意識過剰でひねくれてるし、臆病でほっといてほしいくせに、評価はされたいんだよな。目立ちたくない、目立ちたいって、まったく相反する二つの気持ちがあるよ。弱っちいくせにプライド高かったりね。」という主人公の独白は、自分の奥深い気持ちにかなり近いものがあり、シンパシーを感じた。
    続きを読む

    投稿日:2024.04.11

  • kakane

    kakane

    大好きな作家、佐藤多佳子の作品。期待以上の傑作だ!
    まず、具体的な芸人や番組を取り上げてくれている。著者は私と同年代だから、すごい取材をしたんだろう。私たち世代なら谷村新司「セイヤング」鶴光「オールナイトニッポン」などになるが、アルコ&ピースを綿密に描写していて頭が下がる。風景描写も素晴らしく、後半の平潟湾の富山と佐古田の夜の散歩?は風景が目の前に鮮明に現れた。そして、佐古田、つまりは虹色ギャランドゥがめちゃくちゃ魅力的なキャラで、富山との不器用な恋路の行き先が気になってしまう。今を生きる若者の成長を綴った本作は「サマータイム」「一瞬の風になれ」と並ぶ、著者の代表作だと感じた。続きを読む

    投稿日:2024.03.10

  • wakikoto

    wakikoto

    本との出会いってすごく運命的 適当に手にとったこの小説でそんなことを改めて感じた
    なぜなら私は中学高校の頃から二十数年ぶりに、今まさに、ラジオ(正確にはポッドキャスト)にハマっているから!こんな偶然!

    佐藤多佳子先生はいいイメージ 2-3作品?読んだことある それだけで裏表紙のあらすじも見ずに読みはじめた 
    コミュ障のコンビニバイト話かと思ったらまさかこんな素敵4人のストーリーとは!鹿沢はかっこいいし佐古田は天才でかわいい 年もいい感じな距離感 ラジオだけじゃなく歌い手にアメーバピグ 後半のアルピーANN実況の熱量!これこれ佐藤先生の文章 主人公頭の中の言葉がどばーと溢れてくる感じ 止まらない
    ラジオ描写はアツいけど全体的には落ち着いた夜 深夜のコンビニ 金沢八景 国道と海 いい青春小説 成長あるし繋がりあるし辛さもある いいな成長って バイト辞めること伝えた時の副店長もいい!

    カレー屋で佐古田にはたかれた後の「いつか、ぶち返す」が周りの反応含めて最高だった

    「夜」という言葉の持つ深さと、「明るい」という言葉の持つ強さ。十人いれば、きっと十通りの「明るい夜」のイメージがある。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.05

  • プッチ

    プッチ

    インターネットの時代に生きる若者はその世界の出来事がリアルな人間関係よりも重かったりする。ということを、ラジオ番組を舞台にして描いた青春ドラマの小説かな。自分と同世代の作者がこの若者言葉で綴るストーリーはどうなんだろう、いやそんなのマジ関係ねぇ。コンビニの深夜バイトも女子校の文化祭も知らないけどすごくリアルな感じで、舞台にした横須賀のコンビニなど架空のものとはやっぱり佐藤多佳子すげー、神だわ。なんて無理しても書けないが、楽しめたよ、ほんと。続きを読む

    投稿日:2024.02.03

  • よこぺ

    よこぺ

    アルピーリスナーの人間関係とか、関わりの話で、自分も深夜ラジオが好きなので興味深かった。
    主人公と世代も性別も異なるため、親近感はわきにくかったが、葛藤や人間関係の変化などを遠くから見守っているつもりで、こんな夜がたくさんあるんだろうな、と思うと悪くないなと思う続きを読む

    投稿日:2024.02.03

  • そば

    そば

    久々に引き込まれた本に会えた

    実在する登場人物が出てくることで
    実際あった話のように感じられたところが
    夢中になれた理由のひとつだろうか

    誰でも何かしらの人とは違ったところを持っていて
    それを個性と呼ぶのだろうが
    主たる登場人物の4人は
    普通よりもより個性的で
    それ故に生きづらさも抱えていて
    その部分を補い合うわけでも認めるわけでもなく
    ただそのままでいいから
    一緒にいられるようになっていった

    そのままの4人が
    お互いに影響し合って
    それぞれが変化していく

    そんな関係が
    「いい」関係というのだろうなと思わせてくれた

    読み終えるのに年をまたいでしまったけれど
    よい年末年始だった
    続きを読む

    投稿日:2024.01.07

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